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トレランの女王と日向山(丹沢)を行く

2015年5月20日 朝。
高校時代の友人である女王K子(仮名)と待ち合わせたのは小田急本厚木駅。
丹沢山塊、大山の東にある小さな日向山(ひなたやま、404m)までハイキング。

このK子(仮名)、3日前に国内最難関といわれるトレイルランニング『野辺山ウルトラマラソン』を走った ウルトラウーマンである。本人は100km完走を目指していたそうだが練習不足で42km地点でリタイアしたとのこと。(ご主人は今回、5年越しで念願の 100km完走を果たした)
以前、私があれほど苦しんで下山した丹沢山系・大山でさえ、走ってクリアするつわもの。『野辺山ウルトラマラソン』のたった3日後に山歩きをする野人である。


お互い15歳の純粋な頃から知り合っていながら、まさか30年余の時を経て一緒に山歩きをするなんて不思議。K子はハイキング・トレッキングの先輩でもあるので往きのバス車内でもいろいろアドバイスをしてくれた。
道中は舗装された歩きやすい勾配。
ロッククライミングにトライしているグループ、大釜弁財天という小さな沢にある小滝などを見る。道中の合間に共通の友人の話題などしていて飽きることなく歩く。
道標の見落としによりこのままでは大山まで行ってしまうルートに進んでしまい、元の地点まで戻るというハプニングもあったが、私の単独行では茶飯事なので 気にもせず『これぞ冒険』とお互い笑って過ごす。国土地理院のHPにもないルートがあったりとなかなか手強いのがマイナーな山の典型であるが。

レンズ一体型ミラーレス一眼を持って来たK子に写真の撮り方のコツを少しだけアドバイス。写真に関してだけは私に軍配が上がるようだが、やはりト レランの女王だけあり上りも下りも息を切らすこともなく、休憩も水分補給もしないまま喋りまくって歩き続ける。すでに私は汗だくなのだが。。。

見城山(みじょうさん、375m)に到着。低山だがピークまでの勾配はなかなかのもの。土質と木の根があるお蔭で足の疲れは皆無である。

そろそろ正午に近付き、本日のメイン(?)である反省会という名のビール飲みが恋しくなり、道中を急ぐ。
尾根伝いで日向山404m)に到着、記念撮影。

見城山に着くときは一人だけハイカーがいたが、ここには誰もおらず。本来ならK子と二人だけの秘密の楽園と称したいところだが、残念ながらこの30年間お互いに異性として意識したことがない。

この先は歩きやすい下りでトントン拍子で最終地、日向薬師に到着。あっという間の道中も程無く修了。

小田急伊勢原駅近くの食堂にて反省会。このためといっても過言ではない(笑)

お互い家事があるので早めのお開きとなる。良い汗かいたあとのビールはやはり旨い!!


津久井湖城山の急峻

2015年65日 快晴。
関東の梅雨入りはまだのようで週間予報もはずれ、いつになく好天。

京王線橋本駅からバスで20分ちょっと。津久井湖観光センター前で下車したのは私ひとり。自称『平日のマイナー低山マニア』からすればいつものこと。
バス停が『県立津久井湖城山公園』の入り口なので目の前の階段を上がるだけ、園内マップや道標も分かりやすい。『らくらくコース』と『ちょっと険しいコース』がある、もちろん惑わず険しいコースをメインに。

いきなり獣道のようなヤブを掻き分けながら入山、いくつもの蜘蛛の巣が手や顔に絡み付く、どんだけハイカーが来てないんだ?ヤブを越えると次は真っ暗な開 けた道、さらに昨日の雨で所々ぬかるんでいて蒸し暑いのがつらい。このまま引き返したいと後悔するほど怖いが、国道を走る車輛と近くの高校と思われる体育 祭の喧騒が何よりの救い。


「クマ!?」斜面上方に黒い影!反射的に立ちすくむ。がしかし、よく見ると1~2メートルに切断された巨木の丸太だった。(苦笑)
途中、クサリ場が二カ所あるがきついというほどの傾斜でもなく、無事に鷹射場という展望の良い小さなピークに到着。
誰もいない。

『これより先 急斜面』の表示板を尻目に、次の目標地点へ。
下りはじめて間もなく分岐点。『女坂』、もう一つは国土地理院の地図にはない急峻尾根の『男坂』。下りの苦手な私は女坂へ。
ほとんど歩かれた形跡がなく、踏み固められていないためストックがやわらかな地中にズブズブ入ってしまう。女坂とはいえ急斜面のためロープ場になってい る。落ち葉が堆積している箇所ではトレイルがはっきりせず、木の幹に巻かれたカラーテープを頼りに下るしかない。怖い!ヘリなどで上空から見たらただの遭 難者であろうに。

沢沿いまで下りきると男坂との合流点、次は男坂の上りに挑戦する!女坂と同じく人と行き交うのが困難な細い道、そして容赦ない急斜面。
傾斜45度以上は間違いなくあると思われるクサリ場を一歩ずつ・・・ではなく半歩、半歩。

下を見たら怖いのがわかるが、左右どちらを見ても断崖絶壁の箇所も。

「娘よ、パパが今夜帰って来なかったら、これからずっとお友達の家でご飯をご馳走になりなさい。そしてそのおうちの子になりなさい」

低山でこれだけ本格的なトレッキングができるは初めて!先ほどの小ピークの鷹射場まで戻った時にはひどい息切れ状態。

ちょうどそこで正午なので食事休憩することに。今回初めて持参したバーナーコンロとコッヘルでお湯を沸かす。

下界ではしょぼい食事も山中では美味い!
今まで単独登山ではきちんと食事休憩せず、歩きながらとか立ったままなど先を急ぐあまりいい加減にしてきたが、口に入れるまで手間と時間がかかる分しっかりと身体を休憩させてあげられた。
(食事休憩に関しては時間のあるとき別記事にしたいと思う)

信じられないほどのリフレッシュ感で、次の地点『城山』を目指す。というより、今までの体力消耗は何だったのだろうと感じるほど難なく登頂。

城山(しろやま、375m)、ただの平地。一段下にトイレと展望休憩所あり、いずれも誰もいない。

丹沢山塊に向かって一礼し、『いつか縦走させていただきます』と心の中で宣言した。

下山道で見上げた城山。また一歩自分に自信をつけてくださったことに感謝し、また登らせていただくことを告げた。

*****

バスは橋本駅から1時間に5本出ているのでアクセスは非常に便利。今回行かなかったがアスレチック遊具もあるのようなのでファミリーハイキングにも良いかも(険しいコースは本当に危険!)。
帰宅後、山中でカップ麺を食べた話を娘(アンチ山ガール)にすると、なんとなく楽しそうに感じてくれたようです。
---
山より団子---


津久井湖城山_体育の日

20151012日 体育の日は我が家はハイキング。行く先は津久井湖城山。

京王線橋本駅からバスに乗り換え。
娘にはピクニックと称して連れて行ったので、到着間際のバス車内から見た城山の傾斜約45°は絶句状態。
案の定、バス停からたったの3歩で登山口になるのだがモチベーションはゼロ。
いきなり傾斜のある登山道へ。

娘にとって初めてのクサリ場。
向こう側から来た優しいおじさんに励まされながら頑張る。
休憩できる丸太ベンチを見かけるたびいちいち座りたがる。
私はおだてながら、娘が最近ハマっている卓球に必要な脚の筋力を説明(やったことがないので適当に)して頑張らせる。
ほどなく低山なので約1時間で山頂に到着。



津久井湖城山(つくいこしろやま、375m)。
快晴の下、美しい津久井湖を双眼鏡で眺めている娘の傍ら、昼食の準備。

メインはからふとししゃも焼き。
山行に魚介類の干物ってすごく合います!(個人の感想です)
主食は相変わらずの棒ラーメンとその残りのスープで雑炊にするショボめしでしたが、持って来た紫蘇の大葉をその場で千切りにしてトッピングしたのはかなり良い感じ。ハマるかも。

下山はバス停までは遠くなるものの、アスレチックなどの遊具のある広場へ。
疲れを訴えていたわりには遊具を見るやいなや私にリュックを預け、遊び出す娘でした。

子供は外で元気に!が、一番だと感じる秋となりました~。


丹沢_二ノ塔から三ノ塔へ

2015121

天気も良いので久しぶりに丹沢方面の登山。丹沢・大山フリーパスを購入して小田急秦野駅で下車。
午前中に1本しか来ないヤビツ峠行きのバスは、平日だというのに長蛇の列。
ほとんどが私より年配のハイカーで車内はひしめき合い、ザックの置き場所に困るほど。
これなら30分に1本来る蓑毛行きのバスに乗り、そこから歩いてしまったほうが良かったかなと少しだけ後悔。

ヤビツ峠でトイレを済ませる。すでに準備運動に抜け目ないハイカーたち。
次々と大山へ向かって上り始める姿を背に、私は反対方向の林道をてくてくと歩いた。
途中、後を振り返るが誰も着いてくる人がいない。あのバスで下車した人はみんな大山に行くのか?まるでおばすて山だな!と邪念を抱く。(笑)

護摩屋敷の水という、こんこんと湧き出る水場でタンクに給水。車で来ていて業務用タンクにどっさり汲んでいる人たちと会話を交わし、いざ出発。

この水場に来る前の分岐で地図を見ながら立ち止まっている30歳前後の男性がいたが、まだそこにいた。時間にして5分ほどだろう。片手にはストック代わりの木の枝を持っている。追い抜こうとするやいなや彼はようやく私の前方を歩き始めた。
登山道入口に着き、ザックを降ろし、上り始めるための諸々の準備をしている後方で、彼もそれらしいことをしているようだ。
そして彼は先にゆっくり上り始めたのだが、私ともう一人先に準備をしていた男性がストレッチをしている姿に気付いたのか、突然下りて来て私の背後でストレッチを始めた。
『あなた初心者?』そう思ったが、あまりにやることがみんなの真似過ぎて笑いをこらえるのが精一杯だった。

くどいようだが単独登山はある程度キャリアを積んでからにしましょう。

結局、彼の先方を歩くことになり、いきなりの急坂スタート。途中何度か後方を振り返ったが彼の姿は見えなくなってしまった。
見晴らしの良い尾根道は背後にどーんと大山がそびえて見える。美しい稜線だ。
標高1,000mを超えたあたりから案の定呼吸が整いにくくなる。暑いのでフリースを脱ぎインナー1枚と短パン姿になり、第一通過点へ。

二ノ塔1,144m)展望はなく、テーブルがあるのみ。きょうの目的地は次の三ノ塔である。
見晴らしの良い尾根道を歩く、さすがに風が強い。かいた汗でインナーが冷たい。
たったの15分ほどで最終目的地に到着。

三ノ塔1,204.7m

まるでシャンプーハットを被った富士山が美しい。寒過ぎてすぐさま今まで脱いでいたものを全て着込み、富士山をずっと眺めながらお茶漬けで身体を温めるのでした。

山頂にはのんびり1時間も滞在したが、結局、あの初心者と思わしき男性の姿を見ることもなく、地味でつまらない尾根(三ノ塔尾根)を2時間かけて下り、大倉バス停経由で小田急渋沢駅に着きました。

大倉バス停付近の紅葉は絶景でした。


娘よ、これが天空の世界だ!

気が狂いそうな単調さに耐えぬき、弱音を吐きたがる自分に打ち克つ以外にない。進むこと、ひたすら前へ進むこと。---植村直己

2015年12
29日早朝、小田急渋沢駅より大倉バス停で下車した私と娘は、一日目の行程として丹沢にある鍋割山を目指す。
公衆トイレ前でストレッチをする私たちほか数十人。
私たちが進む方面へはあまりいない、おそらく塔ノ岳方面へ行くのであろう。

なだらかな林道を歩くこと約1時間半、後方を歩く娘の足取りが重くなり、左右に身体が揺れ始めた。
何度も小休止をしながら進むが「頭が痛い」と言い出し、時間と距離、勾配から判断すると今回は断念せざるをえない。
私「このままだと二人とも遭難する、今なら帰れる!パパは冗談抜きで言ってるよ!」
娘「・・・行けるとこまで行く」
私「じゃあ、川のところまで行って食事して、それから考えよう」

小休止と行動食だけで山頂まで行く予定が大幅に狂い、川の水を汲み娘に温かい雑炊を作って与える。心の中ではここで食事ができて日帰りハイキングで良いよな、これも経験だし。と、自分自身を何度も納得させる。
救急袋の中に私の鎮痛剤があったので歯で噛み割り半分を与えた。
なんとか元気を取り戻した娘はまだ歩けるというので、折り返しても日が暮れない程度のところまで進むことに。
すると次第に頭痛がなくなり足取りも信じられないほど軽く、明るい元の娘に戻った。
ホッ・・・。

ペットボトルの水を鍋割山荘まで運んでくださいというボランティア看板のあるところまで着き、ここから先が本格的な登山道になる。しかし、娘のこともあり精神的な余裕がなく、今回は遠慮させていただくことに。

斜面は大人にも容赦ないほどきついが、文句も言わず時折り冗談交じりで話す娘、さっきのバテは何だったのか?

途中、飲むヨーグルトで筋肉疲労を緩和させ、何度も小休止を挟みながらもようやく到着。
当初の予定より1時間半も遅れたがとりあえず安心感で満たされる。

鍋割山(なべわりやま、1272.5m、くもり)、スタート地点のバス停との標高差は約1,000メートルである。

山頂にある鍋割山荘、ここの名物鍋焼きうどんを注文。腹減ったぁ~
しばらくして小屋主の草野さんが奥から出てきたので宿泊手続き。
草野さん「今夜の夕食は鍋焼きうどんです」
2食も食べることになった。。。(笑)

娘は小屋の中をぐるぐる探検し、寝室のある屋根裏の窓から顔を出し、外で写真を撮る私に手を振る。楽しそうだ、ほかにやることないしね。

日が暮れて、寒さはいっそう厳しくなり、お世辞にも暖かいとはいえないコタツに潜り込む娘。ヘッドランプを装着して外にあるトイレまで行く時の下界の夜景が美しい。


寒い、寒い・・・
宿泊者は年配夫婦と私たちの4名なので布団は豊富にある。がしかし、湿気を含んだせんべい布団なのでとにかく冷たい。毛布をこれでもかというほど上下に重ねても保冷材を身体に巻いているかのように寒い。
娘と一緒にピタッと寄り添って寝ていて、一晩中ずっと震え続けている娘にもう本当にヤバいのではと思ったほど。
夜明け前に腕時計の温度表示を見ると室温は0.2℃だった。娘の手や足を摩りながら長い長い夜を乗り越えた。

朝4時半ごろ、小屋番さんが焚いた薪ストーブの煙が屋根裏に充満(もっと換気設備良くしてくれ!)してきたので娘と下に降り、コタツをつけてもらう。本当に生きていて良かった。娘とコタツを挟んで白い息を吐きながら笑った。
朝食は写真は割愛するが、みんなでおしゃべりをしながら食べる楽しいひと時だった。

曇り空なのでここから期待していた赤富士は残念な結果となったが、外もすっかり明るくなったので塔ノ岳を目指し出発。
寒さで爪先と指先が痛いが、塔ノ岳へ向かうこの鍋割山稜は右に相模湾、左に本来なら富士山が見える絶景のコースである。
いくつか小さなピークがあるので上り下りがあり楽しい(私だけ)。

先を歩く私に娘が叫んだ。
「パパ!富士山!」

雲が抜け富士山の全貌が現れた。
私「本当だ!美しい。頑張って早く頂上を目指そう!」
雲の流れから一時的に現れたのだと判断できた。
息が切れて苦しそうな娘を励まし、時にはおだて、最後のきつい急斜面を上ると、山頂にある尊仏山荘が見えた。
私「あなたが先に上がりなさい」

9
05 二人で恥知らずな雄叫びをあげました。
私「これが天空の世界だよ」
娘「すごいきれい!」

塔ノ岳(とうのだけ、1491m、くもり、855hPa
寒いので僅か20分の滞在。その間に富士山はすっぽり厚い雲に覆われ、姿を消してしまいました。



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