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(めも) 「賢神と愚魔の伝説」 (2016年10月26日)

(めも) 「賢神と愚魔の伝説」

2016年10月26日 リステラス星圏史略 (創作) コメント (1)

 
 
 かつて全ての人は賢かった。

 しかしあまり賢くない人々もいた。


 …


 そして後の世の獣人たちは、
 賢きものたちを神と呼び、

 愚かだった者達を、
 悪魔と呼んだ…。

(劇中劇その一) あたし達はオリス・ケアラン  《暁(あかつき)の星》。

『 (テラザニアの斎姫連) 没原稿(手書き&書き直しの嵐の草稿群) 3 』 (@社会人〜ウツこもり〜断筆期★) 

2007年6月1日 連載(2周目・地球統一〜ESPA) コメント (1)

 

(※「コクヨ ケ−31 20×20」使用、シャーペン縦書き)
 
   (劇中劇その一)
 
 あたし達はオリス・ケアラン  《暁(あかつき)の星》。
 創芸学市アール・ニィでも一番の興行収入を誇る映像集団だ。
 仲間の半分は地球人留学生。
 その、提案で。
 技術の進歩した  進歩しすぎた  リスタルラーナの、味覚・嗅覚や温度・振動まで付く個人用密室感受器が一般的(あたりまえ)なところへ、あえて集団観賞用の開放立体映像をぶつけてみた。
 ウケた。
 部屋から出て、誰かと待ち合わせをし、同時にひとつのものを体験して笑ったり泣いたりし、終わってから一緒に食事でもして、話すうちに時間を忘れる。
 そんな後進国地球のいちばん安上がりな娯楽に、文明人は飢えていたのだ。
 おかげで人口管理局から“結婚・出産率の向上に功あり”とかで表象までされてしまった。
 映画のソフトはむろん、高価な投影装置も飛ぶように捌けて売上は天文学的。
 企業は出資をしたがって相乗りでもいいと列をなすし、政府の援助金まで出るし。
 新作のための条件は万全なのだ。が  
 
 動く絵コンテともいうべき合成画面はおおざっぱな色・形・動きと台詞(セリフ)を投写した立体映像で、会議卓をとりまいた連中がてんでに端末から入力するたびに、主役がおしのけられたり脇役がめだったり、いきなり場面転換だの色調の変更だのしたりする。
 飛び交う主張のまあ喧(やかま)しいこと。毎度のこととは言いながら、予定を三日も超過しての連夜の激論である。
 撮影の準備はほぼ整っていると、いうのに。
 全員そろって息の切れた一瞬の空白を拾い、
「応慶(オー・ケー)」(よろこんで応じます    “了解”の意の慣用句:翻訳表示)
 と、地球前史時代の一地方の俗語(らしき 
 

ティリーさんによる前書き。        83.1.10.

 
 
◎ エスパッション・ストーリィズ第1話草稿として。
     ティリーさんによる前書き。        83.1.10.

 この話をあたし、1人称主語で書く気ってなかった。あのですね、この話、あたしの話ではないわけなんです、もちろん。なんでもちろんかっていうと  読んでみてもらえれば解ると思うけど、こんな凄いマネ、あたしにできる筈がない!
 実話です。
 んで、他人の話なのに、なぜあたしが1人称代名詞を使って文章書いちゃうか  ていうと、この話を身振り手振りでえんえんしてくれたサキ達の語り口調があまりにも達者だったからで。どんなに巧く書いても、あたし、3人称主語で彼女の物語のあの臨場感、出せる自信ってない。
 それと。
 つい最近、やはり同じサキが、地球の古代小説1話、訳して誕生日に贈ってくれまして。それがやっぱり1人称主語の、仮空のストーリィだったんですよね。
 それまで公式に、地球の文化史の一端を招介する為として直訳されていた“シショウセツ”てやつしかあたし“自分”をあっし示す主語で書かれた物語って知らなかった。あたしあの根の暗いなんかぐちゃぐちゃしてわけの解んない話ってきらいで。だからだいぶ以前にサキと議論しまして  “なんで地球ではこういう表現形態つくられたわけ?”
 あ、その地救語にもこの話、翻訳してもらえる予定だから、これだけのフレーズって不親切か……リスタルラーナ文明圏ではこういう形式の文学ってこれまで存在していませんで。だからとっても不安……自分で、うまく書けているのかどうか。
 どうも話がズレました。とにかく。1人称主語形式の小説のごく1部しか読まないで“不健全、意味のない思想”と決めつけていたあたしにサキがあらためて贈ってくれた話……面白かったんです。もの凄く。
 「地球式の分類でいくと、それって“文学”扱いはされていないんだよ  。」
 とは、サキの言。……どうもいまいち、あたしは地球人の物語観というものはつかみきれない。あの話あんなに面白かったのに。
 すっかり考えをあらため、“1人称主語”に惚れこんでしまったあたしは、ともかく実験作としてこのストーリーをみなさまにお届けしようと思います。
 だけれど始めに書いたように主人公はあたしではないので。“わたし”とサキは自分おことをきちんと発音して呼びます。
 
 それでは。
 むかし、むかし……と、実はつい最近のできごとなんですけれど、リスタルラーナ文学最盛期のもっとも正統な語りくちからこの物語を始めることといたしましょう。御用意は、よろしいですか? それではしばしひととき。
   むかし、むかし……
 
            宇宙暦0018.第9月.41日,
            ティリー、ことティリス・ヴェザリオ記。

 
 
 
                              

○ 1話終わったあとにラストとして
  “タイム”のエピソードもって来よう。

○ テーマは? とにかくエスパッション書きたい。

○ ラスト、てか後がきがわりに「どお?」
  「う〜ん。やっぱ実名出すのってなまずいんじゃないの?」
  とか、入れる? ソレル女史云々のふくせんとして。

○ あんまし大枚にはしたくねーなー。“俺と好”もぜんぜんメド
  ついとらんのだし。

○ とにかくこれ書くとしたらよほどいっしょけんめ書かなきゃ。
  んでもって本物の後書きに“実は姉貴と共同の物語なので”
  ての書くわけ。

○ ……だけどホントにマジに1人称で書くわけ  
  まあ、試作の1話くらいはいいんじゃないの? うん。

◎ 前書き(ティリー)  本編(サキ)  後書き(会話)
    あとあがき(まやと)、くらいの構成。

○ え、あたしの悪友たちの莫迦話につきあって下さっちゃって
  ありがとうございます、てんであとあがきはじめたいな♪ 

 
 
               .
 

 

コメント

りす
りす
2007年4月27日2:23
 
 え〜〜〜……☆

 お恥ずかしい話、新井素子の『星へ行く船』を初読して、
 感化うけまくりでトチ狂ってるだけ、という単なる事実が、
 バレバレな「設定書」ですな………………☆(^◇^;)☆
 

 


『 (P1〜P6!) 』 (@中学。)

『 (P1〜P6!) 』 (@中学。) 

2007年5月16日 連載(2周目・地球統一〜ESPA)

                                 
                                 P1
「おーいだれか、サキ知らないか?」
「知らないっスよ監督。」
「あら、さっき映話室の方へ行くのを見かけたけど?」
「またなんか事件なんじゃないのかい」
『監督』は大袈裟に詠嘆を演じてみせた。
「ああったくもー! 月に一度の撮影日ぐらいちゃんとスケジュールを開けとけないのかね!」
スタジオ中で笑った。みんな忙しい。多忙な中、無理に一日開けて、月に一度は必ず集まって来るのだ。
サキ他数人が特に忙しく、定期的に生活できない仕事にたずさわっているらしい事は、みんな承知していた。
にも関わらず、サキが女主人公(ヒロイン)役を引き受けたのは、全員の熱望と数人の策略  サキ自身は陰謀だ!とわめくが  
によるものだった。
だから彼女になにか不都合が生じて、その日の撮影が予定通りに進まなかったとしても、だれも怒る者はいなかったのだ。
そもそもこのアマチュア総合芸術集団『オリ・キャラズ』自体が、あっちこっちから集まってきたきさくな若い連中ばかりだったから。
 
 (ああったくもー! 月に一度の撮影日ぐらいスケジュールを……)
建物からかけだそうというサキの頭に、ひょいと“監督”の思考
                                 
                                 P2
……が飛びこんできて、サキの感情と重なった。
まったくだとサキも思う。本業副業アルバイトに学校と、一日百時間あってもたりなくなりそうな多重生活者サキは、平日の夜や午後の練習に顔を出せる機会も少ない。
せめて撮影日くらいは、  自分の出番がないにせよ  きちんと仕事を手伝いたかったけれど、どうしてもさっきの映話が気に掛かるのだ。
いや、正確には映話でなく、相手によってあらかじめスクリーンスイッチの切られた、密告電話である。
信憑性がまるで無いばかりか、なんらかのわなである危険性さえもないとは言い切れないのだが、今サキが追っている事件は泥沼で、それこそわらでもつかみたいのだ。
ことわらずに出て来たのは悪かったかとサキは一瞬ちゅうちょしたが、確認するだけですぐに戻ってくれば、午後までには戻って来られるだろうと考えて車に飛びこんだ。
 
 密告電話というのはこうである。
  保安局特捜課(ジャネット)のサキ・ランかい? 暗黒(ブラック)組織クークーのネタが欲しけりゃ1時間以内にジンヴィーズのカフェまで来な。』
ジンヴィーズ通りというのは、首都惑星リスタルラーナの商業区と緑地帯の中間部にある、レストラン等の多いちょっとした街の事だ。
無論このふざけた名前は隠語であるが、そこのとあるこじんまりとしたカフェテラスが、実は裏の世界と表との接点の一つであることは
                                 
                                 P3
サキも先刻承知していた。
 そこへ言われた通りに一時間でつく。
サキは幾人か顔見知りの情報屋たちの姿をおもいうかべてみたが、そこにいるのは一般の、何の関係も無さそうな人々ばかりである。
しばらくたたずんでいたが声をかけてくる者もない。
思念波を探ってみても、見つからぬ。
サキは拍子抜けして車に戻った。一体なんだっていうんだろう。
再びエンジンを始動させて緑地帯  公園区  の方へ抜ける。
スピード制限があるため徐行しながら、あっちこっちへ考えを巡らせていると、角を曲がった所で、不意に一人の子供が視界に飛び込んできた。
ようやっと歩き始めたばかりの頃なのだろう。小さいのが、たっぷり5mはある木のてっぺんでちょこなんと枝に腰かけている。
年のわりにはみごとにバランスを保っているのだが、いかんせん、枝の根かたが重みにたえかねて今にも  折れた!!
ドアを開けるのももどかしく、サキは車から飛び降りた。
そういう時、エア・カーは自動的に停止するようセットしてあるから問題はない。
サキは子供を一旦、一段下の枝にひっかけたが、すぐまたその
                                 
                                 P4
枝も折れてしまった。
ざざざっ!
悲鳴もあげず、その子は垂直に落下してくる。
3m 2m 1m   ジャスト!
ぎりぎりの所で、サキは子供を抱きとめた。
ショックをやわらげるため、そのまま地面にころがりこむ。
「う〜〜〜!」
サキはうなった。
もろに頭を木の根っこにたたきつけたのだ。
ドジさ加減だけは一生直らない。
子供は怯えた様子もなく、きょとんとして空を見上げている。
サキはなんだかおかしくなった。
「それにしても、まあ、いったいどうやって登ったのかいな」
5mである。
サキは頭をさすりながら上を見あげた。
 本当なら距離から言っても念動力(サイコキネシス)で落下を食い止める方がよほど簡単なのである。
が、場所は人出の多い公園の中。だれにも見られずにすむ心配だけはまずなかったから、めだつことはなはだしいまねは避けねばならなqい。
サキは子供を抱いたまま、ようやっとの事で上半身を起した。
服が泥だらけ。とんだ災難だ。
                                 
                                 P5
「あっ痛っ!!」
ついでに足までくじいたらしい。
「ペル、ペリル!」
若い父親らしい動てんした声がかけつけてくる。
サキは子供を抱えあげた。
「大丈夫!ほんのかすり傷ぐらいしか負っていませんよ」
ちょうど逆光になって、若い父親の顔はよく見えない。
彼は子供を受け取ろうと両腕を伸ばしたまま、サキに気づくなり、はたと動きをとめた。
  サキ!……」
「え?!」
まぶしくてしかたがないので、サキは木の幹に体をささえて用心しいしい立ちあがった。
手ぐらい貸してくれればいいのにと思う。
わたしを見て驚いているようだけど  だれだろう。
左手を上げてちょっと光をさえぎるようにして、サキはそのよく光る切れ長な灰色の瞳で相手を見やった。
「あっ!」
      セイ!
 それに気づいた時、なぜだかサキは不意に逃げだそうとした。
背後の木をよけるために不自然な方向へ体をひるがえし、
                                 
                                 P6
ためにサキは今くじいたばかりの足をさらにねじってしまった。
「痛(つ)っ!!」
がくんと前のめりに倒れそうになった彼女の腕を、危うい所でセイが捕えた。
がっしりした力でサキをひき起こし、小刻みに息を荒くしている彼女を、小鳥でも扱うかのように包みこんだ。
  まてよ。」
サキは軽いショックで青ざめている。めまいがして過去にひきもどされそうだ。
セイもこの再会にとまどっているようだった。
「なぜ、逃げるんだ……?」
 ジーイ ジーイ とセミによく似たリスタルラーナの昆虫が鳴いている。
木もれ日が、芝生にもサキの肩にもまだらを作り、ペリルと呼ばれた男の子は、親指をくわえたママ、きょとんとして二人を見あげていた。
一分たったか、十分たったか、かなりに思われる時間が過ぎて、サキはようやく平静をとりもどした。
「ごめん。もう大丈夫。」
なにが大丈夫なのか、サキはゆっくり振りかえった。
「久しぶりだね、セイ。」
 
 
 
              (未完).
 

『 (書きかけ没草稿 p.5、p.9、p.10) 』 (@同人誌時代?)

『 (書きかけ没草稿 p.5、p.9、p.10) 』 (@同人誌時代?)  

2007年5月18日 連載(2周目・地球統一〜ESPA) コメント (1)

 

 

 

(p.5)
 「ん。ちょいとね。衣装とか小道具がもっと資料欲しいって言うんで、地球(うち)まで取りに戻ってた。」
 「実家(うち)って……極東平野出身だっけサキは? え、資料って  
 「母の遺した書庫にね、あの時代の古書がごっそりある。」
 「ウソだろだって、俺いま図書館行ってた帰りなんだけど、前アーマゲドン期の伝説に関しちゃそもそも出版点数自体が極端に少ないって」
 「司書コンピューターが言ってた、だろ?」
 「そーそー。いったい作者(まやと)がどうやって脚本を書いたのか今不思議に思ってたとこ。……あれ、どうして……」
 ニッ、とずるがしこっぽくサキが微笑んだ。
 「誰が…

(p.9)
…球的レベルの文化遺産じゃない、かなり個人的な資料が紙に書かれた形のまま大量に保存されてあったってところなんだ。」
 「カミに。へー、そりゃ貴重……」
 「だろ。で、そこの所有権とか版権とかは全部わたしにあるんだよね。管理と研究は一応考古学会に全面委嘱してあって、今、リスタルラーナ科技庁の協力で、研究者用の分子レベルまでの完全コピー、限定制作しているんだけれど  これがで手にはいる。」
 コホム。効果をねらってサキは一息ついた。
 「早い話が資料、翻訳して真谷人のところに持ちこんだの、わたしなんだ。磯原清の日記帳とか、アルバトーレの予言の書の写しとか  まあいろいろあってね。」
 「ぐわっ」
 “清”はうなった。
 「冗談だろ!? まさか、じゃ、あれ全部  ……」
 「実話だよ?」

(p.10/ver.1)
 微笑んだその横顔が光に透ける。
 「地球人は  、わたしらはもっと自信を持っていい。リスタルラーナには5000年の昔からの整理された記録があるからって、みんなついコンプレックスを抱きがちだけれど……地球にだって1000年の『大空白時代』をさらに逆のぼれば、神代の伝説として伝えられた最終戦争前の、6000年以上の有史時代があるんだからね」
 「6000! う〜〜、概念の外だな。神々が世界を創りたもうたのが一千の時の彼方だってェのに俺ンとこの信仰じゃ」
 「あは、何所もそうだよ、地球はね。だからこそいいんじゃない? 若い世界でさ。」
 「10もの世紀をつかまえて若いなんぞと言わんでくれ!」
 悲鳴をあげる“清”をサキはケラケラと笑いとばして。
 「甘い。知りあいでリスタルラーノ考古学かじってる奴がいるけどね。なんと研究の対…

(p.10/ver.2)
 からからっと笑ってのけてサキは平然と言う。
 「う〜〜。ンなわやくちゃなっ」
 伝説はあくまでも架空のものであって欲しい  んだよね、“清”みたいな現実主義者(リアリスト)にとっては。
 「大体あの話、フィクション臭い挿話(エピソード)の方がよっぽど多いじゃないか! 磯原清が実は超能力者(まほうつかい)だった、とか精霊の意志がどうとか、リスタルラーノには理解できないだろう古い概念(ものがたり)ばっかし」
 「ESPと言って欲しい……。すいませんねェ、現実に穴をあけちゃって。」
 「まさかサキは信じてるわけ。その  
 「いわゆる超常現象ってものが実在するってことを知ってるよ
 余裕  というか、かすかな自信とも呼べるものをサキはきらめかせて微笑み。
 それからくしゃくしゃっと前…
 

(p.10上欄(枠外)のMemo)

「連盟文化吸収の弊害だなァ。つい20年前までは地球人は代々のその伝え語りが現実を示しているってことを知っていた筈なのに。なにも『先進(リスタルラーナノ)』文明に染まって自分の“現実”の範ちゅう(境界)をせばめてしまう必要はないんじゃないの?」

 
 
               .
 


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