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さよならの言い訳

 

君が見たある日没の非常識オレンジ色が「さよなら」言わず

 

瞼閉じ広がっていく星空で亡き友人の星座輝く

 

犬小屋のぽっかりとした暗がりに戻らぬ時間詰め込んで寝る

 

俺はやる俺はやるぞと言いながら黙って拳握ってる夜

 

コーヒーと食パン無い朝ひびくキチガイナスビの甘いバラード

 

 

 


自由詠 10首

 

春の雪行き交う街の足下に地が割れた日の残響を聞く

 

体重はいつも通りの僕を乗せ冬の朝だけ汗かく車

 

雨上がりアスファルトの地図踏み込めばゴジラのような顔した私

 

世界はこんなに優しいと君が言ったその時から強くなれる

 

マルボロの箱をみるたび思い出す煙のように街を吸う君

 

軒下で居眠りする傘開けば君が迎えに来そうな五月

 

信号が青から赤になるときの瞬きのような口づけする

 

図書館で迷う児童を見つけては文豪たちが手招きをする


この本の内容は以上です。


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