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2016年12月15日~2016年12月19日
2016年12月20日~2016年12月23日
2016年12月24日~2016年12月25日
写真・イラストお題集(1)
写真・イラストお題集(2)
写真・イラストお題集(3)
コラム 「うたの日と私」
愛で食べるのも疲れた家族/恋をしている(1)
愛で食べるのも疲れた家族/恋をしている(2)
なんたる秘密/ナイス害(1)
なんたる秘密/ナイス害(2)
ののさんは腰痛持ち/遊糸(1)
ののさんは腰痛持ち/遊糸(2)
うたの日昔がたり ~双葉スイッチ~ /箔紙(双葉屋ほいる)
全首評とわたし/太田青磁(1)
全首評とわたし/太田青磁(2)
Twitter 生まれうたの日育ち/長月優(1)
Twitter 生まれうたの日育ち/長月優(2)
うたの日とわたし/たかはしりおこ(1)
うたの日とわたし/たかはしりおこ(2)
短歌ド素人、ネット歌会にハマる。/三田たたみ(1)
短歌ド素人、ネット歌会にハマる。/三田たたみ(2)
知好楽/ササキアンヨ
私がうたの日を続ける理由/村田馨(1)
私がうたの日を続ける理由/村田馨(2)
うたの日を辞めた日/沼尻つた子(1)
うたの日を辞めた日/沼尻つた子(2)
奇跡のような場所で育って/門脇篤史
自由帳 「みんなのみんなのうた」
きむろみ(1)
きむろみ(2)
中牧正太どんまい集
照屋沙流堂のえらぶ中牧正太作品30首 (うたの日首席100回記念)
中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(1)
中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(2)
中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(3)
中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(4)
中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(5)
プルプルたかたか(1)
プルプルたかたか(2)
プルプルたかたか(3)
「恋しくて」 多香子
りむたん
童話集  (雀來豆)
風の日に けら
寄せ書き短歌
サンキュー(1)
サンキュー(2)
サンキュー(3)
サンキュー(4)
サンキュー(5)
サンキュー(6)
サンキュー(7)
サンキュー(8)
うさぎの背中2
連作「ノート」 五條ひくいち
二度見 (荻森美帆)
白いシャツ (文乃)
凛の織永(知己 凛)
心からの感謝をこめて  (木蓮)
カレー集
カレー集つづき
しましましゅう
しま・しましまのディープな世界(1)
しま・しましまのディープな世界(2)
しま・しましまのディープな世界(3)
しま・しましまのディープな世界(4)
しま・しましまのディープな世界(5)
秘密結社DDIT (1/3)
秘密結社DDIT (2/3)
秘密結社DDIT (3/3)
わたしの選ぶうたの日のうた
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注釈(2)
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総合成績TOP10(2)
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いろいろTOP5:2016年前半(1)
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自由帳 「みんなのみんなのうた」

きむろみ(1)

 

花占いのように名前を繰り返し思い出しては、忘れてしまう

 

 

 

 

 

 

 


きむろみ(2)

 

 

神さまが人を殺すのではなくて望みが人を殺すということ

 

 

 

 


中牧正太どんまい集

 

  2014年05月15日  『  』

  サンチャとは何と聞けずにうなずいた わたしいつまで野苺さがしどんまい!

 2014年08月12日  『 いつ 』

 君がいる、これはいつだろうどこだろう誰のものだろう、ただ君はいるどんまい!

 2014年11月06日  『  』

 恋人になれないみたいああこの好きが無条件になってしまうよどんまい!

 2015年05月18日  『  』

 ばかやろう死んでなるかと裏返る車ひとつぶ片付けておりどんまい!

 2015年06月08日  『  』

 早く来て服に毛玉があっていいできれば靴はないほうがいいどんまい!

 2015年07月03日  『 かいしんのいちげき 』

 ときめきはサードライナー隠してよ少しくらいは恋人のことどんまい!

 2015年08月11日  『 水着 』

 あかるみに心置きなく息を吸うビキニの森を抜け出してきてどんまい!

 2016年03月14日 『  』

 異性交遊なところもあるけれどほんとは男女交際なひとどんまい!

 2016年03月29日 『 空気 』

  冒涜をゆるしあそばせ月ひとつもてあそびたるエアホッケーをどんまい!

 

 

  

 


照屋沙流堂のえらぶ中牧正太作品30首 (うたの日首席100回記念)

 少年がこんなにうれしそうなのに左右の絵には間違いがある

 ぼくの手がぼくの体に服を着せ通夜の支度を整えている

 してやれる全部全部を為し終えて禿げタンポポはまだ空をみる

 むずかしく考えながら電柱の影を歩けば電柱がある

 それからはアンドロイドに替へましたとても仲良く暮らしてゐます

 養豚と百回言うと養豚のことを忘れてうまく踊れる

 3D映画のあとの手のひらの雨粒もうひとつ来い雨粒

 焼け焦げて浜辺に着いた棒っきれ少しゆっくりしてったらいい

 グランデは意外にでかく僕たちは初めて顔の全部で笑う

 今日会った人は六名だれもみな何かしながらわたしと話す

 さよならの傷に効かざる鬼怒川の固形燃料ながながと燃ゆ

 父に説く思春期よりもやわらかく紅葉マークの上下について

 よかったら歩きませんかさよならへあのどうしようもないさよならへ

 結論に君は近づくいくつかの飛べない鳥の名をあげながら

 枝が実の手を離すのか実が枝を千切りゆくのか林檎や吾子や

 夜に合う歌を薦めるユーチューブもうその件は終わったんだよ

 文語にてともに学びし民法に禁じられつつただ雨宿り

 おまえまた人を信じてみるのかい紐と錘(おもり)は垂直を指し

 すみれ道ゆく子の靴のそのままでいてほしい青いてくれぬ青

 長病みを明けし君との昼オセロ二寒五温の弥生ことしは

 がりりごり使い込まれた合い鍵を渡されながら飴玉を噛む

 費やした時がいまさらずんと来て離し忘れる給湯ボタン

 外は池ゆうべやさしいありがとうごめんなさいがずいぶん降って

 君の椅子が冷えてゆくまで目をとじる 次に見るのは何いろの部屋

 ありがとう楽しかったと笑む君の明朝体になりゆく言葉

 センセイと呼ばれる人と呼ぶ人の深いくちづけ、あとピスタチオ

 湯葉を待つ、今ごろは君ひとりではないことでしょう、少し固まる

 ややこれは秋が強めだ、君が来ない台風が来るジャムがあかない

 あきらめろと瓶の手紙を突っ返す地球の七十一パーセント

 短編の僕らをのせて井の頭公園行きのスロウボートは

  中牧正太氏のうたの日首席100回を記念し、うたの日の一覧機能から中牧作品の30首を厳選しました(表示は掲載逆順)。

中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(1)

  はじめに

「うたの日」という、毎日題詠歌会が行われてるウェブサイトがある。ここでは、1日3〜4の題詠の部屋があり、24時間のあいだに短歌を投稿、その後3時間のあいだに投票を行ない、得票の一番多い者が首席となる。先日(2016/05/27)、このサイトで快挙が成し遂げられた。
すなわち、首席通算100回の快挙である。
達成者は、中牧正太氏。
照屋は、彼と一度しか会ったことがなく、それほど仲が良いというわけではないが、彼の偉業を称え、同時に、彼の作品について考えてみたいと思ったので、ここに試論をこころみてみる。
いずれ書かれるだろう中牧論の先鞭の、その先の風圧にでもなればさいわいである。

  オールラウンダーの肖像

中牧作品の印象は、一口に言ってオールラウンダーのような上手さを備えている印象である。これは、「うたの日」が題詠歌会であることも少しは影響しているかもしれないが、与えられた題をどのように短歌的に処理するかという課題において、さまざまなバリエーションを持っていることを意味する。

◯スポーツをからめた処理

「彼のこと信じてあげるべきだろう」中継ぎエースは腕で抱かない 『エース』
川の辺の恋でみがいた渡辺のアンダースローにはかなわない    『投』
サヨナラのヒーローインタビューでしたお返しします自由を君に  『ヒーロー』
春未満 遠くに君を見つめればロングシュートの実りがたきよ   『長』
強かったころの明治のスクラムのイメージでゆく求婚の海     『大学』

題に対して、恋愛模様を野球、サッカー、ラグビー、(ビリヤード)など、スポーツに重ねて処理するのは、落語の三題噺的な手法とも言える。

◯性別変更

絵葉書でこの身をつなぎとめる人、大志も良いがわたしを抱け   『葉』
迷うのよこの不自由はやさしくてあの不自由は仕事ができて    『自由』
あの人へ帰るあなたのシャツにこのミートソースが飛びますように 『パスタ』
新品に戻らないけどできるだけあなたを容れるための空っぽ    『空』
ほんとうにわたしでいいの印鑑は首をかしげているようだけど   『印』

「うたの日」の参加者は女性が多いので、男性風の作風は支持を得にくかったり、特定されやすかったりする。そういう点でのフェイク的な理由もあるかもしれないが、逆にいうと、多くの女性の厳しい審査に晒すわけでもあり、リスクもある。これは中牧氏に限った問題ではないが、短歌における女性性の表現において、女性言葉でジェンダーを表記する方法については、俵万智の文体以降、大きく変化していないようだ。


中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(2)

◯旧仮名
ぎりぎりで隠し通してくれたまへ高等学校制服女性        『ギリギリ』
諍(いさか)ひて帰る男の軽トラの梯子は月へ飛び立つ角度    『はしご』
それならば吾もときどき壊れやう君の昔の車のやうに       『昔』
それからはアンドロイドに替へましたとても仲良く暮らしてゐます 『それから』
数学に長けたるきみに想ひ出が数へ切れぬと云はせたいなあ    『学』

これも題詠歌会の性質上、匿名性を出す演出の一つとみることもできる。彼の傾向的に、旧仮名を使用するバランスとしては、少し照らいのある内面の吐露や、現代的、未来的のシーンに、ある抑制として旧仮名を用いているのではないか。

◯恋愛
はちみつを紅茶に入れるブログとかもうやめていい僕がいるから  『はちみつ』
雨ですね給料半分あげましょう君も半分くださいとわに      『給料』
こっちだと思ったほうと反対の電車に乗ってお嫁においで     『ドジ』
はじめましてどうぞよろしく赤い傘その役割をいつかください   『デート』
雨だけどいっそ僕ではどうですかつぶれた店の軒先だけど     『だけど』

ふつう、性別変更して歌う歌人は、気持ち悪がられるかもしれないが、彼がそうならないのは、性別変更以上に、がっつりとアプローチする短歌も多いからかもしれない。ユーモアを漂わせながら、ちゃんと告白していく姿勢は、リアルが充実している背景も予想させる。

◯言葉、文字
短編の僕らをのせて井の頭公園行きのスロウボートは       『船』
サンチャとは何と聞けずにうなずいた わたしいつまで野苺さがし 『鋏』
ああそうかすべての恋は終わるのだ平家蛍が「ん」と書いてゆく  『虫』
ありがとう楽しかったと笑む君の明朝体になりゆく言葉      『明』
つかまえることの上手な人たちの渋谷一面ライ麦畑        『本のタイトル』

いわゆる詩的な、詩言語としての形容も、言葉遊びがいきすぎず、現代短歌の、平明でありながら、印象的に処理するトレンドに沿っている。
これがあざとくなるかどうかのバランス感覚は、つくり手よりも読み手のそれであろう。


中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(3)

  作風の分析など

項目ごとの書き出しはこのあたりにしておいて、彼の重複するモチーフについて考えてみよう。彼はしばしば、同一モチーフ(あるいはくせ)を持っているようで、ここに、彼の作劇術(ドラマツルギー)と、技術的な発展を辿れるか。

◯色の表現

けんかしてあいだをとった紫のマーチで行こう行けるとこまで   『紫』
赤色を好んだ君の紫のネイルおそらく彼氏は青木         『赤』
キレンジャー以上アカレンジャー未満、僕はあなたを助けていいか 『橙色』
黄色黒赤の誰もが道を断つ僕たちならば青へ飛ぼうか       『踏切』

時系列で並べた。「赤と青のあいだの紫」というモチーフは2回使われ、次には題「橙色」から「黄色と赤」に分解している。そして踏切ではさらに多色へ展開されている。

◯風俗の照らい

ふるさとの山河しずかに元気あり風俗店もがんばっており     『元』
ふるさとの駅はほほえむ黒松もソープランドもがんばっている   『泡』
モーテルの一つしかない町であるモーテルがんばれ僕もがんばれ  『ラブホテル』

これも時系列だが、これはあまり進展というよりも、同一モチーフである。彼の中での風俗は、都会ではなく(おそらく)地方の風景を伴っていて、その地方の応援と掛け合わせることで性風俗の存在を肯定しようとしている。これは彼一流の照れもあると思われる。


中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(4)

 

◯尋ねる、という関係性
ボランチの意味を教えてくれますかまた四年後もめんどくさそうに 『サッカー』
シボレーとあれは読むんだ 真夏日の君に教わる二つめのこと   『アメリカ』
このBの意味をきくのは幾度目か初めて地下で失恋をする     『B』
次の冬も尋ねたいから忘れたいその鍋を持つ手袋の名を      『手袋』

同じことを何度も尋ねる、という行為を、愛情の行為に彼は換える。この他者性が、彼の作風が独りよがりになるのを防いでいるように思える。

◯間違い探し
間違いを見落としがちな八月の瞳四つで見る左右の絵       『4』
早春の間違いさがしああこれか左の絵には太陽がある       『間』
少年がこんなにうれしそうなのに左右の絵には間違いがある    『絵』

これも時系列だが、3つめの作品が、記念すべき首席100回目の作品である。間違い探しのモチーフでは、彼の作品がより詩的に発展しているのが如実にわかる。彼の作風は、才能によるよりなお、努力に預かっていることがよくわかるのだ。

 

  おわりに、内省的なリリシズム
最後に、照屋がもっとも評価する中牧作品の30首選から、いくつか挙げ、照屋のおもう中牧作品の優れた点について書く。

ぼくの手がぼくの体に服を着せ通夜の支度を整えている

  誰かの通夜に参加する主体の、通夜の相手との関係や、主体の内面のことを、主体の身体をバラバラに描写することで伝える表現はみごとである。


3D映画のあとの手のひらの雨粒もうひとつ来い雨粒

  3D映画という、立体的に見えるが立体ではない映像表現に浸ったあとに、雨粒というかすかだが確かに立体物であるものに触れたく思う心情を、命令形にすることで、ある時代的な切迫感まで帯びた表現になっている。


中牧正太試論(うたの日首席100回記念)(5)


グランデは意外にでかく僕たちは初めて顔の全部で笑う

  こんなに楽しくて、幸福で、安心したシーンを描けることが不思議に思う。


よかったら歩きませんかさよならへあのどうしようもないさよならへ

  これは「結婚」という題で、そこからこの作品を導き出すのもすごいことだが、「歩く」と「さよなら」だけで、結婚生活の質まで浮かび上がらせているのは驚きである。

がりりごり使い込まれた合い鍵を渡されながら飴玉を噛む

  複雑な、怒りも悲しみもちがい、嫉妬、とまでいかない感情を、ユーモアをふくんだオノマトペで処理した名歌だと思う。

30首すべて挙げるわけにはいかないので止めるが、照屋が選ぶ作品は、おもに、これまで述べてきた、オールラウンダーの彼が、饒舌な言葉を抑制し、内面の、まだ言葉になっていない、あるいは、してはいけない感情について丁寧に詠う作品に引かれて選んでいるようである。

中牧正太という、歌人について、照屋は、ロジカルな表現技法を持ちながらも、それによって内省的なリリシズムを表現する、現代的な詩人の一人であると思うのである。

 

 

 

 


プルプルたかたか(1)

2016年

1019日 うたの日 題 田中 

「体操選手と同姓同名で伝わらない田中佑典です。」

  

1021日 うたの日 題 明日 

明日 明後日 明々後日 四日後を「ししあさって」という子どもたち

 

1022日 うたの日 題 前

前すら見えない過集中全体見る仲間一人いる幸せ

 

1024日 うたの日 題 ココア 

純ココアにミルクと砂糖を気分で加えていく遊びがしたい

 

1025日 うたの日 題 登 

野球かと登坂車線(とうばんしゃせん)と読んでいたのももう十年以上前

 

1031日 うたの日 題 わざわざ 

わざわざとか建前と思いつつこちらも頭を下げるわざわざ

 

111日 うたの日 題 反対 

「変態の反対はやっぱり変態」というのは変態の言葉

 

112日 うたの日 題 回 

十二時回る終電なくなるオールせず親を呼ぶ十九歳

 

113日 うたの日 題 海 

海大が正式の略称である北大生になってみている 

 

114日 うたの日 題 嬉 

嬉々として樹木希林・内田裕也夫妻の掛け合いを見る五歳児

 

115日 うたの日 題 音 

音程は諦めて歌詞の面白さで勝負するカラオケ大会


プルプルたかたか(2)

11月6日 うたの日 題 カード
ポイントカード百枚は持ってます使っているのは十枚ほど

11月7日 うたの日 題 シンプル
機種変するときにシンプルプランを理解することの難しさ

11月8日 うたの日 題 連絡
連絡帳を覗き先生と親の本音を垣間見た小2

11月9日 うたの日 題 午前
毎晩午後10時寝の僕に忍び寄る午前零時以降の魅力
 
11月11日 うたの日 題 祭
「秋祭り輪投げの店の千円札あれ何でうまく入らない?」(19歳大学生)

11月12日 うたの日 題 親
「子育てだけしたい」から「結婚もしたい」になった今日も人恋し

11月13日 うたの日 題 ?(疑問符)
「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるから。」みたいに生きていきたい

11月14日 うたの日 題 先生
先生という概念そのものが嫌いで教育学部入学

11月17日 うたの日 題 アスファルト
アスファルトとウッドチップを交互に歩く「馬車馬なの?」と君は

11月18日 うたの日 題 ロケット
「首に掛けたロケット」って危なくない?と初めて本で見たときに


プルプルたかたか(3)

11月19日 うたの日 題 待
待つのは得意だよ一日待ったことあるよ     でも早く来てほしい

11月21日 うたの日 題 「ん」で終わる歌
この題を選んでしまう だがしかし「ん」で終わる歌など思いつかん

11月23日 うたの日 題 「恋」の字を使わない恋の歌
どうなってんの最近オナニーする気がなくなって心臓痛い

11月24日 うたの日 題 飽
「ねぇ、何か私たちって飽和水溶液みたいな関係だね。」

11月25日 うたの日 題 真実
「真実はいつも一つ」ならばかなり幸せな世界になってたね

11月26日 うたの日 題 女子高生
『女子高の女子高生と男子校の男子高生の格差』

11月27日 うたの日 題 童貞
童貞と笑った君の目の前で処女でも卒業してやろうか

11月28日 うたの日 題 最近怒ってること 
行間を読むのが苦手 そんな時ちょっと教えてくれてもいいじゃん

11月29日 うたの日 題 自由
もちろんさ自由は大事それでもあこがれている普通というのに

11月30日 うたの日 題 眺
目に兆と書くわりに眺めるってすごくはないと思いつつ一人

12月3日 うたの日 題 好
好きですっていきなり言ったら引かれるだなんて教科書に書いてた?


「恋しくて」 多香子


童話集  (雀來豆)

(1)

夜になると桃がはなしをしてくれた お婆さんとか川のはなしを

年老いた木馬の歓送パーティーで短い短いパレードをする 

砂浜で犬が見ている金髪の少女のように輝ける骨

冬空にレンズを向ける少年に微笑み返すちいさな王子

海亀の昔語りが尽きたならペットにするかスープにするか

 

(2)

裏庭の古い林檎の樹の下で泣いてちゃいけないという約束

裏窓のほこりの上に指で書く梯子をのぼれ弟ねずみ

長いあいだきみはペローのものだった 今この部屋で眠れる姫は

少年を見つめるなかれ校庭で拾った星を運ぶ途中の

誰もみな物欲しげな夏 水面に映った顔が骨を咥える

 

(3)

夢のなか僕と獏との戦いを猫がときどき見に来てくれる

少年と恋の死骸は渋谷から全速力で千葉を目指した

サディストの副店長の眼を盗みぼくらはマネキンを解き放つ

あなた初めて正義の箱を開けてみた子どもみたいに泣いているのね

なぜ夜と朝のあわいを縫うように現われるのか象の記憶が

 

(4)

悪人とばかり思っていた母が魔女だと知った夜のキッチン

ころころとおにぎりさえも行き過ぎてぼくには今日も手紙は来ない

氷上に描いた円に囚われて踊り続ける少年と靴

わる者が泣いたら終わり夕焼けに向かって帰る夏帽子たち

ドアノブの辺りに浮かぶ年輪は生きただろうか花降る森を

 

(5)

はてしない物語から帰還した亀の甲羅の大きな疑問符

ぼくが会社で煙草を吸っている隙に宇宙を走れぼくのくるぶし

ごめんねいろんなことを訊きすぎて 泥のように眠っているSiri

Hi Roomba!行ったり来たりお茶の間をきみが走るとぼくは嬉しい

果てしない円周率と向き合って山椒魚は悲しんでいる

 

(6)

トーマスが電車になって菱形のパンタグラフを光らせている

名も知らぬ楽器のようなふりをして音楽祭で売られているパン

声がまだ発明されていないころ何処にいたのかぼくらの歌は

夏服に嘘閉じ込めた少女らの蜥蜴のように青ざめる舌

路地裏に集え誕生日の子どもたち冷たい息で夜を払えよ


風の日に けら


寄せ書き短歌


サンキュー(1)


サンキュー(2)


サンキュー(3)


サンキュー(4)


サンキュー(5)


サンキュー(6)


サンキュー(7)


サンキュー(8)


うさぎの背中2


連作「ノート」 五條ひくいち

 
 


二度見 (荻森美帆)


白いシャツ (文乃)


凛の織永(知己 凛)

うたの日に投降した、「おとの日」の歌を中心に自分の好きな歌を集めました。永遠に音を織りなしていきたいという思いから「凛の織永」とタイトルをつけました。


心からの感謝をこめて  (木蓮)


カレー集つづき


しましましゅう


しま・しましまのディープな世界(1)


しま・しましまのディープな世界(2)


しま・しましまのディープな世界(3)


しま・しましまのディープな世界(4)


しま・しましまのディープな世界(5)


秘密結社DDIT (1/3)

 

 


秘密結社DDIT (2/3)

 

 


秘密結社DDIT (3/3)