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はじめに

この度は「liferデジタルシナリオ」よりStg:0『壺毒の病』をお手にとっていただきまして、誠にありがとうございます。

こちらはlifer(http://lifers.jp/) にて上演しました戯曲を、使用時ほぼそのままの形(下「原本より変更点」参照)で掲載しております。加えて、少々特殊な書き方となっている部分などもござ いますので、「読んだだけでは状況が解らない」などシナリオとしては至らない点もアルかと思いますが、どうぞご了承の上お楽しみください。
なお、テキストは「青文字」がト書き、他が台詞となります。

原本より変更点
  • 各章を2~3000字程度に分割しています。

1
最終更新日 : 2012-01-10 01:08:51

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登場人物

跡(せき)

2
最終更新日 : 2012-01-10 01:08:51

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目次

はじめに

はじめに
登場人物
目次

本編

一.一番目の金網を破る
OP
二.飛ぶ少年の下に立つ
三.模索する男に反感を憶える
四.樹の下で邂逅する
五.頭上の裂け目を指す
六.壊死に向かう

おわりに

上演
出典
付録)パンフレット挨拶文
後書き

3
最終更新日 : 2012-01-10 01:08:51

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1-0

[一]
一番目の金網を破る


4
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1-1

その牢獄の中は意外にも自由である。
つまり牢が牢である為の必須条件を其処はクリアしていない。牢獄と、いうエリアは語義からも自明なように被拘束者と他者を強制的に区別する為に在るもので、その意味からもこれは当然他者の側から発動されるものだが、其処ではそれからして違う。その牢獄は牢と呼ばれながらも実のところ被拘束者、つまり内在者側から生成されたものであり、且つその必要性を、ひいては存在自体を感じているのも内側のみである。原則に照らせば其処は牢では在り得ないのだが、ここで特殊でありまた其処を牢獄たらしめているのは、その当の内在者が自らを拘束する他者の存在を感じていて尚かつそれを感じているのが自分だけだということに気付いていない点にある。つまり内在者はちゃんと自由を奪われているのである。しかしこれは当然といえば当然の感覚で、一般にこういった状態は他の適した言い回しで、例えば「閉じこもっている」とかいった表現の類に括られるだろうが、当の本人からすれば自らの力でどうにもできないのだから拘束されているのと差異はない。そしてこのケースでは、その感覚が感覚を具象化する程に強いのである。
その牢獄には入った瞬間に、不快ではないが奇妙に感じるような、何かしらの匂いが漂っている。その牢獄は二重になっている。大きな牢の中に金網で封鎖された小さな空間。其の地下に男は居る。男、来訪の気配を感じて上方からしばし様子を窺い、そして、ようやく声を発する。

男  あんた?・・・・・・あんた?・・・・・・来るって言ってた?

5
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