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あとがき

  1.

 長い作品を最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました。登場人物達の思いが伝わっていれば幸いです。この物語は、「父親が世代を超えて語り継ぐこと」をテーマにしています。同じ瓢箪から駒シリーズで「悲翔」では母の変わらぬ愛をテーマに、在日外国人仲間が人類に普遍的な出来事と出会います。

よろしければ、「悲翔」もお読みいただければ嬉しいです。

  2.

 この「瓢箪から駒」は、世界でも特異的なという目で見られがちな日本の歴史や文化や人が、実は人類の普遍的なものではないだろうかという思いから、様々な理由で来日した外国の人たちが、日本で目撃し体験する出来事の中に、自分たちの民族の中にある物と共通の物を見いだしてゆく話です。それを通じて、日本人の読者にも、自分たちの文化が思想が世界の人々とつながってるんだと言うことを見せてくれるのではないでしょうか。

 第三話はアメリカ人女性ヘレンを主人公に、迷いの多い彼女の人生で、彼女の出自、日本にいる理由など、ヘレンを中心に、瓢箪荘に住む人たちが自分の存在を見つめ直してゆきます。日本に住んでいても故郷とつながっている・・・・・・そんな話です。

 第四話は、彼らが好意的に捕らえがちな日本で、出会った無戸籍の女性によって、日本にも世界と変わらない貧困などの問題が存在している様子を描く予定です。またアダムとヘレンの恋が育ってゆくのもこのはなし。

 第五話は、和ちゃんとマリアが主人公。入居者の人たちに両親のイメージを抱いて慕っていた和ちゃんですが、その入居者達も自分の存在理由を見いだして日本を離れてゆきます。そんな中で、和ちゃんの自立を描く予定です。

 

と、厚かましくも、まだまだ長い話を考えている作者塚越広治ですが、最後まで書ききれるよう見守ってくださいね。

 

 3.「約束の土地」の歴史改変について

 この物語は言うまでもなくファンタジーですが、作者として物語を楽しんでいただきたいのと同時に、読者の方々に史実に歪んだイメージを抱かせてしまうことを危惧しています。この物語を書く上で史実を無視した箇所について列記しておきます。

・登場人物について:小野妹子は言うまでもなく実在の人物です。聖徳太子(廏戸豊聡耳皇子)も実在したと考えて良いのではないかと思います。それ以外のノユリ、ケハヤ、オグツ、ヒコネなどのはこの物語のオリジナルの人物です。

・難波津の位置:作者は子どもの頃に異国からの使節が壮麗な四天王寺を眺めながら難波津に入港する様子が描かれている本を読んだ記憶があり、この物語でも四天王寺のすぐ西側に設定しています。ただし、現代の考古学的な観点では、もっと北側にあったという説が有力です。確かに地形や河内湖を利用した水運を考慮すると四天王寺の西というのは可能性か低いと思います。ただ、物語のラストを盛り上げる上では敢えて四天王寺の西にあったという設定にしています。

・四天王寺の位置:歴史的に何渡か焼失して再建されてるんですが、聖徳太子の時代は現在と別に位置にあったという説もあります。

・言葉:物語の勝手な都合ですが、アダムたちが自分たちが居るのが古代大阪だと気づくまでの時間稼ぎをしたかったので、大阪を意味する「難波(ナニワ)」を、当時の人々は訛って「なぬわ」と読んでいた設定にしています。もちろん大阪の呼び名がこのように訛っていた記録はありません。ワクウとノユりが摘んでいるツキクサは現代ではツユクサと一般的に呼ばれます。ファコベラは古代日本語の訛りで、現代ではハコベラと発音されます。ともに、古代の日本の雰囲気を出したかったので、意図的に現代と違う言葉を使いました。イメージが湧きにくかったらごめんなさい。

・その他、物語に登場する動植物は現代の大阪の自然を参考にしています。キツツキが出てきますが6世紀末の日本にいたかどうかの確認は取れませんでした。また、白い蝶が舞う描写は、おなじみのモンシロチョウではなく、スジグロチョウの設定です。その他、自然の描写で史実と会わない点は、ファンタジーだからと笑ってご容赦ください。

 

最後に史実を一つ、

もし、大阪を訪れて、通天閣や難波を観光する機会があったら、物語の最初の部分でアダム達が歩いた電気街を少し歩いてみてください。日本橋筋は、物語の昔、遠浅の海、いわゆる難波潟でした。信じられますか?


奥付



瓢箪から駒 ~約束の土地: 語り継ぐ父の姿~


http://p.booklog.jp/book/106992


著者 : 塚越広治
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/ken19570420/profile


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