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放課後

○放課後

追試をしている

 

須永 「ありえねえよ!!このままじゃ絶滅だよ俺ら」

 

スイサンズ全員「絶滅!?」

 

須永 「そうだよ、」

 

道井 「防衛人材の育成、つまり兵隊になってどっかの国で戦死するか」

 

生方 「男子校で出会いのきっかけを逃して」

 

須永 「死ぬまで彼女ができないか」

 

スイサンズ全員「ぎゃー!!!」

 

萩原 「そんなの嫌だ!」

 

葛先 「交尾できないまま死ぬってことですよね」

 

須永 「そうだよ!!」

 

スイサンズ全員「したい!セックス!(などなど)」

 

生方 「お前らかわいそうだよ。童貞のまま死ぬなんてさ」

 

全員 「おおお」

 

須永 「スグルいいよな」

 

萩原 「それさ、あの、い、いつ、したの」

 

葛先 「そうそう、俺らスイサンズ唯一の経験者なんですから詳しく!」

 

生方 「あの、去年の、夏」

 

全員 「夏か?!!!」

 

葛先 「誰と?」

 

生方 「、女バレの先輩」

 

全員 「うおおおお(的な反応)」

 

生方 「もうでもその人卒業しちゃったけどな」

 

須永 「誰!?名前は」

 

生方 「あそれプライバシーあるから大人だし」

 

全員 「、、、ああプライバシーか大人だもんな(それが大人だ的な反応)」

 

生方 「いやあ凄かったぜ、昼休みこっそり部室で待ち合わせてさ、」

 

全員 「部室で!!!」

 

生方 「そう部室で、キスして、シャツのボタンを外して、、最後まで。」

 

全員 「うおおおおお!!!」

 

道井 「スグル!!」

 

生方 「え、何、マタイどうした」

 

道井 「そんな未成年が、そんなことするなんて、姦淫は罪なんだぞ!!」

 

生方 「姦淫?罪?」

 

道井 「セセックスしたりすることだよ!!(股間を押さえながら)」

 

全員 「(大笑い)」

 

葛先 「マタイだけに股痛い、なんて(すごい形相で睨まれて)ごめんなさい」

 

須永 「まあ家が教会で、父ちゃん牧師さんだもんな」

 

生方 「頭もいいのにどうして水産高校なんて入ったんだよ」

 

萩原 「マタイくんも牧師になるんじゃないの」

 

道井 「うちの教会、ほとんど人が来ないから学費が安い公立しかだめだって」

 

須永 「でももっと上の高校行けただろ」

 

道井 「まあ、キリストの使徒も12人中4人が漁師出身だし」

 

萩原 「キリストのシトって何」

 

生方 「深海魚の一種でヒラメの仲間だよ」

 

萩原 「へー」

 

道井 「違う!!」

 

須永 「とにかく、このままなんてありえねえだろ!俺ら水産高校に入ったんだぜ、なんで勝手に防衛なんたらに変えられるんだよ」

 

葛先 「パンフには、転校したいやつはすればいい、って」

 

生方 「無理だよそんなの」

 

萩原 「ずっと乙亀で育ったし、金ないし」

 

須永 「それ!足元見られてんだよ、俺ら貧乏人はさ!違うか?」

 

道井 「間違いない」

 

生方 「うちばあちゃんの年金と俺のバイトでギリギリだかんな。」

 

須永 「スグルんち親大変だよな」

 

生方 「母さん死んで、それ以来親父は酒飲んで終わってる」

 

全員 「ハードだね〜」

 

萩原 「うちは父ちゃん夜逃げして母さんピンパブだよ」

 

須永 「あれアンダソン、母さんフィリピン人だっけ?」

 

萩原 「タイだよ。仕事はフィリピンっぽくしてるって。」

 

須永 「それ違いがあんまわかんないな」

 

葛先 「みんな大変ですね」

 

生方 「ケンジンんとこ金あるんだろ、俺ら全員何とかしてくれよ」

 

葛先 「無理です無理です中産階級です。転勤も多かったし。」

 

須永 「でもスニオ岬にできた工場か何かのトップなんだろ」

 

葛先 「ええまあ。中間管理職ですよ」

 

萩原 「スニオ岬って」

 

須永 「ほら来週行く海洋実習の合宿所の近く」

 

萩原 「ああ!」

 

生方 「すげえよな、あそこ岬が全部工場の敷地になったんだろ」

 

道井 「あれもインドラインベストメントの投資事業だよ」

 

萩原 「まじで」

 

生方 「じゃケンジンはめでたく転校か」

 

葛先 「嫌ですよ!僕はスイサンズを愛してますから」

 

須永 「よく言った!」

 

葛先 「でも親からはずっと学校変えろって言われてます」

 

道井 「どうして?」

 

葛先 「父さんは水産高校なんて出来損ないが行くところだって」

 

全員 「そうだよ」

 

葛先 「違う!!父さんは貝たちのすばらしさを直に学べるこの乙亀水産の素晴らしさをこれっぽっちもわかっちゃいない!!」

 

全員 「お、おう(的な反応)」

 

葛先 「貝はエレガントな生き物なんだ。ボッティチェリの描く美の神ヴィーナスだって彼女帆立貝に乗ってるんですよ特大の!!(涙をこらえる)」

 

全員 「よくわからないけど、う、うん(的な反応)」

 

寅一 「ソラキ!!(後ろからソラキを殴る)」

 

須永 「痛って!!何すんだよ知花!」

 

寅一 「お前体育祭の実行委員だろ!昼休みの会議なにサボってんだよ」

 

須永 「やっべ!」

 

寅一 「やっべじゃねえよふざけんな(ものすごいアクション、躱すソラキ)」

 

生方 「寅一、さすが父ちゃんが元プロボクサー」

 

萩原 「しびれる」

 

葛先 「ヴィーナスだ」

 

寅一 「あん!?」

 

生方 「すみません」

 

萩原 「何でもないです」

 

寅一 「これ、体育祭応援合戦の企画と担当者、書いて来週提出。(去ろうとする)」

 

須永 「、待てよ知花」

 

寅一 「、は?」

 

須永 「体育祭秋だろ。きっとその頃もう別々だし、体育祭やるかだってわからないじゃねえか。」

 

寅一 「、知らない。そんなの関係ない。(去る)」

 

全員 「(去るのを見送って)、、、うわーーー!!!!!」

 

生方 「だーーーめだ!!男子校なんて!!転校もだめだー!!!」

 

萩原 「なんでソラキだけどつかれるんだよ」

 

葛先 「僕も殴られたい蹴られたいでも貝のように笑っていたい」

 

道井 「けどさ、夏休みが終わったら俺ら本当にもうおしまいだろ。」

 

須永 「そうだよ。一人だけ転校できたって何の意味もない。スイサンズがみんな離れ離れになっちまう。」

 

道井 「ナカツ県の財政赤字、125億円のせいで。」

 

萩原 「125おく、ひー」

 

生方 「それと引き換えに俺らの青春、つまりセックスライフが終了か」

 

須永 「終了なんかじゃない!」

 

葛先 「終了ですよ」

 

須永 「ケンジン、スグルもさ、みんなそう思ったら負けなんだよ!!」

 

生方 「そうだけどさあ」

 

須永 「俺らスイサンズの掟斉唱!」

 

生方 「その1、女子は最高」

 

全員 「女子は最高」

 

葛先 「その2、貝にやさしく」

 

全員 「貝にやさしく」

 

萩原 「その3、成績を気にするな」

 

全員 「成績を気にするな」

 

道井 「その4、人間の犯したすべての罪を背負ってゴルゴダの丘を登った神の子イエスキリストは」

 

全員 「(長い長い、それはお前の宗教だろ、など様々なツッコミが)」

 

道井 「その4、まじめに生きる」

 

全員 「まじめに生きる」

 

須永 「その5、あきらめない」

 

全員 「あきらめない」

 

須永 「だろ!?」

 

道井 「でも、俺らに何ができる」

 

須永 「、、、それはだな、わっかんねえけど」

 

全員 「何だよ!!(的な反応)」

 

豊玉 「はいあと3分で追試終了ってあんたたち何やってるの!!」

 

全員 「先生さよなら!!(など大慌てで去る5人)」

 

豊玉 「こら!!これ丸写しじゃないの待ちなさい!!」


病院の部屋

○病院の部屋

ソラキの母がテレビを見ている。
お天気キャスター「ナカツウェザーのお時間がやってまいりました。本日夕方、急遽ワタツ湾沖に極めて強い低気圧が発生、夜には県内上陸する予定です。こちら近年多発するゲリラ豪雨の一種と思われますが、近年の地球温暖化との関連性が指摘されており、各研究機関の分析が続いております。」

 

須永 「かあさん」

 

美恵子「あらおつかれさま。」

 

須永 「ミカン安かったから買ってきた」

 

美恵子「ありがとう。配達、大丈夫だった?嵐が来るみたいよ」

 

須永 「ギリギリ大丈夫だった。明日の朝がきついな。ビニール掛けがめんどくさいんだよ。」

 

美恵子「そうよねえ」

 

須永 「でも俺が配達所の中で最速だぜ。280件。」

 

美恵子「やるじゃない。」

 

須永 「でももっといける」

 

美恵子「学校は?」

 

須永 「楽しいよ。」

 

美恵子「夕方、マタイのお母さんがお祈りに来てくれたけど、今度水産高校じゃなくなるんだって?」

 

須永 「そうだよ」

 

美恵子「ひどい話だね」

 

須永 「絶対にそうはさせない」

 

美恵子「させないっったって、無理でしょ」

 

須永 「いや、学校をあいつらから買い戻すんだ。インドラなんたらから。」

 

美恵子「買い戻す?」

 

須永 「そう。」

 

美恵子「何バカなこと言ってるの、そんなことできないよ」

 

須永 「わかってるよ。でもそうでなくちゃ俺ら兵隊にされちゃうだろ」

 

美恵子「、、そんな時に、こんなですまないね。」

 

須永 「謝らなくて良いんだって」

 

美恵子「いいやあたしゃワイルドすぎたのさ。酒も男も思いっきりで後先考えずだったから。そのツケが今ごろ来たんだなって。」

 

須永 「でもおかげで俺が生まれただろ」

 

美恵子「そうよ。」

 

須永 「まあせめて父親が誰かくらいは知りたかったけどさ」

 

美恵子「すまなんだよ、もう母さんモテまくって男がわんさか寄ってきちゃったもんだから嬉しくて。次々愛しまくっちゃってね」

 

須永 「しー!!」

 

美恵子「ごめんごめん。死にぎわだと恥もかきすてな気分になっちゃうわ」

 

須永 「立つ鳥跡を濁さずだろ」

 

美恵子「そうよね(笑う)」

 

須永 「嘘、冗談だよ。絶対に死なせたりしない。」

 

美恵子「、ソラキ、お医者さんは」

 

須永 「生体肝移植とか、まだできることがある」

 

美恵子「いいのよそれだって私の場合はお金がかかるから」

 

須永 「エリア増やしてもらったんだ配達の。それでもう少し貯められる」

 

美恵子「、、ありがとうね。でも母さん、ソラキには新聞ばっか配らせないで勉強させたいの」

 

須永 「勉強なんてどうでもいいんだよ。ただ配達だけじゃラチが開かないから、みんなで大金をゲットできないか考えてるさ。母さんのことは言ってないけど」

 

美恵子「、犯罪だけは絶対にダメよ」

 

須永 「たりめーだよ、でもナカツ県の借金も125億とからしいから、並大抵のことじゃダメだ。」

 

美恵子「そうね」

 

須永 「しかも急がないといけない。学校も、母さんも。」

 

美恵子「、、、釣り針」

 

須永 「え?」

 

美恵子「あ、ううん、ふと思い出したの。乙亀の古い言い伝え。」

 

須永 「何それ」

 

美恵子「海岸沿いにスニオ岬ってあるでしょ」

 

須永 「うん」

 

美恵子「あそこの海の底に、黄金の釣り針が沈んでるんだって」

 

須永 「え、黄金の」

 

美恵子「そうしかもものすごい巨大なやつ。じいさんから小さい頃聞いたんだけど、もともとは海の神さまの持ち物なのよ。」

 

須永 「へえ」

 

美恵子「じいさんがまだ若い時、今日みたいな嵐の日に船から落ちて流されたんだって。そしたら深い海の底の方にキラキラ輝いてる何かを見たって。じいさんはそれが、海神様の釣り針だって信じてた。それ見つけて売飛ばしたら200億くらいにならないかしら、なんてね。」

 

須永 「それ、いいな。」

 

美恵子「 え」

 

須永 「ちょうど来週、海洋実習で行くんだよあの岬に。探してみる。」

 

美恵子「いや、冗談よ。単なるお話。実在なんてしないから(痛た)」

 

須永 「、ごめん、無理しないで。」

 

看護婦「須永さーん、そろそろ」

 

美恵子「はいはい。ソラキ、ありがとうね。嵐、気をつけて。」

 

須永 「どうってことないさ。おやすみ。(病室を出る)」

 

キャスター「先ほど気象庁より中津県全域に大雨、暴風、波浪、高潮警報が発表となりました。また竜巻などの発生の恐れもありますので、ワタツ湾海岸付近いにお住いの方は外出を控えるようにしてください。」


嵐の中

○嵐の中

暴風の中、海神が現れる。

海神 「愚か者ども、門を開けよ!!!」

 


カルナ「現れたぜ、お師匠」

 

ドローナ「うむ。」

 

カルナ「落ちぶれたものだな、この程度の嵐しか起こせないとは」

 


海神 「我を誰と心得る、主人の潮を忘れたというのか」

 


カルナ「あの顔見ると怒りが止まらねえ、今すぐ我が弓で」

 

ドローナ「早まるでないカルナ、我らが狙いは彼奴ではないぞなもし」

 

カルナ 「ぞなもし?え、ドローナお師匠、そういうキャラなの」

 

ドローナ「いかにも。だってお前の武術のお師匠さんじゃから。わし」

 

カルナ「そりゃそうだけど」

 

ドローナ「よってユメユメわしの言葉を軽んじてはならぬぞえ。」

 

カルナ「そんな喋り方でいいの?俺らもともとインドの神話出身でしょ」

 

ドローナ「うん、イマジネーションだからこういうの」

 

カルナ「そうですか。しかしあの調子だとせっかくの計画が無駄になる」

 

ドローナ「そのための備えじゃ(貝殻に)、もしもし、」

 

カルナ「え、それスマホ?」

 

ドローナ「(あ、通話中だから)」

 

カルナ「ごめんなさい」

 

ドローナ「じゃ発射準備おねがい、はいできたかの、では海上の緯度36度33分経度139度52分、高濃度ヨウトネウム及びテマタガス弾装填 、標的を嵐の中の戦士アルジュナ、又の名をポセイドンに定めよ。」

 

カルナ「俺らの邪魔はさせないぜ」

 

ドローナ「発射」

化学プラントよりおぞましい色のミサイル?が発射され、
嵐の中の海神に命中する。

 


海神 「ぐううああああああああああ!!!」

 


????「命中しました。父さん」

 


ドローナ「そんじゃ行くぞえ」

 

カルナ「ああ」

風は乱れ大波が海岸を襲うが、次第に収まってゆく。


実習

○実習

海洋実習。貝の缶詰加工

 

豊玉 「今日から2泊3日の海洋実習となります。あいにく先週末の嵐で、海洋実習船・乙亀丸のスクリューがやられてしまいまして、なのでうちのクラスはこちらの調理の実習に加えていただくことになりましたので宜しくお願いします。」

 

全員 「お願いします。」

 

豊玉 「教えてくださるのは地元の缶詰エキスパートでこの道40年のコシノトメさんです。」

 

コシノ「どうも」

 

豊玉 「トメさんはレペゼンスニオ岬の元海女さんですからマジディープにリスペクトしなさいよ。」

 

葛先 「なぜフリースタイルな」

 

豊玉 「返事!!」

 

全員 「はーい」

 

萩原 「船乗りたかったな?」

 

生方 「まったくだぜ」

 

豊玉 「実習終わったら速やかに合宿所に戻って掃除と夕食準備にかかるように。では宜しくお願いします。」

 

コシノ「はい、んじゃ今からアサリの佃煮つくっからね、まずダメなやつを除いて洗うから。こういう殻がダメなやつ、死んでるやつ最近増えてるから。んじゃ始め!」

 

全員、作業にかかる。

 

生方 「で、ソラキ、その黄金の釣り針ってマジなの」

 

須永 「ああ、そのはずだ」

 

道井 「そのはず?」

 

須永 「うちの曾祖父さんの話らしいから。あるかどうかなんて探さないとわからないだろ」

 

萩原 「でた!ソラキはすぐそうやってさあ」

 

道井 「どうやって探す?」

 

須永 「とりあえず岬に行ってみるしかないな。俺、けっこう潜れるから」

 

葛先 「あそこ昔潮干狩りで行きましたけど、潮の流れがキツイですよ」

 

生方 「俺、そういう危ないのはパス」

 

須永 「じゃあ、もし見つかったらどうよ。」

 

葛先 「え」

 

須永 「黄金の釣り針、巨大らしいぜ。なんとかして引き上げて、数百億円、下手したら数千億円が俺らの手に転がり込むかもしれない。」

 

道井 「まあ、そうだけど」

 

須永 「そしたら確実に学校、取り戻せる」

 

生方 「取り戻すど」

 

萩原 「ふふふふ風俗とかも行けちゃうのかな」

 

生方 「行けちゃうどころか店オープンできるよ」

 

葛先 「貝類のためのアミューズメントパーク・シェルランドも建設できますかね」

 

須永 「できる!」

 

道井 「新しい教会も」

 

須永 「建てられるよどでかいやつ」

 

全員、盛り上がる

 

コシノ「そこ!!!」

 

須永 「あ、すみません」

 

コシノ「そんな恐ろしいこと口に出しちゃいかん」

 

生方 「恐ろしいこと?」

 

コシノ「釣り針のことじゃアホタレ!!」

 

道井 「え!!何かご存知なんですか?」

 

コシノ「この海岸一体の言い伝えにな、黄金の釣り針は争いを引き起こす。だからたとえ見つけたとしても触れずに逃げるべし、とな」

 

須永 「そりゃ黄金だからだろ」

 

コシノ「ちがうわこのばーたれ!!」

 

萩原 「なんか怖いなあ」

 

生方 「元海女さんなんだろ。見たことないのかな海底で」

 

コシノ「、、、ない」

 

須永 「え、本当?」

 

コシノ「全然」

 

生方 「本当は、あるんだろ。」

 

コシノ「え」

 

生方 「言いなよトメ」

 

コシノ「何をいっとる」

 

生方 「俺、そんなトメもう見たくないよ」

 

全員 「(そうだ見たくない的なことを言う。)」

 

コシノ「そう?」

 

道井 「具体的にはどこですか?地図、持ってきたんですけど」

 

コシノ「えー、そうじゃの、確か、」

 

葛先 「あれ、何だ」

 

須永 「どうしたケンジン」

 

葛先 「アサリが、震えてる、」

 

萩原 「え?あれ、本当だ」

 

葛先 「こんなこと、みたことないぞ」

 

須永 「殻を開いたり閉じたりしてるやつもいる」

 

生方 「うわ!!いてててててて!!!!」

 

葛先 「スグル!!ちょっと!!どうしたの!?痛い!!」

 

実習室が大騒ぎに。

 

須永 「何だ何だ」

 

道井 「殻で噛み付いたんだ、軟体動物のくせに」

 

コシノ「祟りじゃ、こりゃ、祟りじゃ」

 

豊玉 「(駆け込んで)どうしたんです?ちょっと、なにこれアサリ?ちょっと大丈いたたたたたた!!!」

 

須永 「今だ」

 

全員 「え!?」

 

須永 「抜け出すチャンスだって」

 

道井 「でもまだ場所が」

 

葛先 「アサリたちが」

 

須永 「アサリはどうでもいいんだよ、トメさんを連れてこう!場所を教えてもらわなくちゃ」

 

コシノ「え?え?」

 

生方 「トメ、行こう。」

 

コシノ「は?」

 

生方 「行こう、俺と一線、超えちゃおう」

 

コシノ「え?」

 

全員で持ち上げて連れ去る

 

コシノ「ぎゃー!!!」

 

豊玉 「ちょっとどうしたのそこ!!」

 

須永 「アサリです!!トメさんにアサリが噛み付いたんです」

 

萩原 「ちょっと病院に連れて行くのかもしれない!!」

 

コシノ「何が何なの!?佃煮、佃煮つくらせろ!!」

 

豊玉 「まちなさイタタタこの味噌汁の具が!!!!!!」


化学プラント

○化学プラント

プラント前にて、記者たちが集まっている。

 

レポーター「えー先日の嵐で一部の施設に被害がでるなどしたこちらスニオ岬にあります大型化学プラントですが、嵐の最中、謎の飛翔体がこの施設より発射されたという目撃情報が寄せられておりまして、本日はお話を伺いにやって参りましたが、あ、ただいま化学プラントの責任者・葛先棚蔵氏、そして出資元であるインドラインベストメントの岸部秀夫氏が出てきました。葛先さん、被害状況はいかがでしょうか」

 

棚蔵 「えー、本日までにすべての施設の点検を終えましたが、製造ラインに問題は見つからず、明日以降の通常稼働を目指しております。」

 

記者 「この施設より発射されたと噂される飛翔体に関してはいかがでしょうか?」

 

棚蔵 「そのようなお問い合わせをいくつかいただきましたが、私どもの施設は極めて一般的な化学プラントでございまして、そのような飛翔体とはいっさい関係がございません。」

 

記者2「もともと県の公園だったこのスニオ岬一帯の土地を買い占めたのには何か理由があるんでしょうか。工場の敷地の約25倍の面積ですが」

 

棚蔵 「えー、それは」

 

岸部 「みなさまは他人に質問する割には自らのことに盲目すぎる。」

 

記者2「え、岸部さん、それはどういう意味でしょう」

 

岸部 「例えばこのスニオ湾に住むカタクチイワシの約8割は、内臓から微細なプラスチック片が発見されています。あるいは遠く離れた国ではサンゴの約9割に白化現象が起きている。これは大気が温暖化した熱を、海が吸い取るから起こっていることです。」

 

記者2「それが、土地の買い占めとどう関係があるんでしょう」

 

岸部 「要は、海は地上で犯された罪の流れ着く墓場になっている。されどあなたがたはそんなこと思いもしないで地上の繁栄を続けています。しかし海は海に生きる生物のためのものです。私どもは、そんな人間の罪から海を守りたいのです。(この最中、少年たちコソコソと後ろを通る)」

 

記者 「環境保護のため、ということですか?」

 

岸部 「ええ人間のためではなく海の生き物のために。」

 

記者 「しかしこのナカツ湾では、魚介類からダイオキシンをはじめとする様々な汚染物質が検出されており、この工場との関連性が指摘されています。今回の嵐の被害で本当に海洋汚染はないと言えるんでしょうか。」

 

棚蔵 「、ありません。」

 

記者2「住民からは県の公園であったスニオ岬を返せという抗議の声も上がっておりますが」

 

棚蔵 「えーそれは(ケンジンを見つけて)おま、」

 

全員 「おま?」

 

棚蔵 「あ、あのいえ、えっと」

 

岸部 「私どもインドラインベストメントは中津県の招致によりこの土地を取得するに至りました。抗議があるのであれば県知事シデハラ氏に言っていただきたい。」

 

記者たち「(反論を口々に)」

 

岸部 「会見は以上です。同意なき当敷地への進入は違法です。ただちにご退出願います。」
記者たち、不満を言いながらも去って行く。それを隠れ蓑にして、5人の少年は物陰に隠れる。

 

岸部 「葛先さん」

 

棚蔵 「はい」

 

岸部 「今後はこのような取材には応じないようにお願いします。」

 

棚蔵 「はいええ、まあ、しかし地元住民の方々にはしっかりとした」

 

コシノ「佃煮を(ソラキすぐに口をふさぐ)」

 

岸部 「、佃煮?今、誰か佃煮と言いましたか?」

 

棚蔵 「私が申し上げました。佃煮を食べさせたい。地元住民の方々に。」

 

岸部 「そうですか。それはご自由にどうぞ。」

 

棚蔵 「ありがとうございます。食べさせます。」

 

岸部 「この化学プラントの内部はGPP協定により秘密指定されておりますので、あのような敷地内の立ち入りは協定に違反する行為です。」

 

棚蔵 「ええ」

 

岸部 「もし今後も同じようなことをするのであれば、国際投資紛争解決センターにあなたを違反者として報告します」

 

棚蔵 「二度と致しません。(息子たちを気にする)」

 

岸部 「そうすることをお勧めします。協定に違反するものは第23万5683カ条その3の2、即日解雇できますので。」

 

棚蔵 「そう、なんですね」

 

岸部 「では、私はナカツ県庁に向かいます。県西部に大型のショッピングモールの出店計画が持ち上がっており、大丈夫ですか?」

 

棚蔵 「ええもちろん!ショッピングモール、いいですねえ。」

 

岸部 「では。何かあればすぐに連絡をお願いします。(去る)」

 

棚蔵 「はい(少年たちを追いかけ)こら!!ケンジン!!」

 

葛先 「はいパパ」

 

棚蔵 「何でこんなところにいるんだ!?」

 

葛先 「えーっと」

 

生方 「ほら海洋実習」

 

葛先 「そう海洋実習、合宿所がこの近所だから」

 

棚蔵 「だからって勝手に敷地に入るな。今すぐ出て行くんだ!!」

 

須永 「違うんです、俺らを助けて欲しいんです」

 

棚蔵 「助ける?」

 

コシノ「助けておくんなまし!!」

 

須永 「僕らの高校、兵隊育成の高校になるんですよ」

 

萩原 「早死にしたくない」

 

生方 「男子校になっちゃうんです」

 

道井 「インドラインベストメントのせいで。」

 

棚蔵 「そんなの、嫌なら転校するしかないだろう。」

 

道井 「そんなお金ないし」

 

棚蔵 「そんなこと言われても、私は、ただこの化学プラントを運営しているだけだ」

 

須永 「そんなの責任放棄だ」

 

葛先 「パパ、釣り針が必要なんだよ。」

 

棚蔵 「釣り針?」

 

葛先 「そう、黄金の釣り針、この先に沈んでるって。知らない?」

 

萩原 「それで学校を買い戻したいんです」

 

棚蔵 「悪ふざけもいい加減にしろ!!ケンジン」

 

葛先 「はい」

 

棚蔵 「お前は転校だ、学校には連絡しておく。」

 

葛先 「そんな」

 

棚蔵 「こんなバカどもと一緒にいるから成績が落ちて水産高校なんかに入ることになったんだ。さ、帰りなさい。(無理やりケンジンを掴んで出口へと連れて行こうとする。止めようとするスイサンズ)」

 

コシノ「てやあ!!!(棚蔵を金的)」

 

棚蔵 「ぐぼあっ、、あんた、誰?!(気絶)」

 

須永 「トメさん!!!」

 

コシノ「あたしゃね、このインドラなんたらが岬を買い取って本当に腹が立ってんだ。さ、行くよ、岬はこの先だ。」

 

生方 「トメ、惚れちまうじゃねえか」

 

萩原 「え、」

 

生方 「え、」

 

須永 「じゅ、熟女好き?」

 

生方 「バカ、ちげえよ?」

 

道井 「どうでもいいから行こう。」

 

全員 「行こう!!(全員走って行く。)」



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