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たたみ方不明です。

玄関にはたたみ方の分からない傘が置いてある。改めて見ると、傘には大きな星のマークがついている。

ウ「雨の日は枝二回踏むと会えるんだな。」

ウサギは今日も何だかよく眠れるような気がしてちょっと幸せな気持ちでおふとんをかぶった。

 

 

 



タカタカ走れない。

晴れた日。ウサギは今日も山への道に向かって走っていた。しかし、今日はどこかおかしい。いつもなら、気持ちよくタカタカ走れるのに、今日はなんだかノソノソ走っている。

ウ「なんでだろう。」

ウサギは首を傾げながらいつもより体に力を入れて走った。

いつもより少し遅くなってしまったが、今日も何かは山の頂上に座っていた。

 

 

 



ありがとう。

何か「やあ。」

ウ「やあ。」

何か「今日はちょっとのんびりだね。」

ウ「何だかタカタカ走れなかったんだ。」

何か「うん、何だかタカタカ走れなかったんだね。」

ウ「あい。」

何か「ああ傘だね。」

ウ「ありがとう。」

何か「どういたしまして。」

 


 


傘はクルクル小さくなる。

何かはスッと傘をたたみ、クルクルっと小さくした。

ウ「そうやってたたむのか。」

何か「ふふっ。たたまないと風で飛ばされちゃうからね。」

ウ「飛べるのか。傘。」

何か「うん?」

ウ「今度ちゃんとお礼するね。」

何か「ふふ。気持ちだけでいいよ。さあ、おにぎりだ。今日もふたつ持ってるよ。」

ウ「お茶持って来たんだ。」

何か「おお、ありがたい。」

何かは優しくウサギにおにぎりを渡し、ウサギはそーっと入れたお茶をこぼさないように元気に何かに渡した。

 

 


ぽろぽろあわわ。

何か「今日はツナマヨにしてみたよ。」

ウ「ツナマヨ・・・。」

ウサギはおにぎりを頬張る。いつものように地味で優しい味。

ウ「ふむふむ。」

ウサギの二口目はツナマヨに到達した。ツナとマヨネーズのハーモニーはウサギに十分な旨味を与えた。

ウ「あれれ。」

幸せそうなウサギがもう一口おにぎりを食べようとすると、ツナの油でご飯粒がパラパラして、おにぎりが崩れ始めてしまった。

何か「あらら、ツナの油抜き難しいんだよね。」

ウサギは崩壊していくおにぎりをこぼさないように、さささっと食べきってしまった。

ウ「忙しかった。」

何か「ふふふ。」

 


 



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