目次
働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話
働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話
働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話
老人女装…「オカマのイナコ オカマデビユー」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 お化けの日 番外編48話
働く女性たち…「幸せを呼ぶ紅白のつつじを探す女 さつき」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 47話
働く女性たち…「企業戦士のお局さま 雅子」 会社への復讐 駆け込み寺居酒屋ポン吉 46話
働く女性たち 「パワーシャベルの女 重子」…しなやかな指先で重機は動く 45話
働く女性たち…「菜の花畑の女 真菜」いけ菜ばな イナコ流家元 駆け込み寺居酒屋ポン吉 44話
働く女性たち…「京都タクシードライバー・さくら」 さくら個人タクシー 駆け込み寺居酒屋ポン吉 43話
働く女性たち…「セリ畑の女 平時子」千年の池 駆け込み寺居酒屋ポン吉 42話
働く女性たち…「西大路オールドニューハーフクラブ」オカマのイナコ 結成6人衆 41話
働く女性たち…「衝動買いの女 梨花」 私はお礼になんでもします…駆け込み寺居酒屋ポン吉 40話
働く女性たち…「黒猫ドライバーの女 通子」巨大宅急便会社に風穴をあける 駆け込み寺居酒屋ポン吉 38話
働く女性たち…「男装の麗人 伊音」…最終処分の半額…駆け込み寺居酒屋ポン吉 39話
働く女性たち 「壬生菜古漬けの女 華子」…純京漬物の古道駅 駆け込み寺居酒屋ポン吉」37話
働く女性たち…「医療事務 詩織」…セクシーマッサージ 駆け込み寺居酒屋ポン吉」36話
働く女性たち…「無毛の女 高校女教師 純子」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 35話
働く女性たち…「雪女 ゆき」自己破産に自力で挑戦・駆け込み寺居酒屋ポン吉 34話
働く女性たち…「ダンプ姉ちゃん 理恵」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 33話
働く女性たち…「痔の女 ひふみ」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 32話
働く女性たち…「お年寄りにやさしいメンズパンツ 律子」…駆け込み居酒屋ポン吉 31話
働く女性たち…「バニーガール うさ子母娘」駆け込み居酒屋ポン吉 30話
働く女性たち…「美容師の復讐 理子」…駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉 29話
働く女性たち…「赤ちゃんポスト 涼子」(こうのとりゆりかご) 28話
働く女性たち…「風俗嬢から祇園の割烹の女将に 鮎子」駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」 27話
働く女性たち…「京のいけずに泣く女 朱美」 駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」…26話
働く女性たち…「イナリスミレ 菫という女」…駆け込み寺「洋風居酒屋ポン吉」25話
働く女性たち…「病院検査技師 静香」…40歳の年上老人との禁じられ恋 24話・あんこう鍋
働く女性たち…「ゴミ屋敷の女 美幸」…駆け込み寺 「洋風居酒屋 ポン吉」23話
働く女性たち…「眼科医 瞳」…鋭利な剛毛は凶器にもなる」…22話
働く女性たち…「老人女装の玉ちゃん」…駆け込み寺「洋風居酒屋 ポン吉」21話
働く女性たち…「女の愛の計算は複雑怪奇 恵梨香」…駆け込み寺「洋風居酒屋 ポン吉」20話
小説…「働く女性たち」…「めんどう婚 瑠璃子」 19話~「洋風居酒屋 ポン吉」駆け込み寺 音川伊奈利
小説…「働く女性たち」…幸子の復讐 18話~「洋風居酒屋 ポン吉」駆け込み寺 音川伊奈利
働く女性たち…「中流階級の落とし穴、離婚しても地獄・紀子」 17話
その14 大型トラックドライバー 博美
その15 心の散髪 理子
その13 めがね美人 幸子
その12 昇り竜の女 竜子
その11 マネキンの真希ちゃん
その10 おとこともだち 佳織
その9 最低の女 理絵
その8 オリンピックの夢 詩織
その7 九条ネギの女社長 時子
その6 インチキ商法の大学生 歩美
その1 方向音痴の女 直美 
その2 女装イナコの初夜 織枝
その3 薬剤師の婚活 詩音
その4…ハメラレタ看護師 美樹
小説 働く女性たち その5 痛風と薬剤師 香奈
その16 おたべ本舗 双子のおたべちゃん、巫女ちゃん お正月バージョン

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働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話

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働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉「サザンカの女 椿」…51話

 音吉が朝の散歩をしている途中の西大路九条交差点のマンションに植えられているサザンカの花を写真に撮っていた。その時若くて綺麗な女性から、
「あの~これは椿ですか?」
「いえ、これは秋から冬にかけて咲くサザンカです、椿は冬から春に咲きます」
「そうでしたか~私の名前は椿なのにそんなことも知らないで恥ずかしいです…」
「ほぅ、椿さんとは素敵な名前だ!。これから出勤ですか?」
「はい、それも今日が最後で…」
「あらら、まだお若いのに寿退社ですか?」
「いえ、それならいいですが…色々あって…」
「もしなにか事情があるならお聞かせください、お役に立てるかはかりませんが…私はこの先の、西大路駅近くで居酒屋をやっていますから帰りにでも寄ってください」
「はい、マスターさんですね、退社の時に時々お顔を拝見させていただいています」

 その日の午後6時前には椿さんが店に来た。
音吉は若い女性の悩みはすべてママの幸子に丸投げをしていた。その幸子に椿は悩みを訴えていた。椿は色白で背も高く長い黒髪が似合う美人で一流製薬会社のOLだった。その椿は兵庫県の高校を卒業した後に京都の私立大学に入学したが、ホームシックからかすぐに同じ大学の学生の恋人ができていた。学生生活も派手になっていく一方で時給850円のコンビニのアルバイトからより高収入のスナックのホステスになっていた。大人の世界に首を突っ込んだ椿は恋人のたよりなさが目に付き彼とは別れていた。

 そこまで話をした時にこの店の常連の武田が大きなクーラーボックスを持って現れた。この武田は釣りが好きで今日も釣りをして釣ってきたタチウオを自慢している。
「どや、ママ、このタチウオは105cmの大物で今日の釣り大会で優勝した」
「あらら、珍しいいつもは坊主ばかりなのに、しかし、この大きなタチウオは私もさばくのは初めてよ…」

 その話を聞いていた椿は、
「ママさん、そのタチウオは父が良く釣ってきたので私がさばけます」
こうして椿はカウンターの中に入り手際よく料理していた。このお刺身を食べていたが、店に客が立て込んできてママも音吉も椿の悩みを聞くチャンスがなかった。そこで音吉は武田に、
「この椿さんの悩みを聞いてあげてほしい、カウンターでは不味いからテーブル席に移動しては…」

 武田は65歳で製薬会社の営業をしていたが、定年後はその会社の関連会社の取締役として働いていた。妻とは離婚して今は一人で暮らしている。その定年前の会社というのが椿が今日まで勤めていた製薬会社という奇遇から武田と椿は意気投合していた。椿は武田に相談をしている、
「そのスナックよりももっと高収入になると女子学生仲間から風俗に誘われて私はそこを1年ほど勤めてからこの会社に就職をしたのですが、その時の常連客がたまたま就職した製薬会社にいたのです」
「しかし、あんな風俗では素顔ではなく濃い化粧をしているのでは…」
「はい、それが私の右側の耳の下の首に黒い黒子が二つ並んでいるのです。その社員は店の待合室に飾ってある濃い化粧の写真をいつのまにか撮っていてその写真にもその黒子があったのです。ある時、その社員にその写真を見せられて、君は木屋町のヘルスにいた「サザンカ」に間違いがないというのです」
「ほう、そんなこともあるのか…?…それで椿さんはサザンカさんだったの?」
「はい、その通りですが、もちろん私は違うといいましたが、その噂が社内中に広がって私は今日退職をしてきたのです」

 武田と椿はもう白ワインのボトル3本目で椿の色白の肌がピンクに染まってきた。そして武田が、
「その常連の男からなにか脅迫でも…」
「はい、その男は私にヘルスと同じサービスをしてくれたらこのことは内緒にするとメールがありました。もちろん断りましたが、男は納得せず社内に噂を広めた卑怯者です。この男は経理部の係長の30歳で同じ会社に勤めている専務の孫娘と婚約していました。社内では逆玉の輿として将来を約束されて来週の土曜日に結婚式を予定しています」
「ほう、あの専務は次期社長になるが、その孫娘の婿となるとすぐに経理課長か部長が約束されている」
「はい、その通りです。そこで私はその婚約者の孫娘に今日の退社時に今までの経緯を書いた手紙を手渡してきました」
「ほう…復讐ですか…?」

 この話の途中にその婚約者から椿に電話があった。椿は相手の質問に答えている様子だが、その電話は3分ほどで切られていた。そして椿は、
「あの手紙を専務にも見せたそうです。そして婚約は破棄されて彼は明日付で懲戒解雇されるそうです」
「ほう、見事な復讐劇になった、おめでとう~!、ところで椿さんは魚のさばき方が上手いが、実家は料理屋さんですか?」
「あら、自己紹介が遅くなってすいません。私は河原崎椿で兵庫県西宮の今津港で育ちました。実家は元々漁師だったのですが、今では釣り船と民宿「河原崎 祥豊丸」を経営しています」
「えぇぇぇ~実はそのタチウオを釣ったのは祥豊丸です。その民宿ももう何回も泊まっているし、それに次の土曜日にも予約を入れています」
「へえ~祥豊丸の船長は私の兄です…そんな人に私の過去の過ちの話をしてしまった…」
「いゃいゃ、私は彼と違って脅迫はしませんから安心してください」
「でも…それでは私の気がすみません…」

 そこにママの幸子が口を挟んできた。
「たけちゃん~椿さんはたけちゃんに色々話を聞いてもらって気が晴れ晴れしているのよ…こんな日は女って優しい男性に抱かれたいものよ…」
「いゃいゃ、俺は…もう65歳で…こんな若い娘をどうこうする気は…」
「何をいっているの、たけちゃんが私を抱きたいといつも愛のメールをしてくれるけどあれは嘘だったの?」
「いゃ~何もそんなことを椿さんの前で…」

 椿はこのママと武田の話を笑って聞いていたが、
「たけちゃん…なにも心配しないで私がサービスをしますから、それに私も実家に会社を辞めたことを報告しに帰りますから一緒に車に乗せてほしいの…」

ママの幸子は武田に、
「今夜はたけちゃんの自宅?それともラブホテル?、ラブホテルならタクシーを呼びますが…」
たけちゃんは顔を真っ赤にしてママに、
「ラ、ラブホテル…ママ、今日の昼間は釣り大会で優勝、そして夜も空前の大漁…」
「そう、大漁旗とアッチも起ててネ…たけちゃん」


★…画像は105cmのタチウオを釣った、たけちゃん。サザンカの花

 


働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話

働く女性たち…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋・駆け込み寺居酒屋ポン吉 50話

★…黒人マネキン、キャサリンとベッキーの恋

この黒人モデルのキャサリンとベッキーは米国の首都ワシントンD.C.の工場で製造されていた。そして日本のイオンに売られていた、そして関西の店舗に貸し出されていたが、なぜか各店舗からの派遣の要請がなくこの2人は高槻の物流センターの倉庫で裸のまま放置されていた。

この黒人のマネキンは2体しかないので倉庫でも同じ場所に置かれていたのでキャサリンもベッキーも話し相手がいつも近くにいるので寂しくはなかった。そして初夏になってからこの2人を水着のマネキンとして使いたいと京都のイオン稲荷店から要請があった。

物流センターに出入りしている運送屋の運転手が出荷伝票を持ってキャサリンとベッキーを探していたが、これは伝票に「黒人2体・キャサリン、ベッキー」と書いてあったのですぐにわかったらしい。この運転手は若い男でなかなかのハンサムだった。キャサリンらにすればもし仕事の派遣先がパラパラだったらもう二度とこの日本では会えないという心配はあったが、その運転手はまずはキャサリンを先にトラックに乗せようと左手を背中にそして右手の手の指でキャサリンのビーナスの丘を撫ぜるように持ち上げた。

キャサリンはビックリして心の中で、
「おぃおぃ、そこは女の大事なところなのに…」
とは思っていたが、そもそもこのマネキンを運ぶときはこれがベストな方法だった。続いてベッキーも同じ方法で運ばれたが、この運転手の指の動きが微妙なのに気がついていた。それはそれで心地よい快感だったが、それ以上のことを望んでもマネキンの分際では叶わないと諦めていた。

やがてトラックは高槻を出発して京都に直行するのかと思っていたら、このトラックは荷物を積んだまま運送屋のガレージに一晩泊められて明日の早朝に配達されるということになった。トラックの荷物はそんなにはなくキャサリンとベッキーは荷台の一番前にベルトで固定されていた。そしてエンジンが止まって後ろの扉が開くとさっきの若い運転手が室内の灯りを点けてこの2体のマネキンを眺めている。キャサリンもベッキーもこの男には大事なとこをもう触られているからなんとなしに親しみが沸くのはこれまた人情になる。

この男はマネキンを固定していたベルトを外すとキャサリンとベッキーを等間隔に並べて立たせている。2人とも腕は上に上げてたままのポーズだから胸も下半身も無防備のままになる。キャサリンは、
「えっ?、私はこの男に犯されるの?…まだ処女なのに…」
ベッキーは、
「えぇぇぇ…さっきの指の感触の続きをしてくれるの~ラッキー」
と、思ってはいたが、少しの不安はあった。

この男は右手をベッキーのオッパイに左手はキャサリンのオッパイと平等に愛してくれている。やがてその手は背中からヒップへと下へ下がっていく、そしてビーナスの丘も優しく撫ぜてくれているが、なにせマネキンの身分では感じることも声を出すこともできないというジレンマがまた快感と変身してそれが脳天を突き破っていた。

そしてその男はスマホで2人の写真を撮ってくれた。そして2人はまたベルトで固定されて荷台の灯は消された。そしてあくる日の早朝にトラックのエンジンがかかりやがて目的のイオン稲荷店に着いた。そして男の手はまた2人のビーナスの丘を優しく抱いて指定の場所に置いて係から受領印を貰っていた。そしてこの2人に、
「聞けばなんでも明日から水着を着せられるそうだが、明日は俺…休みになるからその水着の写真を撮りにくるは…そう、午後になるから待っててネ…」

この男の一言でキャサリンとベッキーは大喜びしていた。そしてその朝になってこの黒人のマネキンは他の白人のマネキン10体とともに水着の催し会場に運ばれていた。会場の設営には水着メーカーの社員とイオンの社員らが忙しく働いていたが、まず先に白人らの水着が着せられたが、この黒人2人への水着がなかなか決まらずそのまま裸で放置されていた。

やがて店は開店していたが、もう昼になっても裸のままでキャサリンは、
「なんぼマネキンだといっても裸で数時間も放置されるのは人権侵害になる。しかも、白人は店の開店前には水着を着せられているからこれは差別になる、このイオン稲荷店を本国の人権委員会に訴えてやる!」」
ベッキーも、
「米国のワシントンD.C.でもこの黒人差別があるが、この黄色人種の日本でも差別があるとは…なにが、お・も・て・な・しの国なの?」

この2人は時間をかなり気にしていた。それは夕べの男が午後には写真を撮りにくるといっていたが、こんな裸では恥ずかしいからだ。そしてやっとキャサリンには花柄でフリルのついたビキニ、そしてベッキーにはピンクのビキニを着せられていた。と、同時に待っていた男が笑顔で現れた。

その男は、数枚もの写真を盗み撮りしていた。それはこれらの店内では許可のない写真撮影は禁止されていたからだ。そして、
「ほう、2人ともとても良く似あっている…そそ、夕べトラックの中で撮った裸の写真は俺の宝物にする。そしてこの催しが終わったらまた俺が引き取りに来るから、そしてまたトラックの中で夕べのように遊ぼう…それまで辛いけどガンバッテ働いて…」

この男の一言を聞いた2人は心の中で涙を流していた。さらにこの男は2人に、
「この催し会場の入り口のメインに2人は飾られているのでこの催しのシンボル的なマネキンになる。だから2人とも俺が迎えに来るまでは笑顔を絶対に忘れないように」
これを聞いた2人は、
「そうだったの…差別で放置ではなく私たちに一番似合う水着を探してくれていたのね…」


★…画像はそのイオン稲荷店で盗み撮りをしたキャサリンとベッキーのマネキン


働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話

働く女性たち…「雀の恩返し 朱雀子」 雀は益虫で稲作や農民の味方・駆け込み寺居酒屋ポン吉 49話

音吉は1階のベランダで「チュンチュン」と騒ぐ雀の鳴き声で目が覚めた。薄目を開けて窓を見るとまだ薄暗いから5時前だと判断したが、これはまだ起きるのは早いと目を閉じた。するとすぐに寝付いたが、やがて夢の中にいるような気分になりなにやら夢を見ていた。この音吉は夢の中の出来事を一生懸命覚えてそれを小説のネタにするクセがあった。つまり、「夢の中でこれは夢を見ているのでこのシーンをはっきり覚えておこう」といつも脳に言い聞かせていた。

そしてこの早朝の夢もそうであった。夢の中には真っ白な生地に青い竹の笹が描かれた和服の若い美女が出て来た。その美女は朱雀子(すずこ)と自己紹介している、そして、
「音吉さん、音吉さんはたしかブログや電子書籍で小説を書いていますよね~」
「はい、今は連載でこの「働く女性たち…駆け込み寺居酒屋ポン吉」と「伏見稲荷大社の物語」の2本を書いています」
「そう、その伏見稲荷大社の物語の話なんですが、そこには雀は稲穂を食い荒らす農民にとっては害鳥と書いてありました。そしてその害鳥の雀を捕獲して食べる「焼き鳥」が伏見稲荷大社の名物だと書かれていますがそれは間違いになります」
「ほう、しかし、稲穂を荒らすことには間違いはない」
「いぇ、私ら雀は稲穂は食べません。それはまだ熟していない稲穂は殻が固くてたべられないのです。そこで収穫の時の落穂を拾って食べているたけです」
「そうでしたか~」
「はい、それだけではなく私たち雀の主食は稲に悪い影響をもたらす虫を食べています。一羽の雀が生涯に捕獲する農民にとっての害虫を約100万匹は食べていますからもし雀がいなければお米の収穫も約半分にしかなりません」
「ほう、それは初耳になる。雀は稲作にとっては害鳥としか思っていなかった」

「はい、昨今流行っている無農薬の稲作には私たち雀や他の小鳥がいなければ一粒のお米もできません」

音吉は夢の中だから寝たままの会話でしかも目はつむっている。さらに朱雀子は、
「今年の冬は珍しく京都は雪の日が多かったのです。ただでさえ冬は虫もいません、食べるのは雑草の種だけですが、その種も雪では見つけられませんでした。私たち雀というのは丸1日もなにも食べなければ死んでしまいます。そんな折に音吉さんは私たちに毎日パンくずを与えてくれました」

この音吉は毎朝行くパン喫茶から食パンの耳をもらっていた。それを細かく刻んで雀というより小鳥に与えていたのだ。そしてこの朝もこの小鳥たちのさわぐ声で目が覚めていた。さらに朱雀子は、
冬場には雀の約半分が栄養失調で死んでしまうのですが、あのパンは雑草の種や虫などの栄養価の5倍は栄養があって、この地域の雀は音吉さんのパンくずをそれぞれ巣に持ち帰り赤ちゃんやお年寄りの雀に分け与えていました。おかげさまで私たちは辛い冬を生き延びこうして春を迎えられました」

その朱雀子はここまで一気に話をしてからスルスルと着物を脱いで真っ赤な長襦袢姿で音吉のベッドに入って来た。音吉の脳は働いているが、身体は「金縛り」になっているのか身動きはまったくできない。やがて音吉は今まで体験したことがないほどの快感を全身で感じていた。もちろんこれが夢の中だということを音吉が音吉にいい聞かしてはいるが、その得体のしれない全身を貫く快感には降参をしておもわず歓喜の声を上げていた。

音吉が二度寝から目が覚めたのは6時だった、ベランダでは相変わらず雀たちがパンくずの餌を待ってるのか、催促をしているのか騒いでいる。音吉はまな板の上にパンの耳を並べて細かく切りながらさっきの夢を思い出していた。たしかにまだ股間にはそんな快感の後の余韻はたしかにあることはあるが、と思いながら餌をお皿に入れて雀にやると一斉に飛びついてきた。

と、その中に珍しい白い雀が一羽混じっていた。その白い雀と目が合った瞬間に音吉の脳に、
「音吉さん、さっきはどうもありがとうございました」
と聞こえるではないかい、その音吉も口にはださないがテレパシーで、
「いぇ、こちらこそありがとうございました」
「もし私でよかったらいつでも…今度は夜にうかがいます」
「それはそれは…ありがとうごさいます」

こんな会話を白い雀としていると携帯電話が鳴った。音吉はあわて電話を取るとそれはパン喫茶のママからで、
「もしもし、音吉どん…生きていますか~」
「あっ、はいはい、生きていますよ~」
「どうしたのいつも7時には来るのに…もう8時よっ!」
「えっ?、そうか~二度寝に三度寝をしていたのか…それにしてもいい夢だった…」
「あらら、そんないい夢を見ていたの?、相手は誰なの?」
「いゃ~雀の…それがあのパンの耳を雀にやっていると…」
「あらら、それって雀の恩返しではないの…ホホホ、そのパンは私のだから、音吉さんは私にもそれと同じことの恩返しをしてくれる?」
「………………」


老人女装…「オカマのイナコ オカマデビユー」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 お化けの日 番外編48話

老人女装…「オカマのイナコ オカマデビユー」…駆け込み寺居酒屋ポン吉 お化けの日 番外編48話

JR西大路駅近くにある「洋風居酒屋ポン吉」は5月3、4、5と連休の予定だったが、この3日だけは女性抜きの「お化けの日」として店を開けてほしいという申し入れが「西大路オールドニューハーフクラブ」の会長の74歳の「ヒカルちゃん」からあった。ところがメンバー6名参加予定だったが3名しか参加できないというのでこの店のマスターの音吉が急遽女装で参加することになった。

店は看板を出さずに「貸し切り」にしていたが、なぜか?飛び入りの中年以上の男たちが怖いもの見たさに集まり店は一時満員御礼状態だった。この女装クラブは音吉を入れて7名にもなったが、このきっかけとは去年の暮れにある一人の老人の客が店に訪れて音吉に女装として店に来てもいいかという申し入れがあったことから始まる。

これがヒカルちゃんでその時は音吉も目が慣れていなかったのか、それはそれはお世辞にも綺麗とは思わなかった。そうこうしているうちにこのヒカルちゃんの被っているウイッグを他の客が被って記念写真を撮ったのが運のツキでこれらの客も化粧をし始めた。この店のママの幸子はこれまた化粧が上手で客に化粧の指導をしたことから6名の老人女装が誕生していた。

これらのウイッグと服はすべてヒカルちゃんの持ち物で聞けばこのヒカルちゃん、これらの衣装を置くためにマンションを一部屋借りている。会社は西大路駅近くにあってその会社の社長さんでもある。自宅は大阪に大きなお屋敷があるが、家を妻や家族から追い出されたのか?、それとも単身赴任かはわからないがこの衣裳部屋で独居老人をしている。

さてその「お化けの日」だが、これはギャラリーも多くて盛り上がった。私も見様見真似で一応化粧はしたが、やはりお化けとしか見えない。いずれこのギャラリーの老人たちもこれに感化されて次の7月の「お化けの日」には10名を超えていると思う。

★…
画像はそのお化けだが、これらに嫌悪感を覚える人はここから先は進まないでください。この「洋風居酒屋ポン吉」の場所を知りたい方はこのブログの「コメント欄」に書いてください。


働く女性たち…「幸せを呼ぶ紅白のつつじを探す女 さつき」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 47話

働く女性たち…「幸せを呼ぶ紅白のつつじを探す女 さつき」 駆け込み寺居酒屋ポン吉 47話

今年も私が名付けた「幸せを呼ぶ紅白のつつじ」を探そうと西大路花屋町のローム本社前の花壇のつつじを見ていた。この日はまだ花がポツポツしか咲いてはいなかった。するとこの会社の出入りのOLなのか?、若くて綺麗な女性が声をかけてくれた。その女性は、
「綺麗な花ですね、これはさつきですか?」
「いぇいぇ、これはつつじです」
「へえ~私の名前は「さつき」というのですが…このさつきとつつじの違いが判らないというのは恥ずかしいですよね…」
「そんなことはありませんが…」

と、私は何気なしに私のスマホに保存していた去年のブログ「幸せを呼ぶ紅白のつつじ」をそのさつきさんに見せていた。さつきさんは、
「へえ~見事に紅白になっていますね~」
「はい、これすべてここのつつじになります。今年は残念ながらまだ早いようです」
「そうですか~私は富山の会社から主張で来て今から帰ります。それに来週の金曜日にはまた来ますからその昼休みに私も探します」
「そうですね…来週なら満開になっています」

その金曜日の午後6時ごろにそのさつきさんからメールがきた。そこには、
「今日の昼休みと退社後にも一生懸命探しましたがあの紅白のつつじは発見できませんでした」とある、そして今夜は京都駅前のアパホテルが取れましたので明日もう一度探してみますとあった。そこでJR西大路近くに私の店で「洋風居酒屋ポン吉」があるからこないかと返事をするとそのさつきさんは喜んで店に来た。

そのさつきさんは2年前に金沢大学を卒業してロームに就職したが、このロームを選んだのは京都に憧れがあってのことだったが、なぜか配属は自宅のある富山市になったと自己紹介をしている。そのさつきさんがこの店のマスターの音吉に、
「大学時代の恋人も京都に憧れて別の京都の会社に就職をしたが、京都で彼女ができたのか?、もう2年間も連絡がないの…」
「新入入社員というのはなにかと忙しくて連絡がついおろそかになります。これが数か月も続くとこの言い訳に苦労するものです。そしてそれがおっくうでまた数か月が経ってしまいます。こうなると2年ぐらいはすぐです」
「そんなものですか…私もほうもそういえばついこちらからの連絡も忙しくて…なにかと嫌な予感で…」
「そう、これはお互いさまです。で、彼の会社は?」
「はい、この近くの「フラワー本社」で名前は近藤里一といいます」

こうなると話は早いものでフラワー人事課の女課長からすぐに音吉に連絡が入った。それによると近藤は経理課勤務でその同僚というより5年先輩のこの店の常連客の加代子がすぐに店にきた。そしてさつきに、
「あの近藤さんは社内でも有名な合コン好きな人で今夜もこの近くの店で合コンをしています」
「そうでしたか…それで決まった彼女は?」
「いえ、それは知りませんが…」

そこで音吉とさつきはこの近藤らが合コンをしている店に偵察にいった。その全国チェーンの居酒屋の一部屋には近藤ら5対5の合コンが開催されていたが、相手の女性はどれも年上というより中年のおばさまだった。しかも相当破廉恥な王様ゲームで楽しんでいた。

この部屋が丸見えの個室で飲んでいた音吉とさつきは顔を見合わせて近藤の本当の姿を見て失望していた。音吉が時計を見るともう12時前でさつきを駅まで送るといった。この西大路駅からさつきが予約しているホテルは一駅だったが、さつきは音吉にホテルの部屋まで送ってほしいという。音吉は、
「しかし、それはできません。部屋に入れば私も男ですから…」
「でも、明日の朝には「幸せを呼ぶ紅白のつつじ」を一緒に探していただけるのでしょう?」
「はい、それは明日の朝です」
「いやです…私は今夜、「幸せを呼ぶ紅白のつつじ」を探してほしいのです。いえ、私は「さつき」ですから、幸せを呼ぶ紅白のさつきになります」

こんな押し問答をしている最中にママの幸子から電話があった。
「音吉どん…あなたがあの「さつき」さんを店に誘ったのでしょう?」
「そらまあ~そうなるが…それはまた別の話になる」
「しかし、誘った女をその気にさせた責任は音吉どんにあります。仮にもこの店は世間から「駆け込み寺」といわれているのにその女性を不幸にさせていいの?」
「しかし、それならあの近藤とかいうチャライ男とそんなに変わらない」
「いえ、あの人は女を不幸にします。音吉どんはどんな女性も幸せにします」

こうして音吉はさつきを今夜エスコートすることになったが、その時、さつきは真向いの近藤がいる部屋に入っていた、そして、
「里一さん、お久しぶりです。さぞかし京都の夜は毎日楽しいでしょうネ…」
その一言の声で近藤はふと我に返っていたが、なぜここにさつきがいるのかがまだ理解できないまま無言でいた。さらにさつきは、
「今夜はこの音吉さんと私も楽しい夜をすごします。里一さんも楽しんでください」
といいつつさつきは音吉の腕の中で復讐の味を噛みしめていた。


★…画像は今年の「幸せを呼ぶ紅白のつつじ」です。今年のローム本社のつつじはどの色も成長が悪い。水不足か?、病気かはわからない…しかし、これだけの大きな会社だから専属の造園師がいるのにネ… ですからこの画像はロームのではなくその近くの物です。



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