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雨は嫌なの。

ウサギは小さな家の中でイスに座って、テーブルの上でほおづえをついている。テーブルの上のマグカップの中にはココアが入っている。どうやらこのウサギは甘いものが好きらしい。

窓から見ると、今日は雨。雨が小さな家の屋根を打つ音、外の木の葉を打つ音に耳をピクピクとさせている。

ウ「雨は嫌。」

 

 

 


こんな日は早く寝るの。

時折ゴウッと強く吹く風の音があまりにもウサギを不安にさせるので、ウサギはその日のことなんか忘れて、おふとんを頭にかぶって寝てしまった。

今日がいつまで続くのかなんて知らない。明日がいつから始まるのかなんてわからない。そんな曖昧な世界での、とあるウサギの出会いと別れのお話。

 

 

 


お散歩なの。

ある日、外は晴れていた。

ウサギは歩くのが好きだ。走るのも好きだ。ウサギの日常にはわかる必要のないことがあふれているが、好きだという気持ちだけは、はっきりわかる。だからいつもスタスタと二足歩行で歩くし、いつもタカタカと二足歩行で走る。

ウサギの行動に特に目的は必要なかった。ただ歩き、ただ走る。それで充分だった。その日も歩くために歩いていたし、走るために走っていた。

 

 


何かいる!

いつもどこに行くかは決めていないが、何回かおきに同じ道も通る。その日は、何日かぶりに山の頂上への道を通っていた。

ウ「ビクッ!」

ウサギは何かに気づきびっくりして足を止める。用心深く慎重に、様子をうかがう。この前通った時にはいなかった何かが道の先にいる。

 

 

 


耳がみょーんとした白い何か。

白くてもこもこしている何か。マシュマロみたいにフワフワでさわるとたぶん柔らかい。そんな何かが山の頂上に座っている。みょーんと長いのはたぶん耳で、敏感にひくひくと動いている。

その座っている何かは、おそらく私たちの世界の言葉で表現すればウサギと呼ばれることになるだろう。

しかしこのウサギはまだウサギという言葉を知らない。

ウ「何かいる・・・。」

 

 

 




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