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18 【小と大】

 

けなみ ふおふお

おはようの まぶたが まだ おねむ

でももうすでに 変化のあと

 

こたつが 背も あげた手も 届かぬほどに 

2ひきが 縮んだ?けしきが 伸びた?

 

白黒 くんくん 探検してみた

小さくなると ふとんのうねり 山や谷

てーぶるまうんてんこたつ 頂上 よっこら

きゅうすに湯のみ みかんや新聞 異郷の動植物 そこ ここに

 

ちいさいとみえるものも あるんだね

おおきいとみえるものも あったんだね

 

では ぼくらはいったい なんだろう

 

 

後足 ぺん と伸ばして 前足を ぺろぺろ ミクロの黒犬

空の天井見て 巨大物体に驚き 吠える ミクロの白犬

 

風が渦巻き すうっと止み 

巨大なみかんと ほかほかお皿

賑わう天板に 着陸しました

 

・ ・ ・

 犬先生:幾多のうちの一つでは、私はもしかすると 昆布煮なのかもしれぬ。または星。

 

 ラクシャさん:味のしみこみ具合が要なんだ。 これがナカナカ…えっ煮物の話じゃない?


19 【花と子】

 

くんくんする鼻に 土のにおい

ぐうっと伸びして あくびして

こたつをみれば 変化のあと

 

天板のうえに 植わった おおきな 花

 

爪の先で触れたら のんびり よけた

ゆっくり呼吸をするように 光る花粉を放っては

また のんびり しずかに戻り

なんのためにか なにをおもうか

 

植物と動物 まざったでざいん その意

ひとがもし 草木だったら?

虫をたべる花 生体電位でうたをうたう木

古代の種が だんだん育って 咲いたという

化石の森 水の森 旅する蝶 憩うところ

 

多いものは1000年以上 佇んでいきる 思いはどんな ものだろう

 

 

また花をみると しぼんでいた

静かな呼吸ごと かすかになっていく姿

 

はたしてそれは みにくいだろうか

 

 

あおい あかい 瞳の先 天板の上 ころん

ぼんやり光る まんまる いのちの もと

 

・ ・ ・

 犬先生:わが腹宇宙に 種を 植えてみたのである。

 

 ラクシャさん:なんだか芳香がするね、君のおなか。

 

 


20 【過と境】

 

あったか へんてこ こたつ と いぬず

そういえば と思い出しげな そのとき

 

お茶の後のマグカップ 天板に吸い込まれていった

 

顔を見合わせ 手をつくと

黒白 2ひきも 天板の中へ

 

こぷこぷのぼっていく 泡のむれ

夕焼け色の おどる光と 森の香り

 

泣いて食べたごはん 宇宙探査のニュース 雪模様

 

むかし 樹木や鉱石だった

それがあわさり こたつという 存在になり

 

劣化せぬものは ないながら

こたつは したしむひとの

こころのどこか あたためつづける

 

鉛筆かりかり 消しゴムがしがし どうにもなこと 楽しみなこと 

 

ものというだけでないもの の

ものとこころの 境界を

へんてこ2ひき 通過するうち

 

琥珀色の あたたかな光の中に 

こぷこぷ登る 泡の あいだに

 

だれも通らぬ 灰雲の曠野 冷たい風に吹かれ 歩む

ちいさすぎる白黒2匹 みた気がした

 

柔らかいみかん ミニチュアの家具 流行じゃなくても好きな歌

 

へんてこの底の マグカップに

羽毛恐竜の はね ひとひら

 

・ ・ ・

 ラクシャさん:僕らも随分、遠いところまで来たよね… はいお茶。

 

 犬先生:ははは、私はまだまだ まじかる、君も対極まじかるがよい。お、どうも。


21 【はことわ】

 

へんてこ くうかん の、へんてこ こたつ

そこ 今日は 白黒ず いがいにも

 

しろくろ からふる しかくく まるい

 

ふしぎ2ひき 箱を すとんと

 

黒のは 渦巻き動く 銀河模様の包みに

魔法仕掛けの赤と金色の結び 深い箱

耳を当てると 未来の汽笛の ような音

 

白のは 白雲旅する 青空模様の包みに

魔法仕掛けの若草色の結び 真四角の箱

鼻をかざすと 懐かしさを醸す甘い匂い

 

魔法をあつかう ありていぬものたちも

ひとびとの おまつり あれこれ 楽しむ

ただし やっぱり へんてこで

だけど やっぱり それもまた 

かげりある みち てらす あかるみ

 

ときどき ひかる ときどき うかぶ

 

その中身と 箱までの 冒険奇譚

ひもとき ひらく その景色は

 

どうやら 部屋ほどの 箱の中

まわり つつむは 巨大な箱で

それを つつむも 巨大な箱

それを つつむも…

 

 

・ ・ ・

 犬先生:おーっこれは空のはじっこで極稀に生成されるという幻の綿砂糖菓子の結晶美味ー!

 

 ラクシャさん:おぉっ僕のは幻の1/150 アペンタジア銀河系鉄道模型せっとぶつかる痛いっ!


22 【森と暖】

 

こたつじゅんび ばっちり

よっこらしょっ と 運ぶ先

気づいたら 変化のあと

 

いろんな動物 ぬくもりのなか

 

珍しく ぐっすり眠る 鹿

おしりを出してもぐった うさぎ

蔓草まで すやすやと

小魚 泡つぶ 大の字の熊

仔猿 旅鳥の けづくろい

 

さて どうしようと 白と黒

 

少しあいている面 座ってみたら

動物 植物 すこし よけてくれた

 

おや足元 もふもふだらけ

見えなかった ちいさなけだま

こんなにいっぱい いたんだね

 

ぴょこ と顔出し あくびした仔狐

そのまま おなかの上で まるまった

 

いちにちだけ こわくない、じゆうな一日 もらったら

みんな はたして なにするだろう

 

おや、のしのし 虎に 仔象に 蝶の群れ 

野菊 ふくろう 始祖鳥 銀色の円盤まで

 

ぷるぷる見上げる 耳の後ろ なでつつ

白黒 よけて 座れるすきま あけてみた

 

 

さてはて いくとうに なったかな?

時と場所の はざまの おこた 

凍えた身に やっと の、ひととき

 

・ ・ ・

 犬先生:あははっこれヘビさん、鼻より出入りするのはよしたまえ。

 

 ラクシャさん:君の腹宇宙の構造って…あいたっハトさん パンあげるから!



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