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という事で、早速12文字に読みと意味を与えていきたいと思う。なお漢字は句点コード順、読みはなるべく訓読み、意味はヘンとツクリから類推する事にした。

 

「墸」

土ヘンに著しい。土ヘンは、地、坂、坪など、文字通り土、土地などに関連した漢字に使用される事が多い。余談だが、執が土ヘン(左上が土)だというのは、今回辞書を見て初めて知った。びっくりだ。

著は、いちじるしいと読んで、よく目立つという意味がある。

つまり土地に関連する目立つものを考えればいいわけだ。

目立つ土地ーー富士山。OK!これは一文字で「ふじさん」と読む。意味もそのまま富士山だ。(宇宙の果てには、でかいカメがいるのだ。)

「墸(ふじさん)」

 

「壥」

これも土ヘン。ツクリはカンダレの中に墨だ。ガンダレは切り立った崖を意味する。墨は書道なんかで使うスミだ。

土と崖と墨。墨のように黒々として切り立った崖のある土地。かなり恐ろし気ではないか。危険であり不気味である。

と言う事で、おどろおどろしい。送り仮名は、壥しい。(宇宙の果ては、滝になっているのだ。)

「壥しい(おどろおどろ・しい)」

 

「妛」

山と一と女である。山で一番の女と言えば、山ガールであろうか?しかし、これがくせ者で、山や海など、特殊な環境だと、容姿は三割増になると言われている。山で一番だからと言って、町に戻っても一番のままとは限らないのだ。ご用心、ご用心。

そういう意味で、あげぞこと読む事にする。(宇宙の果てには、ちっちゃいオッサンがいるのだ。)

「妛(あげぞこ)」

 


「彁」

弓ヘンは、文字通り弓を意味する。引くは弓を引くのだし、弦は弓のツルである。弘だって、弓をぐっと引っ張って広がった様をあらわしているからヒロシと読むのだ。

可は基本良い意味で使われる文字だ。昔の成績表では優良可なんて言って、ギリギリセーフみたいな印象もあるが、本来は、可は「よい」なのだ。

弓に「よい」の二段重ね。よっぽど良い弓に違いない。的には百発百中、バンバン当たるのだろう。

なので、どんぴしゃ、と読む。(宇宙の果てには……、もういいですか?。)

「彁(どんぴしゃ)」

 

「挧」

と、ここで問題が発生した。Wikipediaによれば、幽霊文字の代表格のはずの12文字なのに、「漢字源・第五版(学研)」を見ると、「挧谷(とちだに)。福井県の地名」と読みも使用例も載っているのだ。調べてみると、そういう地名があるのを地元の役所で確認されている。これだからWiki情報は鵜呑みにできない。手ヘンに羽でイカロスとか考えて損をしてしまった。

という事で「挧」は幽霊文字から除外する。

 

「暃」

日は太陽。非は、あらず。太陽では無いと言う事だ。しかし、わざわざ太陽ではないと断る以上、太陽っぽいけど、違うからねと言っているのだろう。この世に太陽っぽいものと言えば月しかない。それも、三日月や半月では太陽っぽくない。満月だろう。

「暃(まんげつ)」

 

「椢」

木ヘンは植物関連の漢字が多い。

国は、旧字が國で、或という字は武装した城下町を意味し、周りの囗は城壁だそうである。国とは、軍事力を有しているのが前提で考えられた漢字なのだ。だから国家には軍備が必要なんです、とか講演で言ってるオヂサンとか、いそうである。

それはともかく、国の植物なんだから、サクラで良いんじゃないだろうか。

 

「椢(さくら)」


「槞」

これも木ヘン。

で、竜である。竜は春分に天に昇り、秋分に淵に潜むという言葉がある。でも、春に咲いて、秋に枯れる植物なんて多すぎて特定できない。ここは、やはり竜の形状から考えるべきだろう。要するにツルとかツタとか、グルグル系の植物。

ここは、最近はやりのグリーンカーテンにあやかって、ゴーヤを選択。実もゴツゴツしていて何となく竜っぽいではないか。

「槞(ゴーヤ)」

 

「蟐」

この字も問題発生。「挧」と同じく「漢字源・第五版(学研)」に、「蟐(もみ)。アカガエル科の両生類。」と載っているのだ。しかし、出典が無い。「挧」の項で、これだからWiki情報はと書いたが、じゃあ、漢字源は鵜呑みにするのかと言えば、そうはいかないのである。「挧」の場合は地名でもあり、役所など裏付けも容易だったが、「蟐」の場合は、出典が明記されていないので、裏付けの取りようがない。

「日本国語大辞典(全13巻・小学館)」を見ても、もみは「蛙(かえる)のこと。また、それを煮て味を付けたもの」とは書かれているが、「蟐」の漢字は見当たらない。もみには、「毛瀰」という漢字が当てられている。

と言うか「それを煮て味を付けたもの」が気になって仕方ない。

とにかく、これは簡単に除外できないと判断した。

虫ヘンは、当然昆虫を中心に、小さい生き物(蛇、蜥蜴など)に関連して使われる事が多い。

常は、いつまでも変わらない事を意味する。なかなか、しぶとそうな虫である。そんな虫がいるのか?

いる!その名は「くまむし」。こいつは、体長1ミリ以下の小動物だが、水が無くなり乾燥状態になっても乾眠という状態になって、数年間飲まず食わずでも、水分を与えると再び活動しだすのだ。生存できる温度も150度以上から絶対零度までと、半端ではない。さらに放射線に対しても、人間の1000倍の耐性を持っており、宇宙空間に数日間放置しても死ななかったという実験結果さえある。なんだか同じ地球上の生き物とは思えないタフネスぶりだ。そして、日本はもちろん、世界中にいるのだ。これこそ「蟐」に字にふさわしいではないか。

 

「蟐(クマムシ)」


「袮」

この字も、またまた「漢字源・第五版(学研)」では、「袮宜谷(ねぎたに)。鳥取の地名」とある。これも除外かと考えたが「ねぎ」を普通に変換すると「祢宜」と出る。ヘンが、衣ヘンではなく示ヘンなのだ。示ヘンの方は、比較的多くの地名で使用されており、「難読・異読地名辞典(東京堂出版)」を見ても、鳥取の地名は示ヘンの祢宜谷になっている。他にも色々調べたが、鳥取だけが衣ヘンであるという裏付けは取れなかった。グレーゾーンではあるが、除外するのは躊躇われる。余談だが、示ヘンの「祢」はカタカナのネの元になった漢字だそうである。

衣ヘンは、当然衣装関連。

ツクリの方は「爾」に異字体で、「目の前の相手である、あなた(なんじ)」とか「肯定(しかり)」とか「近い、身近」といった意味がある。つまりあなたの服であり、身近な服。夫婦でTシャツを共有してる感じだろうか?

と言う事で、きまわす。送り仮名は、す。

「袮す(きまわ・す)」

 

「閠」

門がまえは、通り抜けるための狭い空間の意味。門に一本棒を置くから閂(かんぬき)である。

玉は、きれいな石を三つつなげた形から作られた漢字である。転じて貴重なもの全般を意味するようになった。掌中の玉みたいな使い方である。貴重な物が門の中にある。

そう言えば、貴重な物を門外不出と言う。と言う事は、これはその門の中にある貴重品そのものを表したと考えていいのではないだろうか。

では、おたから、で。

「閠(おたから)」

 

「駲」

馬は、動物の馬から転じて乗り物関連(駅、駐車など)に多く使われる。

州は、水流で土砂が溜まって島のようになった所である。

乗り物で水と言えば船であろう。船が溜まっているのだから、船着き場だ。

「駲(ふなつきば)」

 

 

これで「挧」を除く11文字の読みと意味が決まった。あとは、この11文字を使って文章を書けば、見事成仏である。


幽霊文字成仏用小説

シャーロック・ホームズ余話

「学者の本棚」

 

「見たまえ、ワトスン君、あれが有名な墸(ふじさん)だ」

ホームズの言葉で目を醒ました私は、慌てて汽車の窓の外を見た。

午前中、東京から見た時は、残念ながら霞に隠れて見えなかった墸(ふじさん)が、横浜に向かうこの汽車からは、はっきりと見えた。

「やあ、噂に違わず美しい山だねえ。それは、そうと、もう、横浜かい?」

ホームズは懐中時計を取り出すと、

「ああ、あと10分ほどで到着だ。この国の人々は時間に正確だから、きっと定刻に着くに違いないよ。」

そう言って、懐中時計をパチりと閉じてポケットにしまった。その懐中時計は、さる公爵夫人のスキャンダルに関係する「妛(あげぞこ)靴の男事件」を解決したおり、公爵から送られたもので、総金張りで、たいした閠(おたから)だと思うのだが、ホームズは無造作に日常用に使っていた。彼には時計の外観より、機械の正確さが大事で、この時計は正確さにおいても一級品だったのだ。

「そうか。いや、こんな寒い時期では有名な椢(さくら)の花が見られなくて残念に思っていたが、冬の墸(ふじさん)は、素晴らしいねえ。これなら寒いのを我慢して来た甲斐があったよ」

私がそう言うと、ホームズは唇の端をちょっと上げて、皮肉そうな目つきで私を見た。

「ああ、もちろん事件の解決が最優先なのは分かっているさ。だが、神秘の国を少しは楽しんだっていいじゃないか」

そう、我々は日本政府の極秘の依頼により、この国有数の学者の変死事件に調査に来たのだ。今、この国は西欧の列強諸国に肩を並べようと必死にもがいている。今回の学者怪死事件にしても、過去のように、不可思議な出来事として放置してはならないのだ。徹底的に科学捜査が行われ、合理的な解決をしなければ、先進国の仲間入りはできない。ましてや、死んだのが有名な学者であれば、なおさら海外にも報道されるだろう。だからこそ、ホームズが極秘に呼ばれたのだ。

 

やがて、列車が横浜駅に到着した。ホームズは再び懐中時計を取り出し時刻を確認すると、それを私に見せた。定刻、彁(どんぴしゃ)だ。



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