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SCOOP!

SCOOP!

2016年10月24日鑑賞

 

ゴギブリとドブネズミ、以下の「美学」

 

「福山がスキャンダルな役をやるらしい」と言う印象しかなかった本作。

当初観る予定もなかった。

しかし監督の名前を知って観てみようと思った。

「モテキ」「バクマン。」を撮った大根仁氏である。

それほどまでに、この二つの作品は抜群に”面白カッタ”のだ。

本作では福山雅治が、ダーティーでワイルドな「中年パパラッチ」を演じる。

その意外性と、テンポの良いストーリーに引き込まれる作品に仕上がっている。

福山演じる主人公「都城静」は、芸能人、タレントなど有名人を盗撮するのが仕事だ。

かつては出版社に勤めていたが、今はフリーでやっている。

組織の”しがらみ”から外れた、まさにアウトローであり、一匹狼。

彼の車はベンツのゲレンデワーゲンである。

新車だと軽く1000万を超える車だ。

「結構儲けてやがるなぁ~」と思っていたら、実は中古で買っていたのだ。

フリーカメラマンの暮らしは楽じゃない。

彼の場合、一般ピープルが、覗き見したくなるような、著名人を狙う。

夜の闇に紛れ、獲物の行方をどこまでも付け狙い、追いかける。

その姿はまさにハイエナである。

やがて彼のカメラが決定的瞬間をゲットする。

「カシャッ、パシャッパシャッ!!」

次に彼がとる行動はただ1つ。

逃げて逃げて逃げまくるのだ。

「獲物達」は反撃してくる場合があるのだ。そういう危機的な状況に陥った都城を助けてくれる、変なおじさんがいる。

名前を「チャラ源」という。

この闇夜の時空間に、ふわふわ漂っている「クラゲのような」得体の知れない人物を、演じられるのはこの人。

リリー・フランキーだけであろう。

このキャスティングは大正解。この人の演技にはいつも驚かされる。

本作でもかなり衝撃的なシーンがあるのでお見逃しなく。

さてこういう、ヤサグレた”汚ッたねぇ~”現場に配属されてきたのが、二階堂ふみ演じる”ウブな”新人女性記者「行川野火」

写真週刊誌の「イロハ」も、まるでわからない”ど素人”だ。

「なんでこんな奴と組ませるんだよ!」と都城静は、やり手女性編集者(吉田羊)に悪態をつくのだが…。

彼は、この”ど素人”女性記者を車に乗せ、今日も獲物を求め、夜の街に紛れ込んでゆく。

彼の仕事の99%は「待つこと」に費やされる。

24時間、狙った獲物を待ち続けても、23時間59分、何も起こらないのが当たり前なのだ。

しかしこの道のプロ、都城静は、その「残りの1分」「シャッターチャンス」に全てを賭ける。

そうやって彼は有名人達のアラレもない、恥ずかしい姿を「SCOOP!」として次々、モノにしてきた。

彼の写真を「商品」にし「現ナマ」に変えるのは写真週刊誌だ。

編集部では、毎号、発売部数がホワイトボードに表示される。

都城静と行川野火のチームは、どんどんスクープをモノにしていく。

刺激的な写真を撮れば撮るほど、発行部数は右肩上がりで、増えてゆく。

まさに「イケイケドンドン」

その発行部数の伸びを横目に見ながら、都城静は、ぼそっと野火につぶやく。

「俺たちがやってる事は、しょせん、ゴキブリか、ドブねずみ以下さ」

しかし、ゴキブリだって、ドブネズミだって、なりたくてその姿に生まれついたのではない。

彼らにも彼らなりの美学があってもいいではないか?

今日も彼らは真夜中の闇に紛れ、こそこそと街の片隅に自らの姿を潜める。

「SCOOP! を撮る」

ただそれだけに、全てを賭ける、彼らの生き様。

ラストシーン。漆黒の夜空。

ぽっかり浮かぶ満月。

月はどんな表情で彼らを観ているのだろうか?

**************

天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆☆☆

配役 ☆☆☆☆

演出 ☆☆☆☆

美術 ☆☆☆

音楽 ☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

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作品データ

監督   大根仁

主演   福山雅治、二階堂ふみ、リリーフランキー、吉田羊

製作   2016年 

上映時間 120分

「SCOOP!」予告編映像


奥付



2016・11月号 映画に宛てたラブレター


http://p.booklog.jp/book/110823


著者 : 天見谷行人
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/mussesow/profile


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