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ごくごくココア。

何か「ココア・・・。」

ウ「知ってる?ココア。うんと甘いやつ。」

ウサギの目の輝きは増すばかり。

何か「うん・・・。本で読んだことはあるけど、飲んだことはないな。」

ウサギは持ってきたマグカップにそーっとココアを注ぐ。

ウ「あい!」

ウサギこぼさないように、でも元気よくマグカップを何かに渡す。

何か「ありがとう。」

何かはひとくちココアを飲む。

何か「甘いねぇ。」

ウ「うふふふ。甘いねぇ。」

何かはとにかくキラキラしているウサギを見ながら、ココアの甘さに幸せな気持ちになっていった。

 


おにぎりむぐむぐ。

何か「今日は2つともシャケにしてきたんだ。」

ウ「シャケ・・・。」

何か「うん、おいしいよ。」

何かは優しくウサギにおにぎりを渡す。

ウサギは躊躇なくおりぎりをパクリとほおばる。相変わらず、地味だけど、どこか優しくて元気の出る味だった。

ウ「ふむむ。」

ウサギの2口目はおにぎりの中のシャケに到達した。シャケの塩気はお米の優しい甘みを引き立て、ウサギに十分な旨味を与えてくれた。

ウ「おいしいね。」

何か「おいしいね。」

二羽はゆっくりとおにぎりを味わって、幸せな時間を過ごした。

何か「もう行くね。」

ウ「うん・・・ありがとう。」

何か「ありがとうね。」

何かはウサギに向かって小さく手を振って山を下りて行った。



何か、いるかな?

またとある日、今日は雨だった。

ウ「雨は嫌。」

ウサギはココアをひとくち飲んではテーブルに突っ伏し、ひとくち飲んでは突っ伏しを繰り返していた。

ウ「雨でも何かいるのかな?」

急に好奇心が湧いたウサギは、不意に立ち上がり、家のドアをバーンと開けて、雨の中をタカタカと走り出した。

 

 

 


雨でもピューッ。

いつもの時間、いつもの山道。雨で少し滑りやすくなっていたがウサギは上手に走っていた。いつもの山の頂上。何かは座っていなかった。ウサギは、とりあえず近くに落ちていた枝を踏んでみた。

バキッ!

何かは現れない。

 

 


しょぼん。

ウ「何かも雨は嫌いなのかな・・・。」

ウサギは雨の中で、なんとなく何かを待っていた。強い雨ではなかったが、ウサギは上から下まで雨で濡れてしまっていた。

ウ「お腹減った・・・。」

走る元気もなく、とぼとぼと山の頂上を去ろうとするウサギ。前方不注意で本日二度目の枝を踏む。

バキッ!

何か「やあ!」

ウ「!?」

 




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