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ぽろぽろあわわ。

何か「今日はツナマヨにしてみたよ。」

ウ「ツナマヨ・・・。」

ウサギはおにぎりを頬張る。いつものように地味で優しい味。

ウ「ふむふむ。」

ウサギの二口目はツナマヨに到達した。ツナとマヨネーズのハーモニーはウサギに十分な旨味を与えた。

ウ「あれれ。」

幸せそうなウサギがもう一口おにぎりを食べようとすると、ツナの油でご飯粒がパラパラして、おにぎりが崩れ始めてしまった。

何か「あらら、ツナの油抜き難しいんだよね。」

ウサギは崩壊していくおにぎりをこぼさないように、さささっと食べきってしまった。

ウ「忙しかった。」

何か「ふふふ。」

 


 


あなたは誰ですか。

今日は、何かの午後の修業はお休みだそうで、そのあと二羽でのんびりできた。

天気の良い、山の頂上の昼下がり。二羽は汗もかかず、寒がってもいなかった。

ウ「あなたは誰ですか。」

おもむろにウサギは問う。

何か「・・・。」

ウ「こわい何かですか?」

何か「こわい何かではないよ。たぶん。」

ウ「うん。あなたはこわい何かではなかったね。」

何か「ふふっ。よかった。」

ウ「あなたは誰ですか?」

ウサギは問う。

何か「・・・ふふっ。」

何かは少し笑った。

 


クーたん!

何か「実は名前がないんだ。」

ウ「そうなのか。」

何か「今まで必要なかったからね。」

ウ「クーたん。」

何か「うん?」

ウ「あなたどこかクールだから、クーたんにしようよ、名前。クールのクーたん!」

何か「クーたん・・・。」

ウ「うふふふ。かっこいい。」

何か「いいのかい?そんな素敵な名前をもらって。」

ウ「クーたん!クーたん!」

ク「ありがとう!今日からクーたんになるね!」

クーたんはとても嬉しそうに、そして照れくさそうにしていた。

 


私は誰ですか。

ク「あなたには名前はあるのかい?」
ウ「ない!」
ウサギはビシッと答える。
ク「ふふ。じゃあ、今日名前をつけよう。何がいいかなぁ。」
クーたんは腕をくんで、考える。
ウ「クーたんには、どう見えてる?」
ウサギは自分を指さしてクーたんを見つめる」
ク「うーん・・・、ウサギに見えてる・・・。」
ウ「じゃ、ウサギでいいや!」
ク「あとは、うーん、うーん、うーん、元気で普通のウサギさん・・・?」
ウ「ウサギ、フツウ、ゲンキ、フツウ、ウサギ・・・それじゃ、フツウサにしようか。」
ク「フツウサか。かわいい名前だね。」
フ「うふふ・・フツウサ、フツウサー!」

 


おかしなおかしな優しいところ。

いつなのかわからない時、どこなのかわからない場所。たぶん小さな星の小さな国なのだろう。たぶん小さな町の小さな家なのだろう。その家から走ってけっこう行ったところにある山の頂上で座って話をしている不思議なふたつの何か。

 

白くてももこもこしている何か。マシュマロみたいにフワフワで、さわるとたぶん柔らかい。みょーんと長いのはたぶん耳で、敏感にひくひくと動いている。おそらく私たちの世界の言葉で表現すればウサギと呼ばれることになるだろう。

 

フ「クーたん!」

ク「なんだい?フツウサ。」

興奮冷めやらぬフツウサがクーたんに問う。

フ「フツウってなに?」

ク「・・・。」

 

そんな二羽のウサギの出会いと別れのお話。

 

第一章「春、遭遇」完

 



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