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21 【はことわ】

 

へんてこ くうかん の、へんてこ こたつ

そこ 今日は 白黒ず いがいにも

 

しろくろ からふる しかくく まるい

 

ふしぎ2ひき 箱を すとんと

 

黒のは 渦巻き動く 銀河模様の包みに

魔法仕掛けの赤と金色の結び 深い箱

耳を当てると 未来の汽笛の ような音

 

白のは 白雲旅する 青空模様の包みに

魔法仕掛けの若草色の結び 真四角の箱

鼻をかざすと 懐かしさを醸す甘い匂い

 

魔法をあつかう ありていぬものたちも

ひとびとの おまつり あれこれ 楽しむ

ただし やっぱり へんてこで

だけど やっぱり それもまた 

かげりある みち てらす あかるみ

 

ときどき ひかる ときどき うかぶ

 

その中身と 箱までの 冒険奇譚

ひもとき ひらく その景色は

 

どうやら 部屋ほどの 箱の中

まわり つつむは 巨大な箱で

それを つつむも 巨大な箱

それを つつむも…

 

 

・ ・ ・

 犬先生:おーっこれは空のはじっこで極稀に生成されるという幻の綿砂糖菓子の結晶美味ー!

 

 ラクシャさん:おぉっ僕のは幻の1/150 アペンタジア銀河系鉄道模型せっとぶつかる痛いっ!


22 【森と暖】

 

こたつじゅんび ばっちり

よっこらしょっ と 運ぶ先

気づいたら 変化のあと

 

いろんな動物 ぬくもりのなか

 

珍しく ぐっすり眠る 鹿

おしりを出してもぐった うさぎ

蔓草まで すやすやと

小魚 泡つぶ 大の字の熊

仔猿 旅鳥の けづくろい

 

さて どうしようと 白と黒

 

少しあいている面 座ってみたら

動物 植物 すこし よけてくれた

 

おや足元 もふもふだらけ

見えなかった ちいさなけだま

こんなにいっぱい いたんだね

 

ぴょこ と顔出し あくびした仔狐

そのまま おなかの上で まるまった

 

いちにちだけ こわくない、じゆうな一日 もらったら

みんな はたして なにするだろう

 

おや、のしのし 虎に 仔象に 蝶の群れ 

野菊 ふくろう 始祖鳥 銀色の円盤まで

 

ぷるぷる見上げる 耳の後ろ なでつつ

白黒 よけて 座れるすきま あけてみた

 

 

さてはて いくとうに なったかな?

時と場所の はざまの おこた 

凍えた身に やっと の、ひととき

 

・ ・ ・

 犬先生:あははっこれヘビさん、鼻より出入りするのはよしたまえ。

 

 ラクシャさん:君の腹宇宙の構造って…あいたっハトさん パンあげるから!


23 【あぐおる】

 

鼻 ふくふく

白犬 黒犬 たっぷり伸び して

見回してみると 変化のあと

 

糸が通った こたつ 霧の深みを のぼっていた

 

ぼくら どこまで のぼるのだろう

のぼったあと どうなるだろう

うえとした しか ないのかな

なぜのぼって いくのだろうか

ほんとうは どちらに 動いているかな?

 

冷えた鼻 ぺろり

 

白が見た黒 底へ 舌の息 おくり

黒が見た白 高みに耳を振り

 

似た影 糸こたつ すぎゆく

影の こたつの のぼりおり

みえかた うや むや それも 粒ずつ

 

 

2ひきは おなかがすいたので

 

白は 雲と蝶になる息をはき

黒は 星と陰火になる息をふき

 

干し芋 わけっこ 食べました

 

・ ・ ・

 犬先生:すとろぼ効果のようなものかのう…むしゃむしゃ。んぐっ

 

 ラクシャさん:糸の先や加重も 気になるところだね…むしゃむしゃ。はいお茶。


24 【跳と柔】

 

ひえた前足 ひとなめ

尻尾もかちこち さあこたつだ

…と思えば 変化のあと

 

こたつが ぷるぷるゼリー になっていた

 

つつくと ふるえ

置いたもの お手玉ぽん

 

はじっこ かじるに かじれず

ふとん めくるに めくれず

白黒2ひきも お手玉ぽんぽん

 

すっかり舌出し 尻尾 威勢よく

へんてこ2匹 はざまの童心

 

ぶらんこ ぶらん ふりこの空 ふる ふる 黄の葉

水溜り ひととび しっぱい 幾重にも 幻想の雲間

ふりそそぐ 陽と 雲おぼろな 月 光ずつ

 

なぜ いま こんなに 残光 まぶしく 沁みるのだろう

 

わふん どしん ぶつかりっこして おりてきた

犬たち ぺろんと こたつも ひとなめ

あいた隙間 ほこほこ 丸く なりました

 

・ ・ ・

 犬先生:外で中、中で外のようなものなのだよ。我が腹はそんなかんじ。

 

 ラクシャさん:そして、ご安心を。犬先生は魔法ずぼんを着用しています。


25 【背と背】

 

雪雲を 吹き流す 風の音響く

みぶるい起きた 白い仔犬だけ

きょうは こたつ 変化のあと

 

あれ 黒犬さん どこだろう?

 

鼻ならし みまわし ぱたぱた

尾とおなかに力入れ よんでも こたえない

 

黒 どこへいったの?

歩けなかったぼくと いっしょに歩いてくれた かげ

 

 

一方 どこか 白犬さんを 探す仔も

 

かいだり 耳をたて とすとす

尾とおなかに力入れ よんでも こたえない

 

白よ どこへいった?

ひび割れた私の そばを歩き来た 光

 

おおきななかの ちいさななかの

いのちのなかの こころのなかの

 

ぼくら 形なす粒ずつの 確かに対の仔 だった

 

 

アクアマリンの アルマンダインの 瞳 こごえ 潤み

ふす… と白い仔 座り込んだら あれれ

 

あしもと 垂直反転

うらにもこたつ うらには黒い仔

 

いなくなって なかったんだね

へんてこ底越し ちゃんと2ひきは 2ひきだったね

呼んでみたけど姿だけ 声が互いに 届かない

 

うつろい行くことの 光と影

終わらず続くことの 影と光

 

愛らしい顔 元気な声 ふるふる 尾っぽ

ありて いぬものたちの 幻幾年 名残幾年

 

こころの?きおくの?

いつか どこかの 2ひき

 

背中あわせの ぬくもり

 

・ ・ ・

 犬先生:おや、ラクシャおらんな…超健康・骨虫椅子 出したのに。

 

 ラクシャさん:わ~ この座椅子座り心地いいなぁ…でも、犬先生どこだろう?



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