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授業開始

□0 授業開始

豊玉 「はいそろそろ始めますよ。シャットアップ!そこ、静かにしなさいもう授業中よ! っていうか携帯の電源切りなさいよどこだと思ってんのここ!ターンオフヨアスマートフォンヨウファッキンイディオット!!教室は神聖な場所です!何、なんでこんな大きい部屋で合同授業なのかって?だって先生こういう大きいところ大好きなの。ようやくこんな素敵なところでやれて本当嬉しいわ!ありがとうみんなのおかげthank you。じゃなくて予算がないのよ予算が!このナカツ県乙亀市がもう借金だらけで破綻寸前だから、この学校もそのしわ寄せ食らって先生達どんどん減らされて大変なの。みんなこっそり魚民でバイトしてんのよ駅前の。え、この前行った!?あんたちょっと後で指導室来なさい。じゃ、この前の小テスト配ります。道井くん。」

 

道井 「はい」

 

豊玉 「90点」

 

生徒たち「おおー(冷やかし)」

 

豊玉 「ここ、she likes fishじゃなくて she loves fish ね。ラブ。」

 

道井 「は、はい」

 

豊玉 「葛先くん」

 

葛先 「カイッ」

 

豊玉 「カイッじゃなくてはいでしょ。75点。寅一さん」

 

寅一 「はい」

 

豊玉 「98点。」

 

生徒たち「おおー!!」

 

豊玉 「素敵ね。みんなもちょっとは見習いなさいよ。はい」

 

寅一 「あざす」

 

豊玉 「萩原くん」

 

萩原 「え、あ、はい」

 

豊玉 「32点。 何?he become full bokkoって」

 

萩原 「彼はフルボッコになった」

 

豊玉 「なめてんの英語」

 

萩原 「すみません」

 

豊玉 「生方!」

 

生方 「エリーせんせ、なんで俺呼び捨てなんすか?」

 

豊玉 「豊玉です。下の名前で呼ばないで」

 

生方 「なんすかそれ、ちょっとラブ意識してんすか?」

 

豊玉 「25点、あのさ、テスト用紙の裏にこんなもん(すごい精密なQRコード)書く暇があるなら問題解きなさいよ」

 

生方 「それ、俺のラインI.D.っす」

 

豊玉 「知らないわよ須永!!あれ、須永?!」

 

須永 「(遅れて駆け込んできて)うおおおおはい!!!!はい!はい!!!」

 

豊玉 「何遅刻してんのよ!!」

 

須永 「チャリがパンクして」

 

豊玉 「須永宇宙期、最下位15点」

 

生徒たち「(笑う)」

 

須永 「嘘だろ!!」

 

豊玉 「もう中学っていうか小学校からやり直すレベルでしょこれ。ちなみに50点以下の人は今日放課後に追試しますから。」

 

生徒たち「えー!!」

 

豊玉 「えーじゃないでしょ当然です!」

 

生徒1「部活があるんですけど」

 

生徒2「俺も」

 

豊玉 「何部?」

 

生徒1「バレーです」

 

生徒2「サイクリングです」

 

生徒3「ホストです」

 

豊玉 「そっちなんかよりこっちのほうが大事でしょ!! 水産高校だからってね、英語が必要ないなんて思ったら大間違いよ!!」

 

生徒3「でも実際使わねーし」

 

豊玉 「あのね、この先何があるかなんて誰も分からないのよ。漁船が遭難するかもしれないしこの国が滅びて難民になるかもしれないし。そしたら英語!でないと生き残れないわよ!生き残ったものが歴史を作るんだから。」

 

生徒たち「(知らねーし!みたいな騒ぎ)」

 

豊玉 「ちなみに、今日は大事な話があります。このナカツ県乙亀市立水産高校は次の夏休みが終わったら、名前が変わります。」

 

生徒たち「えー!!!」

 

豊玉 「シャットアップ!!うるっさい!!いいですか?さっき言った通りナカツ県が財政赤字でどうしようもないので、インドラインベストメントっていう素晴らしいグローバル企業さんがお金を出してくれます。」

 

生徒たち「インドラインベストメント?」

 

豊玉 「そう!で、この高校の名前は乙亀防衛人材育成きぼう高校に変わることになりました。」

 

生徒たち「防衛人材育成きぼう高校!?」

 

生徒4「水産高校じゃなくなるの?」

 

豊玉 「そうなの水産業は漁獲量も減ってぜんぜん儲からないので、今すごく需要のある防衛業界で即戦力になる人材を育てる高校ってことね。」

 

生徒5「それって、つまり兵隊の育成ってこと?」

 

豊玉 「まあ、つまるところ、そうね。」

 

生徒たち 「(騒然)」

 

豊玉 「でもねでもね、無料の海外修学旅行実習があります。年に2回も!」

 

生徒6「お!どこいくの?」

 

豊玉 「夏はソマリアで冬はシリアです。」

 

生徒たち「(一瞬考えるが)いいね?!!(などの反応)」

 

豊玉 「ちなみに言い忘れてたけど、そんな事情なのでこの高校、共学じゃなくて男子校になります。」

 

生徒たち「男子校!?!?(絶叫し、小テストを放り投げ)騒然とする」

 

須永 「ありえねえ、何もかもありえねえ!!!」

チョウザメ エツ ドロクイ カジカ 絶滅 絶滅危惧
アカメ ヨコシマイサキ アオギス ナンヨウチヌ Now 絶滅危惧 

溶けゆく日常に体ごとdive 湧き上がる屍説き伏せてfight
神々に喰われそなあの子をsave
あわよくばsex まずはじめにtouch my hand

牙をむく 海 時を裂く 君 今迫る 危機 人類滅亡
覆る 時 荒れ狂う 沖 売りはらう 武器 戦争礼賛

ヤジリスカシガイ オガサワラスガイ ヒメカノコガイ 絶滅危惧
イシマキガイ カノコガイ ハナビラガイ ムラサキガイ 絶滅危惧


放課後

○放課後

追試をしている

 

須永 「ありえねえよ!!このままじゃ絶滅だよ俺ら」

 

スイサンズ全員「絶滅!?」

 

須永 「そうだよ、」

 

道井 「防衛人材の育成、つまり兵隊になってどっかの国で戦死するか」

 

生方 「男子校で出会いのきっかけを逃して」

 

須永 「死ぬまで彼女ができないか」

 

スイサンズ全員「ぎゃー!!!」

 

萩原 「そんなの嫌だ!」

 

葛先 「交尾できないまま死ぬってことですよね」

 

須永 「そうだよ!!」

 

スイサンズ全員「したい!セックス!(などなど)」

 

生方 「お前らかわいそうだよ。童貞のまま死ぬなんてさ」

 

全員 「おおお」

 

須永 「スグルいいよな」

 

萩原 「それさ、あの、い、いつ、したの」

 

葛先 「そうそう、俺らスイサンズ唯一の経験者なんですから詳しく!」

 

生方 「あの、去年の、夏」

 

全員 「夏か?!!!」

 

葛先 「誰と?」

 

生方 「、女バレの先輩」

 

全員 「うおおおお(的な反応)」

 

生方 「もうでもその人卒業しちゃったけどな」

 

須永 「誰!?名前は」

 

生方 「あそれプライバシーあるから大人だし」

 

全員 「、、、ああプライバシーか大人だもんな(それが大人だ的な反応)」

 

生方 「いやあ凄かったぜ、昼休みこっそり部室で待ち合わせてさ、」

 

全員 「部室で!!!」

 

生方 「そう部室で、キスして、シャツのボタンを外して、、最後まで。」

 

全員 「うおおおおお!!!」

 

道井 「スグル!!」

 

生方 「え、何、マタイどうした」

 

道井 「そんな未成年が、そんなことするなんて、姦淫は罪なんだぞ!!」

 

生方 「姦淫?罪?」

 

道井 「セセックスしたりすることだよ!!(股間を押さえながら)」

 

全員 「(大笑い)」

 

葛先 「マタイだけに股痛い、なんて(すごい形相で睨まれて)ごめんなさい」

 

須永 「まあ家が教会で、父ちゃん牧師さんだもんな」

 

生方 「頭もいいのにどうして水産高校なんて入ったんだよ」

 

萩原 「マタイくんも牧師になるんじゃないの」

 

道井 「うちの教会、ほとんど人が来ないから学費が安い公立しかだめだって」

 

須永 「でももっと上の高校行けただろ」

 

道井 「まあ、キリストの使徒も12人中4人が漁師出身だし」

 

萩原 「キリストのシトって何」

 

生方 「深海魚の一種でヒラメの仲間だよ」

 

萩原 「へー」

 

道井 「違う!!」

 

須永 「とにかく、このままなんてありえねえだろ!俺ら水産高校に入ったんだぜ、なんで勝手に防衛なんたらに変えられるんだよ」

 

葛先 「パンフには、転校したいやつはすればいい、って」

 

生方 「無理だよそんなの」

 

萩原 「ずっと乙亀で育ったし、金ないし」

 

須永 「それ!足元見られてんだよ、俺ら貧乏人はさ!違うか?」

 

道井 「間違いない」

 

生方 「うちばあちゃんの年金と俺のバイトでギリギリだかんな。」

 

須永 「スグルんち親大変だよな」

 

生方 「母さん死んで、それ以来親父は酒飲んで終わってる」

 

全員 「ハードだね〜」

 

萩原 「うちは父ちゃん夜逃げして母さんピンパブだよ」

 

須永 「あれアンダソン、母さんフィリピン人だっけ?」

 

萩原 「タイだよ。仕事はフィリピンっぽくしてるって。」

 

須永 「それ違いがあんまわかんないな」

 

葛先 「みんな大変ですね」

 

生方 「ケンジンんとこ金あるんだろ、俺ら全員何とかしてくれよ」

 

葛先 「無理です無理です中産階級です。転勤も多かったし。」

 

須永 「でもスニオ岬にできた工場か何かのトップなんだろ」

 

葛先 「ええまあ。中間管理職ですよ」

 

萩原 「スニオ岬って」

 

須永 「ほら来週行く海洋実習の合宿所の近く」

 

萩原 「ああ!」

 

生方 「すげえよな、あそこ岬が全部工場の敷地になったんだろ」

 

道井 「あれもインドラインベストメントの投資事業だよ」

 

萩原 「まじで」

 

生方 「じゃケンジンはめでたく転校か」

 

葛先 「嫌ですよ!僕はスイサンズを愛してますから」

 

須永 「よく言った!」

 

葛先 「でも親からはずっと学校変えろって言われてます」

 

道井 「どうして?」

 

葛先 「父さんは水産高校なんて出来損ないが行くところだって」

 

全員 「そうだよ」

 

葛先 「違う!!父さんは貝たちのすばらしさを直に学べるこの乙亀水産の素晴らしさをこれっぽっちもわかっちゃいない!!」

 

全員 「お、おう(的な反応)」

 

葛先 「貝はエレガントな生き物なんだ。ボッティチェリの描く美の神ヴィーナスだって彼女帆立貝に乗ってるんですよ特大の!!(涙をこらえる)」

 

全員 「よくわからないけど、う、うん(的な反応)」

 

寅一 「ソラキ!!(後ろからソラキを殴る)」

 

須永 「痛って!!何すんだよ知花!」

 

寅一 「お前体育祭の実行委員だろ!昼休みの会議なにサボってんだよ」

 

須永 「やっべ!」

 

寅一 「やっべじゃねえよふざけんな(ものすごいアクション、躱すソラキ)」

 

生方 「寅一、さすが父ちゃんが元プロボクサー」

 

萩原 「しびれる」

 

葛先 「ヴィーナスだ」

 

寅一 「あん!?」

 

生方 「すみません」

 

萩原 「何でもないです」

 

寅一 「これ、体育祭応援合戦の企画と担当者、書いて来週提出。(去ろうとする)」

 

須永 「、待てよ知花」

 

寅一 「、は?」

 

須永 「体育祭秋だろ。きっとその頃もう別々だし、体育祭やるかだってわからないじゃねえか。」

 

寅一 「、知らない。そんなの関係ない。(去る)」

 

全員 「(去るのを見送って)、、、うわーーー!!!!!」

 

生方 「だーーーめだ!!男子校なんて!!転校もだめだー!!!」

 

萩原 「なんでソラキだけどつかれるんだよ」

 

葛先 「僕も殴られたい蹴られたいでも貝のように笑っていたい」

 

道井 「けどさ、夏休みが終わったら俺ら本当にもうおしまいだろ。」

 

須永 「そうだよ。一人だけ転校できたって何の意味もない。スイサンズがみんな離れ離れになっちまう。」

 

道井 「ナカツ県の財政赤字、125億円のせいで。」

 

萩原 「125おく、ひー」

 

生方 「それと引き換えに俺らの青春、つまりセックスライフが終了か」

 

須永 「終了なんかじゃない!」

 

葛先 「終了ですよ」

 

須永 「ケンジン、スグルもさ、みんなそう思ったら負けなんだよ!!」

 

生方 「そうだけどさあ」

 

須永 「俺らスイサンズの掟斉唱!」

 

生方 「その1、女子は最高」

 

全員 「女子は最高」

 

葛先 「その2、貝にやさしく」

 

全員 「貝にやさしく」

 

萩原 「その3、成績を気にするな」

 

全員 「成績を気にするな」

 

道井 「その4、人間の犯したすべての罪を背負ってゴルゴダの丘を登った神の子イエスキリストは」

 

全員 「(長い長い、それはお前の宗教だろ、など様々なツッコミが)」

 

道井 「その4、まじめに生きる」

 

全員 「まじめに生きる」

 

須永 「その5、あきらめない」

 

全員 「あきらめない」

 

須永 「だろ!?」

 

道井 「でも、俺らに何ができる」

 

須永 「、、、それはだな、わっかんねえけど」

 

全員 「何だよ!!(的な反応)」

 

豊玉 「はいあと3分で追試終了ってあんたたち何やってるの!!」

 

全員 「先生さよなら!!(など大慌てで去る5人)」

 

豊玉 「こら!!これ丸写しじゃないの待ちなさい!!」


病院の部屋

○病院の部屋

ソラキの母がテレビを見ている。
お天気キャスター「ナカツウェザーのお時間がやってまいりました。本日夕方、急遽ワタツ湾沖に極めて強い低気圧が発生、夜には県内上陸する予定です。こちら近年多発するゲリラ豪雨の一種と思われますが、近年の地球温暖化との関連性が指摘されており、各研究機関の分析が続いております。」

 

須永 「かあさん」

 

美恵子「あらおつかれさま。」

 

須永 「ミカン安かったから買ってきた」

 

美恵子「ありがとう。配達、大丈夫だった?嵐が来るみたいよ」

 

須永 「ギリギリ大丈夫だった。明日の朝がきついな。ビニール掛けがめんどくさいんだよ。」

 

美恵子「そうよねえ」

 

須永 「でも俺が配達所の中で最速だぜ。280件。」

 

美恵子「やるじゃない。」

 

須永 「でももっといける」

 

美恵子「学校は?」

 

須永 「楽しいよ。」

 

美恵子「夕方、マタイのお母さんがお祈りに来てくれたけど、今度水産高校じゃなくなるんだって?」

 

須永 「そうだよ」

 

美恵子「ひどい話だね」

 

須永 「絶対にそうはさせない」

 

美恵子「させないっったって、無理でしょ」

 

須永 「いや、学校をあいつらから買い戻すんだ。インドラなんたらから。」

 

美恵子「買い戻す?」

 

須永 「そう。」

 

美恵子「何バカなこと言ってるの、そんなことできないよ」

 

須永 「わかってるよ。でもそうでなくちゃ俺ら兵隊にされちゃうだろ」

 

美恵子「、、そんな時に、こんなですまないね。」

 

須永 「謝らなくて良いんだって」

 

美恵子「いいやあたしゃワイルドすぎたのさ。酒も男も思いっきりで後先考えずだったから。そのツケが今ごろ来たんだなって。」

 

須永 「でもおかげで俺が生まれただろ」

 

美恵子「そうよ。」

 

須永 「まあせめて父親が誰かくらいは知りたかったけどさ」

 

美恵子「すまなんだよ、もう母さんモテまくって男がわんさか寄ってきちゃったもんだから嬉しくて。次々愛しまくっちゃってね」

 

須永 「しー!!」

 

美恵子「ごめんごめん。死にぎわだと恥もかきすてな気分になっちゃうわ」

 

須永 「立つ鳥跡を濁さずだろ」

 

美恵子「そうよね(笑う)」

 

須永 「嘘、冗談だよ。絶対に死なせたりしない。」

 

美恵子「、ソラキ、お医者さんは」

 

須永 「生体肝移植とか、まだできることがある」

 

美恵子「いいのよそれだって私の場合はお金がかかるから」

 

須永 「エリア増やしてもらったんだ配達の。それでもう少し貯められる」

 

美恵子「、、ありがとうね。でも母さん、ソラキには新聞ばっか配らせないで勉強させたいの」

 

須永 「勉強なんてどうでもいいんだよ。ただ配達だけじゃラチが開かないから、みんなで大金をゲットできないか考えてるさ。母さんのことは言ってないけど」

 

美恵子「、犯罪だけは絶対にダメよ」

 

須永 「たりめーだよ、でもナカツ県の借金も125億とからしいから、並大抵のことじゃダメだ。」

 

美恵子「そうね」

 

須永 「しかも急がないといけない。学校も、母さんも。」

 

美恵子「、、、釣り針」

 

須永 「え?」

 

美恵子「あ、ううん、ふと思い出したの。乙亀の古い言い伝え。」

 

須永 「何それ」

 

美恵子「海岸沿いにスニオ岬ってあるでしょ」

 

須永 「うん」

 

美恵子「あそこの海の底に、黄金の釣り針が沈んでるんだって」

 

須永 「え、黄金の」

 

美恵子「そうしかもものすごい巨大なやつ。じいさんから小さい頃聞いたんだけど、もともとは海の神さまの持ち物なのよ。」

 

須永 「へえ」

 

美恵子「じいさんがまだ若い時、今日みたいな嵐の日に船から落ちて流されたんだって。そしたら深い海の底の方にキラキラ輝いてる何かを見たって。じいさんはそれが、海神様の釣り針だって信じてた。それ見つけて売飛ばしたら200億くらいにならないかしら、なんてね。」

 

須永 「それ、いいな。」

 

美恵子「 え」

 

須永 「ちょうど来週、海洋実習で行くんだよあの岬に。探してみる。」

 

美恵子「いや、冗談よ。単なるお話。実在なんてしないから(痛た)」

 

須永 「、ごめん、無理しないで。」

 

看護婦「須永さーん、そろそろ」

 

美恵子「はいはい。ソラキ、ありがとうね。嵐、気をつけて。」

 

須永 「どうってことないさ。おやすみ。(病室を出る)」

 

キャスター「先ほど気象庁より中津県全域に大雨、暴風、波浪、高潮警報が発表となりました。また竜巻などの発生の恐れもありますので、ワタツ湾海岸付近いにお住いの方は外出を控えるようにしてください。」


嵐の中

○嵐の中

暴風の中、海神が現れる。

海神 「愚か者ども、門を開けよ!!!」

 


カルナ「現れたぜ、お師匠」

 

ドローナ「うむ。」

 

カルナ「落ちぶれたものだな、この程度の嵐しか起こせないとは」

 


海神 「我を誰と心得る、主人の潮を忘れたというのか」

 


カルナ「あの顔見ると怒りが止まらねえ、今すぐ我が弓で」

 

ドローナ「早まるでないカルナ、我らが狙いは彼奴ではないぞなもし」

 

カルナ 「ぞなもし?え、ドローナお師匠、そういうキャラなの」

 

ドローナ「いかにも。だってお前の武術のお師匠さんじゃから。わし」

 

カルナ「そりゃそうだけど」

 

ドローナ「よってユメユメわしの言葉を軽んじてはならぬぞえ。」

 

カルナ「そんな喋り方でいいの?俺らもともとインドの神話出身でしょ」

 

ドローナ「うん、イマジネーションだからこういうの」

 

カルナ「そうですか。しかしあの調子だとせっかくの計画が無駄になる」

 

ドローナ「そのための備えじゃ(貝殻に)、もしもし、」

 

カルナ「え、それスマホ?」

 

ドローナ「(あ、通話中だから)」

 

カルナ「ごめんなさい」

 

ドローナ「じゃ発射準備おねがい、はいできたかの、では海上の緯度36度33分経度139度52分、高濃度ヨウトネウム及びテマタガス弾装填 、標的を嵐の中の戦士アルジュナ、又の名をポセイドンに定めよ。」

 

カルナ「俺らの邪魔はさせないぜ」

 

ドローナ「発射」

化学プラントよりおぞましい色のミサイル?が発射され、
嵐の中の海神に命中する。

 


海神 「ぐううああああああああああ!!!」

 


????「命中しました。父さん」

 


ドローナ「そんじゃ行くぞえ」

 

カルナ「ああ」

風は乱れ大波が海岸を襲うが、次第に収まってゆく。


実習

○実習

海洋実習。貝の缶詰加工

 

豊玉 「今日から2泊3日の海洋実習となります。あいにく先週末の嵐で、海洋実習船・乙亀丸のスクリューがやられてしまいまして、なのでうちのクラスはこちらの調理の実習に加えていただくことになりましたので宜しくお願いします。」

 

全員 「お願いします。」

 

豊玉 「教えてくださるのは地元の缶詰エキスパートでこの道40年のコシノトメさんです。」

 

コシノ「どうも」

 

豊玉 「トメさんはレペゼンスニオ岬の元海女さんですからマジディープにリスペクトしなさいよ。」

 

葛先 「なぜフリースタイルな」

 

豊玉 「返事!!」

 

全員 「はーい」

 

萩原 「船乗りたかったな?」

 

生方 「まったくだぜ」

 

豊玉 「実習終わったら速やかに合宿所に戻って掃除と夕食準備にかかるように。では宜しくお願いします。」

 

コシノ「はい、んじゃ今からアサリの佃煮つくっからね、まずダメなやつを除いて洗うから。こういう殻がダメなやつ、死んでるやつ最近増えてるから。んじゃ始め!」

 

全員、作業にかかる。

 

生方 「で、ソラキ、その黄金の釣り針ってマジなの」

 

須永 「ああ、そのはずだ」

 

道井 「そのはず?」

 

須永 「うちの曾祖父さんの話らしいから。あるかどうかなんて探さないとわからないだろ」

 

萩原 「でた!ソラキはすぐそうやってさあ」

 

道井 「どうやって探す?」

 

須永 「とりあえず岬に行ってみるしかないな。俺、けっこう潜れるから」

 

葛先 「あそこ昔潮干狩りで行きましたけど、潮の流れがキツイですよ」

 

生方 「俺、そういう危ないのはパス」

 

須永 「じゃあ、もし見つかったらどうよ。」

 

葛先 「え」

 

須永 「黄金の釣り針、巨大らしいぜ。なんとかして引き上げて、数百億円、下手したら数千億円が俺らの手に転がり込むかもしれない。」

 

道井 「まあ、そうだけど」

 

須永 「そしたら確実に学校、取り戻せる」

 

生方 「取り戻すど」

 

萩原 「ふふふふ風俗とかも行けちゃうのかな」

 

生方 「行けちゃうどころか店オープンできるよ」

 

葛先 「貝類のためのアミューズメントパーク・シェルランドも建設できますかね」

 

須永 「できる!」

 

道井 「新しい教会も」

 

須永 「建てられるよどでかいやつ」

 

全員、盛り上がる

 

コシノ「そこ!!!」

 

須永 「あ、すみません」

 

コシノ「そんな恐ろしいこと口に出しちゃいかん」

 

生方 「恐ろしいこと?」

 

コシノ「釣り針のことじゃアホタレ!!」

 

道井 「え!!何かご存知なんですか?」

 

コシノ「この海岸一体の言い伝えにな、黄金の釣り針は争いを引き起こす。だからたとえ見つけたとしても触れずに逃げるべし、とな」

 

須永 「そりゃ黄金だからだろ」

 

コシノ「ちがうわこのばーたれ!!」

 

萩原 「なんか怖いなあ」

 

生方 「元海女さんなんだろ。見たことないのかな海底で」

 

コシノ「、、、ない」

 

須永 「え、本当?」

 

コシノ「全然」

 

生方 「本当は、あるんだろ。」

 

コシノ「え」

 

生方 「言いなよトメ」

 

コシノ「何をいっとる」

 

生方 「俺、そんなトメもう見たくないよ」

 

全員 「(そうだ見たくない的なことを言う。)」

 

コシノ「そう?」

 

道井 「具体的にはどこですか?地図、持ってきたんですけど」

 

コシノ「えー、そうじゃの、確か、」

 

葛先 「あれ、何だ」

 

須永 「どうしたケンジン」

 

葛先 「アサリが、震えてる、」

 

萩原 「え?あれ、本当だ」

 

葛先 「こんなこと、みたことないぞ」

 

須永 「殻を開いたり閉じたりしてるやつもいる」

 

生方 「うわ!!いてててててて!!!!」

 

葛先 「スグル!!ちょっと!!どうしたの!?痛い!!」

 

実習室が大騒ぎに。

 

須永 「何だ何だ」

 

道井 「殻で噛み付いたんだ、軟体動物のくせに」

 

コシノ「祟りじゃ、こりゃ、祟りじゃ」

 

豊玉 「(駆け込んで)どうしたんです?ちょっと、なにこれアサリ?ちょっと大丈いたたたたたた!!!」

 

須永 「今だ」

 

全員 「え!?」

 

須永 「抜け出すチャンスだって」

 

道井 「でもまだ場所が」

 

葛先 「アサリたちが」

 

須永 「アサリはどうでもいいんだよ、トメさんを連れてこう!場所を教えてもらわなくちゃ」

 

コシノ「え?え?」

 

生方 「トメ、行こう。」

 

コシノ「は?」

 

生方 「行こう、俺と一線、超えちゃおう」

 

コシノ「え?」

 

全員で持ち上げて連れ去る

 

コシノ「ぎゃー!!!」

 

豊玉 「ちょっとどうしたのそこ!!」

 

須永 「アサリです!!トメさんにアサリが噛み付いたんです」

 

萩原 「ちょっと病院に連れて行くのかもしれない!!」

 

コシノ「何が何なの!?佃煮、佃煮つくらせろ!!」

 

豊玉 「まちなさイタタタこの味噌汁の具が!!!!!!」



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