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黄色いお花畑。

またとある晴れた日。ウサギは今日も、歩いたり走ったりしようと思って出かける。今日もどんどん行く。どうも今日の道はあの何かと遭遇した山の頂上への道につながっていそうだ。

ウ「違う道にしておこうかな・・・。」

いつも気の向くまま、何も考えずに道を進んでいる。気にかかることがあるからといって、自分の道を変えるのも何だか悔しい。ウサギは考えるのをやめて、そのまま進み続けた。

 

 

 


枝をバキッ!

ウ「あっ。」

山の頂上に、このあいだ遭遇した何かがまた座っていた。

しかし、今日はウサギの身体は止まらなかった。ずんずんとその何かに近づいていく。

ウサギは早くも遅くもない速度で進み、何かが座っている山の頂上付近で止まる。

そこで足元に転がっている大きめの枝を見つめるウサギ。そして、

バキッ!

今日は自らの意志で大きめの枝を踏み抜いた。

 

 


こわい何かですか。

山の頂上に座っていた何かが、その音に敏感に反応し、ウサギの方を見る。

何か「やあっ。」

何かはちょっとだけ手を振って、大きくも小さくもない声でとても簡単に挨拶をした。

ウ「あ、あ、あ、あなたは誰ですか?」

何か「・・・。」

ウ「こ、こ、こわい何かですか?」

何か「こわい何かではないよ、たぶん。」

 

 

 


それは何ですか。

ウサギは注意深く何かを見つめる。そしてその何かが手に持っている白い三角の物に目が釘付けになる。

何か「・・・うん?」

ウ「それは何ですか?」

ウサギは真っ直ぐ白い三角の物を指さし、何かにたずねる。

何か「これかい?これはおにぎりだよ。」

ウ「おにぎり・・・。おにぎり、おにぎりー!!」

それだけを聞くと、ウサギはタカタカと走り去ってしまった。

何か「あ・・・。またね。」

何かは小さくつぶやき、走り去るウサギの背中を見送り、ひらひらと手を振った。

 

 


あの何かはこわくない・・・。

ウサギは家に帰り、いつものようにマグカップでココアを飲んでいた。

ウ「よくわからないけど、あの何かはこわくない・・・。」

ウサギはよくわからない不思議なワクワク感を感じていて、なんだか今日は気持ちよく眠れるような気がしていた。

 

 



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