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あやしい彼女

あやしい彼女

2016年4月1日鑑賞

オードリーか、多部ちゃんか、それが問題だ!

 

さて、いま劇場にいらっしゃる、シニアの皆様。そこのあなたですよ、あなた。

もし”映画の魔法”を「あなた自身に掛けることができる」としたらどうされますか?

1つの思考実験ですね。

仮にですよ……

もし仮にあなたが「多部未華子」のルックスと、その「はち切れんばかりの若さ」を手に入れられるとしたら……。

”イマジン”してみてください。

あなたは何をしますか?

本作はそういう映画なのです。

そんな「夢みたいなアホなこと」を”抜け抜けと”やってのけた作品なのです。

その思い切った脚本と、キレのいい演出で楽しませてくれます。

主人公は倍賞美津子さん演じる、瀬山カツさん。

イマドキの高齢者は、なんでこうも元気なんでしょうね?

カツおばあちゃんも、普段からMAXハイテンションです。

ちなみに御歳、73歳。

この人がある日、ちょっとレトロで、お洒落な写真館を見つけます。

その表に飾ってあったのが、あのオードリー・ヘプバーン様の「ご真影」

映画と言う芸術における、まさに”王女様”と言ってもいいですね。

カツおばあちゃんは、かつてオードリー主演の「ローマの休日」を観たことでしょう。

そして、どんなに、どんなに、オードリーに憧れたことでしょう。

ついフラフラと写真館に入ってしまいます。

「いらっしゃいませ」

と100万ドルの笑顔で出迎えてくれる店主。

これが「ぬっくん」こと、温水洋一さんなんですね。

この辺りのキャスティングもいいですね。

そして運命のシャッターが切られました。

パシャ!!

その時、まさに「映画の魔法」が、掛かってしまったのです。

彼女はなんと、20代の若さに戻ってしまいました。

……と、まあ、ここまでは、いわゆる「前フリ」ですな。

 

はて? いつもは痛い肩も、腰も、足も、全然だいじょうぶ。

なんだこりゃ?

カツおばあちゃん、びっくり。

体が軽いよ~、動くんだヨォォ~!

カツおばあちゃん、有頂天です。

もう、こうなったら、やりたい事、全部やり倒してやる!

まずは、このチリチリのオバはんパーマ。

この髪型をなんとかしよう。

二十歳に若返ったカツおばあちゃん。

いや、今や「カツお嬢さま」は、美容室に髪をカットしに行くんですね。

映画好きなら分かるでしょ?

オードリー・ヘップバーン演じる王女様が、こっそり街へ抜け出しましたね。

街をぶらついてローマ観光。

その時見つけたのが美容室。

美容師に髪を切ってもらう、あの名シーンの再現です。

「ローマの休日」のアン王女様は、ロングヘアがあまりお好みではありませんでした。

いちどは思いっきり、髪を短くしてみたかったのです。

ちょっとオネエっぽい美容師が、

「こんなキレイなお髪、本当に、ほんとうに、バッサリやっちゃって、よろしいのネ?」

と冷や汗をかきながら、美しいロングヘアーを

「OFF! OFF!バッサリ!!」と切り落としていくシーン。

オールドな映画ファンにとっては、もう胸が「キュンキュン」します。

その結果……。

オードリーのショートヘアーは、世界中の女性たちを虜にしました。

世界中の女性が、オードリーの髪型を真似しました。

本作でも、なんと多部未華子バージョンの「オードリー・ショートヘア」が見られるわけです。

多部ちゃんのファンとしては、これはもう、涙ものでしょう。

さて、カツおばあちゃん(いや、今やお嬢さん)には、幸恵(小林聡美)という娘がいます。

雑誌の編集やってます。仕事をバリバリやりすぎたのか、夫と別れ、シングルマザーです。

息子の「翼」(北村匠海)は、あんまり才能もないのに、バンドをやっている。

母の幸恵にとっては、我が子の将来が心配。

でも翼くん。そんな母に向かって

「シゴト? ん~、俺、やっぱ、バンドで生きていくから」

なんて夢みたいなことをほざいております。

さて、カツおばあちゃんです。

髪を切り、オードリー・ヘップバーンか? はたまた、多部未華子か? というルックスを手に入れました。

幼なじみの風呂屋の次郎さん(志賀廣太郎)の所へ、偽名を使って転がり込みます。

苦し紛れに考えた名前が「大鳥節子」(オードリーと原節子の合体?!)

この次郎おじいちゃん、若い(若く見える)カツさんを気に入って、風呂屋の二階に居候させることにします。

そんなある日のこと、商店街の「のど自慢大会」が開かれました。

次郎さんは、幼なじみとも知らないで、カツさんを、のど自慢大会に連れて行きます。

カツおばあちゃん、若返って青春を取り戻した気分です。

おもわずステージに上がり、懐かしの昭和歌謡を大熱唱。

その歌声を偶然聞いていたのが、音楽プロデューサーの小林拓人(要潤)。

高学歴、高身長、高収入

全部揃った音楽プロデューサー。

しかもイケメン。これはいけませんねぇ~。

何か危ない雰囲気がしますねぇ~。

映画のその後が気になります。

このイケメン音楽プロデューサー、若くて魅力的な「カツちゃん」が大いに気に入りました。

「存在感が素晴らしい! しかも歌がいい! これは売れる!!」と踏んだのです。

そこでカツさん、孫の翼くんたちと一緒にバンドを組み、デビューしよう、と言うお話になります。

まぁそんな訳でして、本作では多部未華子が「歌う!唄う!唱う!」

もう、たっぷりと楽しめますよ。

ロックバンドのボーカルとしての多部ちゃん。

昭和歌謡まで熱唱しちゃう多部ちゃん。

劇中歌をプロデュースしているのは小林武史さんです。

「Mr・Children」をデビューさせた人です。サザンオールスターズ、桑田佳祐さんとも関係が深い大ヒットメーカーですね。

こうなったら、多部ちゃん、デビューしちゃう?

さて本作は、オードリー・ヘップバーンという、世界的アイドル女優(もちろん実力も折紙つき)への敬愛の念が、たっぷり詰まった作品となりました。

もしあなたが「ローマの休日」という映画が好き、

あるいはバンドや、歌謡曲など、音楽好き。

なにより多部未華子ちゃんが大好き!

ならば、迷わず、映画館へ直行しなさい!!

損はしません。

エンターテイメント作品として、相当、満足度高いです。

何よりこの映画が「いいな」と僕が思う理由は、

「映画って、やっぱり魔法なんだ」ということです。

映画というのは、ほんの束の間、夢見るファンタジーでいいのだ、という事を再確認させてくれます。

フィクションとは「大嘘」です。

「うそ」丸出しです。

でも、その嘘が、とびきり魅力的な夢の世界を広げてくれるのだったら……。

スクリーンで、でっかい大嘘をついても「イイんです!」

その割り切り、開き直り。

本作の「キレの良さ」はそこから生まれたのでしょう。

久々に、映画館で楽しいひと時を過ごせました

多部ちゃんファンなら、間違いなくオススメです。

**************

天見谷行人の独断と偏見による評価(各項目☆5点満点です)

物語 ☆☆☆☆

配役 ☆☆☆☆

演出 ☆☆☆☆

美術 ☆☆☆☆

音楽 ☆☆☆☆

総合評価 ☆☆☆☆

**********

作品データ

監督   水田伸生

主演   多部未華子、倍賞美津子、要潤、小林聡美

製作   2016年

上映時間 125分

「あやしい彼女」予告編映像はこちら


奥付



2016・4月号 映画に宛てたラブレター


http://p.booklog.jp/book/105807


著者 : 天見谷行人
著者プロフィール:http://p.booklog.jp/users/mussesow/profile


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