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11.【捕】

 

オリンポスの神さまが 飼っていた犬さん 英雄が借りた
絶対に どんな獲物も捕らえるという 見事な猟犬

つかまえたいのは、不敵な狐さん
絶対に どんなものにも捕まらぬという 神さま育ち

犬さん たちまち 猛烈に追い 狐さん軽々と 跳び駆け
鋼の息し 尾を振りわけ がっしり すらりとした脚を運び 
2頭 なかなか 捕まえきれず 捕まりきらない

絶対 と 絶対 どちらが ほんとう? どちらか うそ?
古代世界のかたすみで ひとときの永遠を作る 捕と捕
そこに それぞれのいみ なんだろう?

ふぅむ と 雷霆の方 雲の下へ 手をかざすと
張り切って走った2頭とも つるりと綺麗な 大理石

そのうち おおいぬの星座 その犬さんという

冬の星空に染み入っていく どこかの遠吠えの声

・ ・ ・

 犬先生:ほおう、たしかにどちらも互角…

 ラクシャさん:そこ!コタツの上で ちっちゃい剣闘士 戦わせない!


12.【封】

 

川沿いの 異様の風吹きだす 洞窟
狩人の犬さん なぜか気になり 岩穴の奥へ

舌で息をし 突き当たった地の深み 噛みあう岩の間に
鎧の覆う 神話の巨躯を見た

飛び上がったが逃げ出さず 鼻に皺よせ 尾を払い唸ると
重低音の静かな笑いと 語りかける声 


口笛にこたえて 飛び出してくる狼犬さん
どうした、と肩をなでられ 嬉しそうに ごつごつの手をぺろぺろ
雪深い平原 空を横切る黒い狩猟団を見上げながら 父母の待つ村へ

犬さんが 少し浮いて走っていることに 今はだれも 気付かない

はての日 放たれて自由になり 混乱を食い駆け 滅ぼさる事 自ら知る
封じの伝説者から 気まぐれに与えられた 鉄の森の息吹 

・ ・ ・
 ラクシャさん:その装備、どうしたんだい?

 犬先生:寒冷防御力を誇る魔法鎧である。おぉっしかし背中掻けないっ


13.【風】

 

灼熱の昼と、氷点下の夜
さそりは去ったが 足は石

大布かぶり 岩陰にもたれて
震えながら 目当ての星を探る

闇の雲の草をたべる 幾頭もの光の羊群
その手前 すいすいと 何かの姿の風が吹く
とたんに だれか どこかで倒れた
らくだが 驚いて鳴いている

長い息ひとつ 妙に落ち着いた気分で
斜めに交差した二対の翼の 黒鷲頭の人影を見る
その手から広がる 苦しみの煙

富と帰るもの 名すらも忘れられるもの
どこか遠いことだった 流行の噂で腹はふくれぬ
みえるもののみ 貪欲に踏み荒らし 余興に興じる灯火のかげ
暖なくも こころの灯火忘れぬひとびと 青い部屋の 虚ろな夢
ひざにあごをのせ まるくやさしい目をした老犬

煙 忘れられるものになる間 今までが長すぎる詩だった気もし
しかし ぼんやり眼が覚め 黒鷲のひとがいない

神話のように 地平にのぼる 圧倒的な光と熱の眼の手前に
衣たなびかせ 空中に立つ 何かの姿の風

旅人達の 旅またはじまる
遠くと遠くの はざまの砂漠にて

・ ・ ・
 犬先生:砂漠にコタツがあったら、夜も助かろう、生物も巣にしてみたりなぁ

 ラクシャさん:うん…昼は違った意味で トラップになりそうだけど…うぅ、しかし あったかいっ


14.【陽】

 

暗黒に「5つめの太陽」を今こそ創ろう
その想いのもとに 光と熱の珠 育つ
羽飾りの 金飾りの 数多くの仲間
次々 激しい光にのまれ 熱に焦がれ

燦然たる 魂の灯は成った

しかし 見上げる共は既になく
眼からは滝のような 落涙
目玉も流れ出すような


夢の奥か いつかの欠片か
密林の向こうへ沈む 真っ赤な夕陽を
だれかが押して 送っていく

・ ・ ・
 犬先生:見たまえ君。コタツの内部の色の、やや夕陽のごとき色あい…へっくしわおん!

 ラクシャさん:すっかり気に入ったんだね、おこた。


15.【建】

 

森の岩場から 川をみてみた
虫の声と静かな丸い光 水面に

おや なにかが ふたつ
何の力か 沈まぬ篭にゆられ

脚を伸ばして立ち上がり
小石けちらし 駆け下りて
くうん?と 首を かしげた

ずるずる 大泣きの篭 牙並ぶ口で引っ張りあげ
かくされたふたご くるんで眠った

たなびく旗 白い2つの城 勇壮な鎧の兵士達の夢
険しい顔で鼓舞し 見事な剣を振るう王たち 誰かに似ている

すっかり 守るつもりで 滋養を与え
寝息を聞いて出た狩りの間に 狩人がみつけた

篭の子ら あぶない 
狼にでも食われんように おれらでつれて帰ろう
おぉ 大粒の涙 怖かったろうになあ

雲間の精霊 名残の力やどる 狼のからだ
夕陽に輝く夢のような草原に 命の糧を狩らんと

のちの 栄華と儚さの帝国の丘にて

・ ・ ・
 犬先生:ラクシャ君、君の尾のふわふわ再現素材を全身に着てみたが、どうか。

 ラクシャさん:うん、羊です。



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