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おかしなおかしなところ。

いつなのかわからない時、どこなのかわからない場所。たぶん小さな星の小さな国なのだろう。たぶん小さな町の小さな家なのだろう。

懐かしい感覚なのか、それとも新しい感覚なのかもはっきりしない、この曖昧な世界はとてもとても小さくて、そして充分に優しい。

 

 


 

 

 


ふわふわマシュマロ。

白くてもこもこしている何か。マシュマロみたいにフワフワで、さわるとたぶん柔らかい。そんな何かが動いている。みょーんと長いのはたぶん耳で、敏感にひくひくと動いている。

その動いている何かは、おそらく私たちの世界の言葉で表現すればウサギと呼ばれることになるだろう。

てくてくと二足歩行していることに目をつむりさえすれば。

 

 

 


 


雨は嫌なの。

ウサギは小さな家の中でイスに座って、テーブルの上でほおづえをついている。テーブルの上のマグカップの中にはココアが入っている。どうやらこのウサギは甘いものが好きらしい。

窓から見ると、今日は雨。雨が小さな家の屋根を打つ音、外の木の葉を打つ音に耳をピクピクとさせている。

ウ「雨は嫌。」

 

 

 


こんな日は早く寝るの。

時折ゴウッと強く吹く風の音があまりにもウサギを不安にさせるので、ウサギはその日のことなんか忘れて、おふとんを頭にかぶって寝てしまった。

今日がいつまで続くのかなんて知らない。明日がいつから始まるのかなんてわからない。そんな曖昧な世界での、とあるウサギの出会いと別れのお話。

 

 

 


お散歩なの。

ある日、外は晴れていた。

ウサギは歩くのが好きだ。走るのも好きだ。ウサギの日常にはわかる必要のないことがあふれているが、好きだという気持ちだけは、はっきりわかる。だからいつもスタスタと二足歩行で歩くし、いつもタカタカと二足歩行で走る。

ウサギの行動に特に目的は必要なかった。ただ歩き、ただ走る。それで充分だった。その日も歩くために歩いていたし、走るために走っていた。

 

 



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