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傘はクルクル小さくなる。

何かはスッと傘をたたみ、クルクルっと小さくした。

ウ「そうやってたたむのか。」

何か「ふふっ。たたまないと風で飛ばされちゃうからね。」

ウ「飛べるのか。傘。」

何か「うん?」

ウ「今度ちゃんとお礼するね。」

何か「ふふ。気持ちだけでいいよ。さあ、おにぎりだ。今日もふたつ持ってるよ。」

ウ「お茶持って来たんだ。」

何か「おお、ありがたい。」

何かは優しくウサギにおにぎりを渡し、ウサギはそーっと入れたお茶をこぼさないように元気に何かに渡した。

 

 


ぽろぽろあわわ。

何か「今日はツナマヨにしてみたよ。」

ウ「ツナマヨ・・・。」

ウサギはおにぎりを頬張る。いつものように地味で優しい味。

ウ「ふむふむ。」

ウサギの二口目はツナマヨに到達した。ツナとマヨネーズのハーモニーはウサギに十分な旨味を与えた。

ウ「あれれ。」

幸せそうなウサギがもう一口おにぎりを食べようとすると、ツナの油でご飯粒がパラパラして、おにぎりが崩れ始めてしまった。

何か「あらら、ツナの油抜き難しいんだよね。」

ウサギは崩壊していくおにぎりをこぼさないように、さささっと食べきってしまった。

ウ「忙しかった。」

何か「ふふふ。」

 


 


あなたは誰ですか。

今日は、何かの午後の修業はお休みだそうで、そのあと二羽でのんびりできた。

天気の良い、山の頂上の昼下がり。二羽は汗もかかず、寒がってもいなかった。

ウ「あなたは誰ですか。」

おもむろにウサギは問う。

何か「・・・。」

ウ「こわい何かですか?」

何か「こわい何かではないよ。たぶん。」

ウ「うん。あなたはこわい何かではなかったね。」

何か「ふふっ。よかった。」

ウ「あなたは誰ですか?」

ウサギは問う。

何か「・・・ふふっ。」

何かは少し笑った。

 


クーたん!

何か「実は名前がないんだ。」

ウ「そうなのか。」

何か「今まで必要なかったからね。」

ウ「クーたん。」

何か「うん?」

ウ「あなたどこかクールだから、クーたんにしようよ、名前。クールのクーたん!」

何か「クーたん・・・。」

ウ「うふふふ。かっこいい。」

何か「いいのかい?そんな素敵な名前をもらって。」

ウ「クーたん!クーたん!」

ク「ありがとう!今日からクーたんになるね!」

クーたんはとても嬉しそうに、そして照れくさそうにしていた。

 


私は誰ですか。

ク「あなたには名前はあるのかい?」
ウ「ない!」
ウサギはビシッと答える。
ク「ふふ。じゃあ、今日名前をつけよう。何がいいかなぁ。」
クーたんは腕をくんで、考える。
ウ「クーたんには、どう見えてる?」
ウサギは自分を指さしてクーたんを見つめる」
ク「うーん・・・、ウサギに見えてる・・・。」
ウ「じゃ、ウサギでいいや!」
ク「あとは、うーん、うーん、うーん、元気で普通のウサギさん・・・?」
ウ「ウサギ、フツウ、ゲンキ、フツウ、ウサギ・・・それじゃ、フツウサにしようか。」
ク「フツウサか。かわいい名前だね。」
フ「うふふ・・フツウサ、フツウサー!」

 



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