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目次

 

逃亡記
虹色のテイル
時計の声
宝箱
ラララ
透過光
月と孤独
天丼 カツ丼 親子丼
ハードコア畑の人
Before After You
海のララバイ

 


1
最終更新日 : 2016-08-13 19:08:48

逃亡記

コンビニのドアを開けたら
外がやけに暗くなっていた

 

私のオレンジの自転車は
小雨の中で倒れていた

 

竜巻なんて見たことないけど
思いながら自転車を起こした

 

なんとなく汚れた匂いがして
かごにヨーグルトと夕飯の袋つめた

 

遠くで雷の音がきこえる
まあ近所だから大丈夫と思った

 

見たこともない風が吹いている
後ろから雷が追いかけてきた

 

走りながら急に怖くなってきて
雨に守ってもらおうとした

 

地上で光が飛ぶように鳴った
目を伏せてずぶ濡れでこいでいた

 

青い屋根がちょっとのぞいて
やっと逃げられるんだなって思った

 

ちっちゃなささやかな逃亡記
袋をつかんで自転車を捨てて走った

 

ドアを開けたそのとき
目の前がカッと光った

 

天に昇るような衝撃音
白の中で目を閉じた


目を開けたら玄関
「おかえり」
あなたのくれた 光だった


2
最終更新日 : 2016-08-13 19:06:26

虹色のテイル

苦しさの中に花火を見つけたんだ/何だよ 輝きやがって/静寂の中に笑い声/蚊帳の外の歌口ずさむ/どいつもこいつも/バカがバカをバカにしてる/スーパー台風より深刻な問題だ/地球のスピードが凄過ぎる/これじゃそろそろ振り落とされてしまうなって/モンキーとバナナの関係/必死につかまっている/クモの巣のせいで/どんどん速くなっていく地球のスピード/口にガムテープ貼ってる奴が賢い時代/本当は息が出来なかった事/今更気付いたのさ/笑ってくれよ/出来るだろう/お前の舌は右にしか動かないから/バカがバカをバカにしてる/実に深刻だ/苦しさで吐きそうな時/花火を見つけたんだ/聞こえるのは音だけ/輝くのは心の一瞬だけ/なんて祈ったらいいかわからないや/傷つきたくない/実は飛行機って動いてないんだぜ/地球がお好きな風に動いてんだよ/毎日人が落ちていくのを/爆笑しながらみてる/クモの巣に囚われて息が出来ない/わるいひとたちがむこうにはたくさんいるんだよ/結局ネットも人もネットだろう/人はクモの巣を作る生き物だ/地球が2次関数にのって点Aから点B/もうわからねえよ/苦しさの中で花火を見つけたんだ/お前に話しても無駄だろ/何だよ あいつら/群れて輝きやがって/カーテンを開けたら/心の中が広がってる/つかまるのもヤバくなってきた/まだ落ちねえよ/寝落ちするだけ/苦しさの中に花火を見つけたんだ/空しさの中に花火を見つけたんだ/何だよ あいつら/心の闇の中で/ひたすら輝きやがって/喋れるけど言葉が出ねえんだよ/よい子とよい親は9時に寝なさい/傷つきたくない/何だよ あいつら/闇の中に絵を描きやがって/消えてくれない小さな絵を

 


3
最終更新日 : 2016-08-13 18:37:37

時計の声

「まずは 顔を上げろよ
涙をぬぐって
外の景色でも見たらいい
あんまりいい景色じゃないけどな

 

お前は『無駄に酸素を消費してしまった』って
きっと後悔しているだろう
でも今 呼吸をしていなかったら 後になってもっと後悔するだろう」

 

夜のような 朝
人間関係は ほどけないこま結び
今日もあの人に会うんだな
誰と会っても 孤独からまりあって

 

「どんな状況にあったって 誰も助けても 心配してもくれないのは
お前が十分に強いから 心配をする必要が無いから」

 

鍵閉めてたったひとりになって 寝不足でどうしようもなくなって 
ノートにとても読めない文字を書き殴って
置き時計に語りかけていたんだ
これは その時計の声


「何の意味も無い一日なんて無いんだ
呼吸をする事に意味があるんだ」
真っ白で真っ黒な時計 始まりのアラームが鳴る

「『起きるの嫌だ』って思っただろう
きっと そう思っただろう?
朝なのに真っ暗な一日の始まりだ 
起きろよ 着替えろよ 堂々と会いに行けよ 負けんなよ」
 


4
最終更新日 : 2016-08-13 18:39:14

宝箱

欲しいものが全て 手に入るわけじゃない
いらないものが全て もらえないわけじゃない

 

 

永久に空の宝箱
いくつ物を入れたって 空の宝箱
ネックレスやサファイア あと思い出の写真
思いつく限りの宝を入れたって ぶちまけたって
空のまんまの 宝箱

 

 

「永久に空のままの 宝箱が欲しい」
クレヨンで 歪んだカレンダーを描きながら
小さい頃 ある冬 ふと雪のように願ったんだ
サンタも仏様も親も信じない子どもだった
ピアノで 一生懸命 不協和音鳴らしてた

 

 

大切なもの 宝箱に入れた
身の回りのもの 金や学歴や名誉まで 入れてしまった
笑顔だけ 大きすぎて入らなかった

 

 

どんなものを入れたって
空のまま
ずっと そんな宝箱を夢に見ていた
テストの裏に落書きして
いらないものを手に入れれば
欲しいものまで手に入ると思ってしまった

 

 


暗い部屋で ブログを見てる
今日も自分しか見てないブログ

 

飲みかけで 投げ棄てたコーヒー

 

この命と 引きかえに
永久に空の宝箱をもらった
それで よかったんだ

 

永久に空だから 捜し続けられるから
毎日確かめるんだ 何ひとつ入ってないって


5
最終更新日 : 2016-08-13 18:40:47


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