目次
妖怪マネキン 2話…「妖子のベビー誕生 妖姫」…働く女性たち 53話
1枚の写真から小説を書く・働く女性たち…「妖怪マネキン 妖子」…働く女性たち 52話
働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話
働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話
働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話
老人女装…「オカマのイナコ オカマデビユー」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 お化けの日 番外編48話
働く女性たち…「幸せを呼ぶ紅白のつつじを探す女 さつき」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 47話
働く女性たち…「企業戦士のお局さま 雅子」 会社への復讐 駆け込み寺居酒屋ポン吉 46話
働く女性たち 「パワーシャベルの女 重子」…しなやかな指先で重機は動く 45話
働く女性たち…「菜の花畑の女 真菜」いけ菜ばな イナコ流家元 駆け込み寺居酒屋ポン吉 44話
働く女性たち…「京都タクシードライバー・さくら」 さくら個人タクシー 駆け込み寺居酒屋ポン吉 43話
働く女性たち…「セリ畑の女 平時子」千年の池 駆け込み寺居酒屋ポン吉 42話
働く女性たち…「西大路オールドニューハーフクラブ」オカマのイナコ 結成6人衆 41話
働く女性たち…「衝動買いの女 梨花」 私はお礼になんでもします…駆け込み寺居酒屋ポン吉 40話
働く女性たち…「黒猫ドライバーの女 通子」巨大宅急便会社に風穴をあける 駆け込み寺居酒屋ポン吉 38話
働く女性たち…「男装の麗人 伊音」…最終処分の半額…駆け込み寺居酒屋ポン吉 39話
働く女性たち 「壬生菜古漬けの女 華子」…純京漬物の古道駅 駆け込み寺居酒屋ポン吉」37話
働く女性たち…「医療事務 詩織」…セクシーマッサージ 駆け込み寺居酒屋ポン吉」36話
働く女性たち…「無毛の女 高校女教師 純子」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 35話
働く女性たち…「雪女 ゆき」自己破産に自力で挑戦・駆け込み寺居酒屋ポン吉 34話
働く女性たち…「ダンプ姉ちゃん 理恵」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 33話
働く女性たち…「痔の女 ひふみ」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 32話
働く女性たち…「お年寄りにやさしいメンズパンツ 律子」…駆け込み居酒屋ポン吉 31話
働く女性たち…「バニーガール うさ子母娘」駆け込み居酒屋ポン吉 30話
働く女性たち…「美容師の復讐 理子」…駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉 29話
働く女性たち…「赤ちゃんポスト 涼子」(こうのとりゆりかご) 28話
働く女性たち…「風俗嬢から祇園の割烹の女将に 鮎子」駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」 27話
働く女性たち…「京のいけずに泣く女 朱美」 駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」…26話
働く女性たち…「イナリスミレ 菫という女」…駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」25話
働く女性たち…「病院検査技師 静香」…40歳の年上老人との禁じられ恋 24話・あんこう鍋
働く女性たち…「ゴミ屋敷の女 美幸」…駆け込み寺 「洋風居酒屋 ポン吉」23話
働く女性たち…「眼科医 瞳」…鋭利な剛毛は凶器にもなる」…22話
働く女性たち…「老人女装の玉ちゃん」…駆け込み寺「洋風居酒屋 ポン吉」21話
働く女性たち…「女の愛の計算は複雑怪奇 恵梨香」…駆け込み寺「洋風居酒屋 ポン吉」20話
小説…「働く女性たち」…「めんどう婚 瑠璃子」 19話~「洋風居酒屋 ポン吉」駆け込み寺 音川伊奈利
小説…「働く女性たち」…幸子の復讐 18話~「洋風居酒屋 ポン吉」駆け込み寺 音川伊奈利
働く女性たち…「中流階級の落とし穴、離婚しても地獄・紀子」 17話
その14 大型トラックドライバー 博美
その15 心の散髪 理子
その13 めがね美人 幸子
その12 昇り竜の女 竜子
その11 マネキンの真希ちゃん
その10 おとこともだち 佳織
その9 最低の女 理絵
その8 オリンピックの夢 詩織
その7 九条ネギの女社長 時子
その6 インチキ商法の大学生 歩美
その1 方向音痴の女 直美 
その2 女装イナコの初夜 織枝
その3 薬剤師の婚活 詩音
その4…ハメラレタ看護師 美樹
小説 働く女性たち その5 痛風と薬剤師 香奈
その16 おたべ本舗 双子のおたべちゃん、巫女ちゃん お正月バージョン

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妖怪マネキン 2話…「妖子のベビー誕生 妖姫」…働く女性たち 53話

妖怪マネキン 2話…「妖子のベビー誕生 妖姫」…働く女性たち 53話

 イオン稲荷店に派遣されているマネキンの妖子は同じ職場の男性マネキンと恋に落ちて妊娠をしていた。最初は「想像妊娠」だと思われていたが、同じマネキン仲間の祝福と歓声、それに妖怪力で本当の妊娠になっていた。マタニテイー用品売り場で妊婦服を着せられ立っていたこのセールの最終の夜には暗い倉庫でまた保管されていた。そしてその夜に妖子は産気づき丸々と太った元気な女の赤ちゃんを無事に産んでいた。

 この女の子の名前は「妖姫」(ヨウヒー)と名付けられてスクスクと育っていた。人間社会では「蛙の子は蛙」というが、マネキン社会では「マネキンの子はマネキン」になる。この妖姫もベビー用品売り場で毎日仕事をしていたが、この妖姫が着ているベビー服や妖姫が座っているベビーバギーが飛ぶように売れてイオンの定員はこの妖姫を「神童マネキン 妖姫様」と呼ぶようになっていた。

 この現象はベビー用品の売り場だけではなく、婦人服、紳士服など2階の直営売り場とテナントの専門店まで波及していた。さらに客が多く集まると1階の食料品売り場まで前年同月比10%増しという全国のイオンの中でもダントツのトップとなっていた。この稲荷店の店長は山下純子という50歳の女性になるが、この山下店長はなぜか妖姫が嫌いだった。それはこの稲荷店の副店長をはじめ社員、パートのすべてが、この売り上げ増は妖姫のおかげだと信じて店長の企画や商才など評価しなかったからだ。つまり、女が幹部になって一番嫌われるヒステリーという悪い病気にかかっていたのです。

 ある日、山下店長は副店長の吉川一郎に、
「あのベビー用品売り場の妖姫というマネキンを処分してください」
「て、店長…妖姫さまを処分…気は確かですか…店長」
「あのマネキンにはマネキンメーカーの製造番号も派遣元の会社も不明です。つまり、あのマネキンは誰かが勝手に持ち込んだものになります」
「それはそうですが…あのマネキンは稲荷店の売り上げ増しに大いに貢献してくれました」
「もう…副店長までそんなことを信じているのですか!すぐに処分しなさい」

 副店長はやむなく店の裏側にある「産業廃棄物」の鉄の箱に妖姫を丁寧に置いてから手を合わせていた。これを知った妖姫の母親の妖子、父親の拓也はもちろん、このイオンのすべてのマネキン仲間も店長の非道に対して涙で抗議したが店長にはそれは届かなかった。

 そのころからこの稲荷店では変な噂が流れていた。それは女性客がトイレに入り水を流すとその音が「赤ちゃんの泣き声」に聞こえるというものでした。店内のマネキンの前を通ると誰かがすすり泣いているという噂もあった。2階の売り場には専門店のマネキンも含めると約100体はあるが、どれも笑顔が消えて泣き顔になっていた。これらで稲荷店の客は目に見えるほど激減していた。

 そしてこの現象は山下店長がマネキンの妖姫を処分したというのが理由だと誰もが噂するようになっていた。このことはイオン関西本部の本部長の耳に入り、山下店長は大阪の本部に呼び出されていた。本部長は山下女史に、
「先月も先々月も前年同期の売り上げよりも20%も下げているが理由は何か?」
「それはこの連日の猛暑で客足が遠のいたからです、少し涼しくなるとまた盛り返す自信はあります」

 と、こんな調子でマネキンの妖姫を処分したことを報告しないために本部長は山下店長を降格したが、なにせこの女はプライドが高くてそのまま退職してしまった。そして稲荷店の店長には副店長の吉川が抜擢されていた。店長になった吉川は早速、産業廃棄物業者に電話をして妖姫のことを話すとその業者は、
「いや~あんまり可愛いマネキンだったので、わが社の応接室に大事に飾ってあります。このお陰かはわからないが、わが社の業績がうなぎ登りにアップして喜んでいます」

 吉川は早速新副店長と共に妖姫ちゃんを迎えに行きました。そしてその妖姫ちゃんを母親の妖子さんに抱かせると妖子の目から人間の涙があふれ流れていた。

 早速、このことは店内の放送で流されていた、
「只今、ベビー用品売り場のマネキン、妖姫ちゃんが行方不明になっていましたが、妖姫ちゃんが無事に帰ってきました。お客様はじめ、社員、スタッフの皆様には大変ご心配おかけしたことを心からお詫びいたします」

 この放送の後には吉川店長が妖姫が稲荷店の所属を示す「イオン稲荷店備品・マネキン 妖姫・第1号」というシールを妖姫の背中に貼っていた。

★…この小説は前回のその1「妖怪マネキン 妖子」を読んでいただいた「よしこさん」のコメントで「ベビー」というヒントをもらい書いたものです。さくらさんありがとうございました。


1枚の写真から小説を書く・働く女性たち…「妖怪マネキン 妖子」…働く女性たち 52話

1枚の写真から小説を書く・働く女性たち…「妖怪マネキン 妖子」…働く女性たち 52話

 あるスーパーの通路で私の前を横切った幼稚園児ぐらいの男の子が、下着売り場のセクシーな下着を着けたマネキンのパンツをスルリと脱がしたのです。さらにこの男の子は背伸びしてブラジャーを下ろそうとしたが残念ながら手が届かなかった。

 その瞬間に私はシャッターチャンスと撮ったのがこの画像になります。このマネキンさん、それから約30分はそのまま放置されてかなり恥ずかしそうにしていたが、私はパンツを履かしてあげる勇気はなかった。


★…その1枚の写真を見ながらなにか小説を書くことにした。その画像と小説がこれになります。

小説…「妖怪マネキン…妖子」…働く女性たち 52話

 妖怪の種類の中に「もののけ」という妖怪がいる。このもののけの「物」とは人間以外の物で人間が長年使ってきた生活のための道具など人が直に接して30年以上使われた物になる。これらの古い物は土蔵や納屋に大事に保管されてこそ成仏するが、中には無残にも山や森に打ち捨てられた物が「もののけ」として人間社会に化けて出てくることもある。

 これは物ではあるが、長年人間と接してきたために人間の心を宿ることになる。しかし、それは完全なものではなく姿かたちは茶釜でも手と脚があるもの、番傘の1本脚で目がひとつの妖怪が人を驚かせている。

 マネキンも人に使われた物ではあるが、元々、姿形が人そのもので人間の心を宿るには3年もかからなかった。そのマネキンを多く使っている大手のスーパーマーケットに派遣された若い女性のマネキン「妖子」は今日も女性の下着売り場でセクシーな下着で笑顔を振りまいていた。

 この下着売り場や水着売り場に派遣されるマネキンは若いはもちろん、美形で色白でスタイルは抜群でなければならないのでマネキン業界でもA級の誇りのある仕事になっていた。

 妖子はマネキン工場からこのスーパーに引き取られて3年ほど経っていた。マネキンだから歩くことも目を閉じることも出来ないが、スーパーの社員や客などと接しているうちに自然に人の心を宿るようになっていた。

 妖子の婦人服売り場の前方には通路を挟んで紳士服売り場があるが、そのメインのマネキンに「拓也」というマネキンがいた。拓也は背が高くてカジュアルものから高級スーツまでよく似合う拓也に恋をしていた。

 その拓也との距離は10メーターほどで拓也の表情なども手に取るようにわかっていた。妖子のこの日の仕事は下着のバーゲンセールでこれもメインのマネキンとして明るい照明に照らさてスターの貫禄を見せている。

 と、その時、幼稚園児ぐらいの男の子が親の目を盗んでツカツカと妖子に歩みより、セクシーなパンツをスルリと脱がしてしまった。妖子は心の中で、
「おぃおぃ、なにすんねん…恥ずかしいやんか…」
と赤面していたが、それは顔には出せなかった。それを見ていた拓也も目を伏せて見ないようにしたがこれも無理になる。

 妖子にすればすぐにでも店員に発見されてパンツを履かせてもらえると信じていたが、妖子の前を通る店員は婦人服売り場の店員ではないので「見て見ない振り」をして通り過ぎていた。下半身スッボンポンのまま約30分ほど経ってようやくパンツを履かしてもらえた。

 この婦人服、紳士服大バーゲンは本日が最終日になっている。そしてその夜には倉庫で保管されるが、これは男女別ではなく店員が適当に置いていた。妖子にすればこれが大チャンスで拓也の近くに置いてほしいと願っていたところ、これが偶然にも拓也と真向かいで妖子を抱くようにに置かれてそれは拓也の息が感じるほど近かった。

 その暗い倉庫で拓也の方が先に声をかけてくれた。それはもちろん心の中の会話になる。
「今日はお疲れさまでした…」
「はい、拓也さんも…それにしても拓也さんは人気があります」
「いや~そんなことはない、妖子さんの着ていた下着メーカーのフラワーがこのバーゲンの売り上げがトップだったと店員が話しをしていた」
「あの~その~、今日は私の恥ずかし姿をお見せして…スイマセンでした」
「…いや~あれには驚きました。でも、妖子さんの素敵なところを見せていただいて私も胸がドキドキしました」
「そんな~今でも恥ずかしくて赤面しています」
「妖子さんのそんなところが大好きです」
「わ、私も前から拓也さんをお慕いしていました」

 こうして二人は抱き合いキスをして目出度く結ばれていたのです。も、もちろん、これはこの二人の心の中のことですが、それから3日3晩二人は倉庫の中で愛を確かめあっていたが、次のセールで拓也は紳士服売り場に、妖子はなぜか婦人服売り場から外されてマタニティー用品売り場で妊婦ドレスを着せられて立っていました。そうです…この妖子さん、人間の心が宿り、人間と同じように「想像妊娠」してお腹が大きくなっていたのです。


働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話

働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話

★…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋

この黒人モデルのキャサリンとベッキーは米国の首都ワシントンD.C.の工場で製造されていた。そして日本のイオンに売られていた、そして関西の店舗に貸し出されていたが、なぜか各店舗からの派遣の要請がなくこの2人は高槻の物流センターの倉庫で裸のまま放置されていた。

この黒人のマネキンは2体しかないので倉庫でも同じ場所に置かれていたのでキャサリンもベッキーも話し相手がいつも近くにいるので寂しくはなかった。そして初夏になってからこの2人を水着のマネキンとして使いたいと京都のイオン稲荷店から要請があった。

物流センターに出入りしている運送屋の運転手が出荷伝票を持ってキャサリンとベッキーを探していたが、これは伝票に「黒人2体・キャサリン、ベッキー」と書いてあったのですぐにわかったらしい。この運転手は若い男でなかなかのハンサムだった。キャサリンらにすればもし仕事の派遣先がパラパラだったらもう二度とこの日本では会えないという心配はあったが、その運転手はまずはキャサリンを先にトラックに乗せようと左手を背中にそして右手の手の指でキャサリンのビーナスの丘を撫ぜるように持ち上げた。

キャサリンはビックリして心の中で、
「おぃおぃ、そこは女の大事なところなのに…」
とは思っていたが、そもそもこのマネキンを運ぶときはこれがベストな方法だった。続いてベッキーも同じ方法で運ばれたが、この運転手の指の動きが微妙なのに気がついていた。それはそれで心地よい快感だったが、それ以上のことを望んでもマネキンの分際では叶わないと諦めていた。

やがてトラックは高槻を出発して京都に直行するのかと思っていたら、このトラックは荷物を積んだまま運送屋のガレージに一晩泊められて明日の早朝に配達されるということになった。トラックの荷物はそんなにはなくキャサリンとベッキーは荷台の一番前にベルトで固定されていた。そしてエンジンが止まって後ろの扉が開くとさっきの若い運転手が室内の灯りを点けてこの2体のマネキンを眺めている。キャサリンもベッキーもこの男には大事なとこをもう触られているからなんとなしに親しみが沸くのはこれまた人情になる。

この男はマネキンを固定していたベルトを外すとキャサリンとベッキーを等間隔に並べて立たせている。2人とも腕は上に上げてたままのポーズだから胸も下半身も無防備のままになる。キャサリンは、
「えっ?、私はこの男に犯されるの?…まだ処女なのに…」
ベッキーは、
「えぇぇぇ…さっきの指の感触の続きをしてくれるの~ラッキー」
と、思ってはいたが、少しの不安はあった。

この男は右手をベッキーのオッパイに左手はキャサリンのオッパイと平等に愛してくれている。やがてその手は背中からヒップへと下へ下がっていく、そしてビーナスの丘も優しく撫ぜてくれているが、なにせマネキンの身分では感じることも声を出すこともできないというジレンマがまた快感と変身してそれが脳天を突き破っていた。

そしてその男はスマホで2人の写真を撮ってくれた。そして2人はまたベルトで固定されて荷台の灯は消された。そしてあくる日の早朝にトラックのエンジンがかかりやがて目的のイオン稲荷店に着いた。そして男の手はまた2人のビーナスの丘を優しく抱いて指定の場所に置いて係から受領印を貰っていた。そしてこの2人に、
「聞けばなんでも明日から水着を着せられるそうだが、明日は俺…休みになるからその水着の写真を撮りにくるは…そう、午後になるから待っててネ…」

この男の一言でキャサリンとベッキーは大喜びしていた。そしてその朝になってこの黒人のマネキンは他の白人のマネキン10体とともに水着の催し会場に運ばれていた。会場の設営には水着メーカーの社員とイオンの社員らが忙しく働いていたが、まず先に白人らの水着が着せられたが、この黒人2人への水着がなかなか決まらずそのまま裸で放置されていた。

やがて店は開店していたが、もう昼になっても裸のままでキャサリンは、
「なんぼマネキンだといっても裸で数時間も放置されるのは人権侵害になる。しかも、白人は店の開店前には水着を着せられているからこれは差別になる、このイオン稲荷店を本国の人権委員会に訴えてやる!」」
ベッキーも、
「米国のワシントンD.C.でもこの黒人差別があるが、この黄色人種の日本でも差別があるとは…なにが、お・も・て・な・しの国なの?」

この2人は時間をかなり気にしていた。それは夕べの男が午後には写真を撮りにくるといっていたが、こんな裸では恥ずかしいからだ。そしてやっとキャサリンには花柄でフリルのついたビキニ、そしてベッキーにはピンクのビキニを着せられていた。と、同時に待っていた男が笑顔で現れた。

その男は、数枚もの写真を盗み撮りしていた。それはこれらの店内では許可のない写真撮影は禁止されていたからだ。そして、
「ほう、2人ともとても良く似あっている…そそ、夕べトラックの中で撮った裸の写真は俺の宝物にする。そしてこの催しが終わったらまた俺が引き取りに来るから、そしてまたトラックの中で夕べのように遊ぼう…それまで辛いけどガンバッテ働いて…」

この男の一言を聞いた2人は心の中で涙を流していた。さらにこの男は2人に、
「この催し会場の入り口のメインに2人は飾られているのでこの催しのシンボル的なマネキンになる。だから2人とも俺が迎えに来るまでは笑顔を絶対に忘れないように」
これを聞いた2人は、
「そうだったの…差別で放置ではなく私たちに一番似合う水着を探してくれていたのね…」


★…画像はそのイオン稲荷店で盗み撮りをしたキャサリンとベッキーのマネキン


働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話

この小説へのお問い合わせは、kyotoinari@softbank.ne.jp

ご意見は、音川伊奈利の掲示板へ http://9124.teacup.com/kyototaxi/bbs?

 

働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話

 音吉が朝の散歩をしている途中の西大路九条交差点のマンションに植えられているサザンカの花を写真に撮っていた。その時若くて綺麗な女性から、
「あの~これは椿ですか?」
「いえ、これは秋から冬にかけて咲くサザンカです、椿は冬から春に咲きます」
「そうでしたか~私の名前は椿なのにそんなことも知らないで恥ずかしいです…」
「ほぅ、椿さんとは素敵な名前だ!。これから出勤ですか?」
「はい、それも今日が最後で…」
「あらら、まだお若いのに寿退社ですか?」
「いえ、それならいいですが…色々あって…」
「もしなにか事情があるならお聞かせください、お役に立てるかはかりませんが…私はこの先の、西大路駅近くで居酒屋をやっていますから帰りにでも寄ってください」
「はい、マスターさんですね、退社の時に時々お顔を拝見させていただいています」

 その日の午後6時前には椿さんが店に来た。
音吉は若い女性の悩みはすべてママの幸子に丸投げをしていた。その幸子に椿は悩みを訴えていた。椿は色白で背も高く長い黒髪が似合う美人で一流製薬会社のOLだった。その椿は兵庫県の高校を卒業した後に京都の私立大学に入学したが、ホームシックからかすぐに同じ大学の学生の恋人ができていた。学生生活も派手になっていく一方で時給850円のコンビニのアルバイトからより高収入のスナックのホステスになっていた。大人の世界に首を突っ込んだ椿は恋人のたよりなさが目に付き彼とは別れていた。

 そこまで話をした時にこの店の常連の武田が大きなクーラーボックスを持って現れた。この武田は釣りが好きで今日も釣りをして釣ってきたタチウオを自慢している。
「どや、ママ、このタチウオは105cmの大物で今日の釣り大会で優勝した」
「あらら、珍しいいつもは坊主ばかりなのに、しかし、この大きなタチウオは私もさばくのは初めてよ…」

 その話を聞いていた椿は、
「ママさん、そのタチウオは父が良く釣ってきたので私がさばけます」
こうして椿はカウンターの中に入り手際よく料理していた。このお刺身を食べていたが、店に客が立て込んできてママも音吉も椿の悩みを聞くチャンスがなかった。そこで音吉は武田に、
「この椿さんの悩みを聞いてあげてほしい、カウンターでは不味いからテーブル席に移動しては…」

 武田は65歳で製薬会社の営業をしていたが、定年後はその会社の関連会社の取締役として働いていた。妻とは離婚して今は一人で暮らしている。その定年前の会社というのが椿が今日まで勤めていた製薬会社という奇遇から武田と椿は意気投合していた。椿は武田に相談をしている、
「そのスナックよりももっと高収入になると女子学生仲間から風俗に誘われて私はそこを1年ほど勤めてからこの会社に就職をしたのですが、その時の常連客がたまたま就職した製薬会社にいたのです」
「しかし、あんな風俗では素顔ではなく濃い化粧をしているのでは…」
「はい、それが私の右側の耳の下の首に黒い黒子が二つ並んでいるのです。その社員は店の待合室に飾ってある濃い化粧の写真をいつのまにか撮っていてその写真にもその黒子があったのです。ある時、その社員にその写真を見せられて、君は木屋町のヘルスにいた「サザンカ」に間違いがないというのです」
「ほう、そんなこともあるのか…?…それで椿さんはサザンカさんだったの?」
「はい、その通りですが、もちろん私は違うといいましたが、その噂が社内中に広がって私は今日退職をしてきたのです」

 武田と椿はもう白ワインのボトル3本目で椿の色白の肌がピンクに染まってきた。そして武田が、
「その常連の男からなにか脅迫でも…」
「はい、その男は私にヘルスと同じサービスをしてくれたらこのことは内緒にするとメールがありました。もちろん断りましたが、男は納得せず社内に噂を広めた卑怯者です。この男は経理部の係長の30歳で同じ会社に勤めている専務の孫娘と婚約していました。社内では逆玉の輿として将来を約束されて来週の土曜日に結婚式を予定しています」
「ほう、あの専務は次期社長になるが、その孫娘の婿となるとすぐに経理課長か部長が約束されている」
「はい、その通りです。そこで私はその婚約者の孫娘に今日の退社時に今までの経緯を書いた手紙を手渡してきました」
「ほう…復讐ですか…?」

 この話の途中にその婚約者から椿に電話があった。椿は相手の質問に答えている様子だが、その電話は3分ほどで切られていた。そして椿は、
「あの手紙を専務にも見せたそうです。そして婚約は破棄されて彼は明日付で懲戒解雇されるそうです」
「ほう、見事な復讐劇になった、おめでとう~!、ところで椿さんは魚のさばき方が上手いが、実家は料理屋さんですか?」
「あら、自己紹介が遅くなってすいません。私は河原崎椿で兵庫県西宮の今津港で育ちました。実家は元々漁師だったのですが、今では釣り船と民宿「河原崎 祥豊丸」を経営しています」
「えぇぇぇ~実はそのタチウオを釣ったのは祥豊丸です。その民宿ももう何回も泊まっているし、それに次の土曜日にも予約を入れています」
「へえ~祥豊丸の船長は私の兄です…そんな人に私の過去の過ちの話をしてしまった…」
「いゃいゃ、私は彼と違って脅迫はしませんから安心してください」
「でも…それでは私の気がすみません…」

 そこにママの幸子が口を挟んできた。
「たけちゃん~椿さんはたけちゃんに色々話を聞いてもらって気が晴れ晴れしているのよ…こんな日は女って優しい男性に抱かれたいものよ…」
「いゃいゃ、俺は…もう65歳で…こんな若い娘をどうこうする気は…」
「何をいっているの、たけちゃんが私を抱きたいといつも愛のメールをしてくれるけどあれは嘘だったの?」
「いゃ~何もそんなことを椿さんの前で…」

 椿はこのママと武田の話を笑って聞いていたが、
「たけちゃん…なにも心配しないで私がサービスをしますから、それに私も実家に会社を辞めたことを報告しに帰りますから一緒に車に乗せてほしいの…」

ママの幸子は武田に、
「今夜はたけちゃんの自宅?それともラブホテル?、ラブホテルならタクシーを呼びますが…」
たけちゃんは顔を真っ赤にしてママに、
「ラ、ラブホテル…ママ、今日の昼間は釣り大会で優勝、そして夜も空前の大漁…」
「そう、大漁旗とアッチも起ててネ…たけちゃん」


★…画像は105cmのタチウオを釣った、たけちゃん。サザンカの花

 


働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話

働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話

音吉は1階のベランダで「チュンチュン」と騒ぐ雀の鳴き声で目が覚めた。薄目を開けて窓を見るとまだ薄暗いから5時前だと判断したが、これはまだ起きるのは早いと目を閉じた。するとすぐに寝付いたが、やがて夢の中にいるような気分になりなにやら夢を見ていた。この音吉は夢の中の出来事を一生懸命覚えてそれを小説のネタにするクセがあった。つまり、「夢の中でこれは夢を見ているのでこのシーンをはっきり覚えておこう」といつも脳に言い聞かせていた。

そしてこの早朝の夢もそうであった。夢の中には真っ白な生地に青い竹の笹が描かれた和服の若い美女が出て来た。その美女は朱雀子(すずこ)と自己紹介している、そして、
「音吉さん、音吉さんはたしかブログや電子書籍で小説を書いていますよね~」
「はい、今は連載でこの「働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉」と「伏見稲荷大社の物語」の2本を書いています」
「そう、その伏見稲荷大社の物語の話なんですが、そこには雀は稲穂を食い荒らす農民にとっては害鳥と書いてありました。そしてその害鳥の雀を捕獲して食べる「焼き鳥」が伏見稲荷大社の名物だと書かれていますがそれは間違いになります」
「ほう、しかし、稲穂を荒らすことには間違いはない」
「いぇ、私ら雀は稲穂は食べません。それはまだ熟していない稲穂は殻が固くてたべられないのです。そこで収穫の時の落穂を拾って食べているたけです」
「そうでしたか~」
「はい、それだけではなく私たち雀の主食は稲に悪い影響をもたらす虫を食べています。一羽の雀が生涯に捕獲する農民にとっての害虫を約100万匹は食べていますからもし雀がいなければお米の収穫も約半分にしかなりません」
「ほう、それは初耳になる。雀は稲作にとっては害鳥としか思っていなかった」

「はい、昨今流行っている無農薬の稲作には私たち雀や他の小鳥がいなければ一粒のお米もできません」

音吉は夢の中だから寝たままの会話でしかも目はつむっている。さらに朱雀子は、
「今年の冬は珍しく京都は雪の日が多かったのです。ただでさえ冬は虫もいません、食べるのは雑草の種だけですが、その種も雪では見つけられませんでした。私たち雀というのは丸1日もなにも食べなければ死んでしまいます。そんな折に音吉さんは私たちに毎日パンくずを与えてくれました」

この音吉は毎朝行くパン喫茶から食パンの耳をもらっていた。それを細かく刻んで雀というより小鳥に与えていたのだ。そしてこの朝もこの小鳥たちのさわぐ声で目が覚めていた。さらに朱雀子は、
冬場には雀の約半分が栄養失調で死んでしまうのですが、あのパンは雑草の種や虫などの栄養価の5倍は栄養があって、この地域の雀は音吉さんのパンくずをそれぞれ巣に持ち帰り赤ちゃんやお年寄りの雀に分け与えていました。おかげさまで私たちは辛い冬を生き延びこうして春を迎えられました」

その朱雀子はここまで一気に話をしてからスルスルと着物を脱いで真っ赤な長襦袢姿で音吉のベッドに入って来た。音吉の脳は働いているが、身体は「金縛り」になっているのか身動きはまったくできない。やがて音吉は今まで体験したことがないほどの快感を全身で感じていた。もちろんこれが夢の中だということを音吉が音吉にいい聞かしてはいるが、その得体のしれない全身を貫く快感には降参をしておもわず歓喜の声を上げていた。

音吉が二度寝から目が覚めたのは6時だった、ベランダでは相変わらず雀たちがパンくずの餌を待ってるのか、催促をしているのか騒いでいる。音吉はまな板の上にパンの耳を並べて細かく切りながらさっきの夢を思い出していた。たしかにまだ股間にはそんな快感の後の余韻はたしかにあることはあるが、と思いながら餌をお皿に入れて雀にやると一斉に飛びついてきた。

と、その中に珍しい白い雀が一羽混じっていた。その白い雀と目が合った瞬間に音吉の脳に、
「音吉さん、さっきはどうもありがとうございました」
と聞こえるではないかい、その音吉も口にはださないがテレパシーで、
「いぇ、こちらこそありがとうございました」
「もし私でよかったらいつでも…今度は夜にうかがいます」
「それはそれは…ありがとうごさいます」

こんな会話を白い雀としていると携帯電話が鳴った。音吉はあわて電話を取るとそれはパン喫茶のママからで、
「もしもし、音吉どん…生きていますか~」
「あっ、はいはい、生きていますよ~」
「どうしたのいつも7時には来るのに…もう8時よっ!」
「えっ?、そうか~二度寝に三度寝をしていたのか…それにしてもいい夢だった…」
「あらら、そんないい夢を見ていたの?、相手は誰なの?」
「いゃ~雀の…それがあのパンの耳を雀にやっていると…」
「あらら、それって雀の恩返しではないの…ホホホ、そのパンは私のだから、音吉さんは私にもそれと同じことの恩返しをしてくれる?」
「………………」



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