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~一瞬だけの森~

また瞬間移動した…

 

 

マンションやビルが立ち並ぶ

見慣れた街。

 

 

3本ほどスラッと伸びた木がある。

 

 

いつもせかせかと歩いているのに

今朝何気なく

ふと上を見上げた。

 

 

たった3本の木…

 

 

寄り添うように

争うように

枝や葉を目一杯広げてる。

 

その葉と葉の間から

空が見えた。

 

 

それを見た瞬間

ぼく…は森にいた……

 

 

ほんの一瞬だった…

 

 

ほんの一瞬だけ

森をさまよい

心が澄んでいくのがわかった……

 

 

どんなに忙しい毎日でも

たまには上を見上げよう……

 

 


~小さな茂み~

ぼく…の家の近くに

緑道がある。

 

 

人工の緑……

 

 

上を見上げると

高速道路……

 

 

緑道には茂みや

植え込みがある。

 

 

そこには虫たちが

生息している。

 

 

虫たちが上を見上げたら

うっそうと生い茂る

枝や葉……

木漏れ日…

 

 

ぼく…たち人間には

小さい茂み

 

 

どんなに作られた緑でも

虫ほど小さければ

森やジャングルくらいに

感じるんだろうなぁ。

 

 

 

 

自然に触れたい……

 

 

 

 


~暖かい光~

昨日ぼく…は

真っ暗闇にいた…

 

 

真っ暗闇を

ひたすらさ迷った。

 

 

どこまで行っても

抜けることのできない

暗闇………

 

 

でもね。

そこに一筋の光が現れたんだ。

 

 

その光をたどって行くうちに

手が見えたの。

 

 

ぼく…は必死で捕まろうとした……

 

 

でもなかなかたどり着けない…

 

 

必死でたどり着けたけど

ぼく…があまりにも重すぎて

捕まってるのがやっとだった。

 

 

するとまた新しい手が

ぼく…に差しのべられたんだ。

 

 

そのうち

何本も何本も

ぼく…の手を握ってくれた。

 

 

 

気が付いたら

ぼく…は

とても暖かく

柔らかい光の中にいたんだ。

 

 

何本もの手の先は

ぼく…には見えなかった……

 

 

でもね。

そこには

優しい笑顔が

見えていた気がする……

 

 


~三面鏡~

三面鏡……

 

 

最近はほとんど

見ることがなくなった…

 

 

昔はうちにもあった。

 

 

ぼく…は

よく顔を挟んで

ずっとずっと先の自分を

探した………

 

 

何番目かの顔が

目を瞑ってるとか…

怖い話で読んだことがある。

 

 

ぼく…は

それを確かめたかった。

 

 

でも見付けることできなかったよ……

 

 

 

今は違う理由で

三面鏡が欲しい…

 

 

それもハイテクな

三面鏡が…………

 

 

顔を挟んで

いっぱい写っている自分を

この世に送り出し

ぼく…の代わりに

動かしたい………

 

 

 

時間が足りない………

 

 

 


~異空間~

ぼく…は昔

全く同じ形をした

団地が無数にある町に

住んでいた。

 

 

全て5階建てで

きれいにいくつも並んでた。

 

 

団地以外にあるのは

大きな小学校。

 

 

あとものすごく大きな霊園。

 

 

団地と団地の間に

真っ直ぐに延びる道。

 

 

その突き当たりが霊園だった。

 

 

 

真っ白な団地。

真っ白な霊園の柱のような壁。

 

 

夜道を横切るとき

霊園の方は見ないようにしていた。

 

 

たまにフッと見ると

霧が立ち込めているように感じ

子供心にゾクッとさせる。

 

どこを見ても同じ景色……

 

 

 

学校の脇を電車が走っている。

 

 

隣の町に行くには

その線路の下の

ちょっとしたトンネルをくぐる。

 

 

ぼく…はそのトンネルをくぐると

いつも不思議な感覚に襲われた。

 

 

異空間に来てしまったような……

全く違う景色。

 

 

入り組んだ道……

団地とは違う様々な家……

 

ぼく…にとっては

不思議な町にしか見えなかった。

 

 

子供の感じ方って面白い。

 

あの頃の記憶も

薄らぎ始めている。

 

 

今の環境に

なんの違和感もない……

 

 

なんだか寂しい気がする……

 

 

 



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