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タカタカ走れない。

晴れた日。ウサギは今日も山への道に向かって走っていた。しかし、今日はどこかおかしい。いつもなら、気持ちよくタカタカ走れるのに、今日はなんだかノソノソ走っている。

ウ「なんでだろう。」

ウサギは首を傾げながらいつもより体に力を入れて走った。

いつもより少し遅くなってしまったが、今日も何かは山の頂上に座っていた。

 

 

 



ありがとう。

何か「やあ。」

ウ「やあ。」

何か「今日はちょっとのんびりだね。」

ウ「何だかタカタカ走れなかったんだ。」

何か「うん、何だかタカタカ走れなかったんだね。」

ウ「あい。」

何か「ああ傘だね。」

ウ「ありがとう。」

何か「どういたしまして。」

 


 


傘はクルクル小さくなる。

何かはスッと傘をたたみ、クルクルっと小さくした。

ウ「そうやってたたむのか。」

何か「ふふっ。たたまないと風で飛ばされちゃうからね。」

ウ「飛べるのか。傘。」

何か「うん?」

ウ「今度ちゃんとお礼するね。」

何か「ふふ。気持ちだけでいいよ。さあ、おにぎりだ。今日もふたつ持ってるよ。」

ウ「お茶持って来たんだ。」

何か「おお、ありがたい。」

何かは優しくウサギにおにぎりを渡し、ウサギはそーっと入れたお茶をこぼさないように元気に何かに渡した。

 

 


ぽろぽろあわわ。

何か「今日はツナマヨにしてみたよ。」

ウ「ツナマヨ・・・。」

ウサギはおにぎりを頬張る。いつものように地味で優しい味。

ウ「ふむふむ。」

ウサギの二口目はツナマヨに到達した。ツナとマヨネーズのハーモニーはウサギに十分な旨味を与えた。

ウ「あれれ。」

幸せそうなウサギがもう一口おにぎりを食べようとすると、ツナの油でご飯粒がパラパラして、おにぎりが崩れ始めてしまった。

何か「あらら、ツナの油抜き難しいんだよね。」

ウサギは崩壊していくおにぎりをこぼさないように、さささっと食べきってしまった。

ウ「忙しかった。」

何か「ふふふ。」

 


 


あなたは誰ですか。

今日は、何かの午後の修業はお休みだそうで、そのあと二羽でのんびりできた。

天気の良い、山の頂上の昼下がり。二羽は汗もかかず、寒がってもいなかった。

ウ「あなたは誰ですか。」

おもむろにウサギは問う。

何か「・・・。」

ウ「こわい何かですか?」

何か「こわい何かではないよ。たぶん。」

ウ「うん。あなたはこわい何かではなかったね。」

何か「ふふっ。よかった。」

ウ「あなたは誰ですか?」

ウサギは問う。

何か「・・・ふふっ。」

何かは少し笑った。

 



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