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~音の催眠~

音……

 

 

音………

 

 

音には不思議な魅力がある

 

 

世の中に音はいっぱい溢れてる

 

 

中でもぼく…が好きな音

 

 

傘に雨があたる音

 

おでんがグツグツ煮える音

 

スクランブル交差点で

一斉に聞こえる

ハイヒールや革靴の音

 

猫がグルーミングする音

 

人が新聞をめくる音

 

人が電話しながら

何気なくメモ帳に

落書きして

それをなぞってる

ボールペンの擦れる音

 

 

等々………

 

 

 

ぼく…はそれらを聴くと

硬直したように

じっと見つめてしまう…

 

まるで催眠術にでも

かけられたように……

 

 

ずっとずっと

その音を聴いていたい……

その音が突然聴こえなくなると

もっと聴きたいと

心が騒ぐ……

 

 

 

ぼく…が感じる音は

人とは少し変わっているかも…

 

 

 

あなたの好きな音は

なんですか?

 

 

 

ぼく…の様に

音の催眠にかかる人

いるのかなぁ………

 

 


~無心~

ぼく…の中のぼく…

 

 

ぼく…自身

よくわからない………

 

 

わかっていることは

本物のぼく…ってこと。

 

 

本当の喜びや悲しみ

苦しみを

ぼく…の中の

ぼく…だけが知ってる。

 

 

無心になれたら

ぼく…の中のぼく…に

休暇をあげたいのになぁ。

 


~繕う~

ぼく…の心に

小さな穴が開いた…

 

 

繕わないと…

 

チクチク……

 

 

また穴が開いた…

 

繕わないと…

 

 

チクチクチク……

 

 

次から次から穴が開く…

 

 

ぼく…は

一生懸命繕う。

 

 

チクチク…

チクチク……

 

 

ふと気がつくと

繕うこともできない

大きな穴が開いていた。

 

 

繕う…

 

 

繕う…

 

 

その内に

自分がなんで

繕っているのか

わからなくなった。

 

 

なんで繕う必要が

あるのだろう……?

 

 

………………。

 

 

穴をそっと覗いてみた。

 

 

ぼく…はわかった。

 

 

繕うことなんかなかった。

 

 

ありのままで良かったんだ。

 

 

繕えば繕うほど

穴が開く…

そして

這い上がれなくなるほど

深い穴に落ちていく………

 

ぽっかり開いた穴。

 

 

そこは繕うのではなく

何かで埋めていけばいい。

 

 

楽しいこと…

嬉しいこと…

 

 

時には

大切な人に

埋めてもらうのもいい。

 

 

ぼく…は

気付くことができたから

きっともう大丈夫だろう…

 


~魂の目~

魂にも目があるって

知ってる?

 

 

ぼく…

あると思う。

 

 

小学生の時

授業で手つなぎ鬼を

やったんだ。

 

 

体育館を元気一杯

走り回って…

 

ぼく…も無邪気に

はしゃいでた。

 

 

でもね

突然意識が

どっかに飛んでった……

 

 

周りの音も…

みんなの顔も…

自分が

何をしていたのかも…

全く分からなくなった…

 

 

そして…

 

 

ふと前を見ると

体育館から

子供を抱きながら

先生が慌てた様子で

走っていった…

 

 

また何もかもが

分からなくなった……

 

 

目の前が白い…

 

 

ぼく…はやっと

気がついた。

 

 

そこは保健室の

ベッドの上だった。

 

 

ぼく…はどうやら

気を失ったらしい。

友達とぶつかって

倒れたって。

 

 

全然覚えてない…

当たった衝撃や痛みも…

 

 

覚えているのは

子供が

運ばれているところを

後ろから

見送っていたこと………

 

 

あれは

ぼく…だった。

 

 

今でもはっきりと

覚えてる。

 

 

もし魂を

自由に抜くことが

できたら

ぼく…は世界中を

見に行きたい。

 

 

亡くなった親友や

母にも会いに行きたい…

 

 

魂の目で

色々なものを見て

心に刻みたい………

 

 


~恐怖に感じるもの~

ぼく…

高いもの嫌い…

大きいものも嫌い…

 

 

高所恐怖症の人は

多いけど

ぼく…のはそれとは

ちょっと違う。

 

 

 

高いもの・大きいものを

ぼく…は真下から

見上げると

なんだか変な

感覚になる…

 

 

それが本当に

高いのか…?

 

それが本当に

大きいのか…?

 

 

わけがわからなくなり

ぼく…の脳みそが混乱する

 

ずっとずっと

見上げていると

感覚が麻痺してきて

気分まで悪くなってくる…

 

その内何故だか

恐怖が押し寄せてきて

その場から

逃げ出したくなる…

 

 

ぼく…が歩いても

それはまるで

からかっているかのように

微動だにしない……

 

 

変な感覚………

 

 

ぼく…は必死で

現実だと言い聞かせても

幻を見ているよう…

 

 

もしも…

もしもぼく…が

蟻だったら………

 

 

考えただけでも

ぞっとする…………

 



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