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海底宮

○海底宮

 

アムピトリテ「イカ議長、イカ議長!!」

 

イカ 「どうしましたアムピトリテさま!!」

 

アムピトリテ「ない、ないわ」

 

イカ 「何がです」

 

アムピトリテ「牙よ、」

 

イカ 「え」

 

アムピトリテ「黄金の牙の、3つのうちの1つがないのよ」

 

イカ 「なんですと!?うわああああああ!!!ななななななんてことだ!!!!!!」

 

アムピトリテ「どうして!?どうして無くなるなんてことがあるのかしら!?」

 

イカ 「ありえません。このウツノミヤ宮殿に集まる海の生物の代表たち、その3分の2が同意しなければ牙がこの岩から抜けることはない」

 

アムピトリテ「そうよね、じゃあみなさんが同意したってこと?誰かがこの牙を持ち去ることに。」

 

イカ 「としか、考えられません。」

 

アムピトリテ「お前議長でしょ。決議をしたんじゃないの?私の知らない間に」

 

イカ 「まさか!そんなことするはずないでしょう!?女王様の宣言をなくして議会は始まりませんから。」

 

アムピトリテ「じゃあ何なの何が起こっているの」

 

イカ 「数日前までしっかり3つありました。私確認いたしました。」

 

アムピトリテ「そうよね。変わったことと言ったら数日前嵐がきたことくらいよね。」

 

イカ 「そうですね。でもあの日もよく眠れましたし」

 

アムピトリテ「そうよく眠れた。寝ている間に盗まれたのかしら。」

 

イカ 「そんなことは不可能なはずなのですが、ちなみに持ち去られたのはどの牙でしょう」

 

アムピトリテ「えっと、これ、これなんだっけ」

 

イカ 「レギスの牙、この世のルールを定める牙です。」

 

アムピトリテ「そうそうそれからこれは」

 

イカ 「ジュデスの牙、行いを正し止める牙です。」

 

アムピトリテ「じゃあ、なくなったのは、」

 

イカ 「アドミナの牙、、レギスの牙が決めたことを、行使する牙ですね」

 

アムピトリテ「力を使うための牙がないってことよね」

 

イカ 「そうなります」

 

アムピトリテ「ということは?」

 

イカ 「牙を盗み出したものは、現在定められたルールに基づく力を行使することができます。」

 

アムピトリテ「つまり、」

 

イカ 「、、(法典を取り出して)、今のままです!アドミナの牙は、現状を維持するための力が発揮されていますが、それ以上の何かはできません。なのでまだ、影響はありません!!」

 

アムピトリテ「だい、丈夫なのね!?」

 

イカ 「ええまあ、今の所は。しかしいつまた、牙が奪われるかわかりません。たとえばもし残る2つもその何者かに奪われてしまった場合は、レギスの牙で現在のあらゆるルールが変更され、それをアドミナの牙で思いのままに行使され、なおかつ誰もジュデスの牙でそれを止めたりできない、という最悪の事態に。」

 

アムピトリテ 「そうなったらおしまいよね」

 

アワビ「女王様」

 

アムピトリテ「うをあ!!びっくりした驚かせないでアワビ!」

 

アワビ「申し訳ございません。」

 

アムピトリテ「どうしたの」

 

アワビ「実は、宮殿内のいたるところから微量の毒を検出いたしまして。」

 

アムピトリテ「毒!?」

 

アワビ「はい。私の体内からも。これは何者かが、この一帯の海域に毒を溶かしこみ、この宮殿を襲おうとしたのかと。」

 

イカ 「え」

 

アムピトリテ「なんと卑劣な」

 

アワビ「ええ。この毒は時間が経つと分解され消えてしまいます。証拠が残らないように調合されている、とすればこれはかなり計画的な犯行と言えるでしょう。」

 

イカ 「その毒が、牙を奪うために使われたのだろうか」

 

アワビ「わかりません。」

 

アムピトリテ「ああ腹立たしい!こんな時に我が夫はどこを遊び歩いているのかしら。」

 

イカ 「世界の海に伝令を出し呼び戻しましょうか。」

 

アムピトリテ「いいえ。あの浮気者を許すつもりはありません。何があっても絶対にこの宮殿に入れてはダメよ。」

 

イカ 「かしこまりました」

 

アムピトリテ「アワビはその毒の持ち主を探して。」

 

アワビ「はい」

 

アムピトリテ「この牙を守ることが海の主である我が使命。何か知る者がいないか、議会を招集しましょう。」

 

続く

紀伊國屋ホール
2016年6月1日(水)〜5日(日)全7公演
公式ブログhttp://poseidon16.exblog.jp/


この本の内容は以上です。


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