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02.【星】

 

宇宙に犬さん 行ったという

地球に帰ってきた子もいて
そら未だ どこかの子も

宣伝される ひかりのかげ
見える以上の ものがある

見ず見たりとは なんと うそか
見えずを見るにも かげりがあり

遠い光の 闇間のきらめき
しかしなんと しみることか

見上げて ちょこん
愛犬 ちいさな舌だして
光る星 影の星 うかぶ銀河のどこか
見つめ くふんと まるく呼んだ

・ ・ ・
 犬先生:呼びかけたら、何ぞ出てきた。

 ラクシャさん:うあっコタツから幾千もの歯磨きガムがっ!


03.【双】

 

笛と 太鼓と 光うっすら
鬱蒼とした古樹ごしに
道のりょうはた 石の仔獣たち ちょこなんと

とくべつのしるしと、まよけのしるし
しめしているけど、左右がぎゃく?

右の仔 丸い頭かたむけ
尻尾をふって 前足をぽん、と

左の仔 鼻をぺろっと
のっそり立てど へたんと座る

押したり かんだり うなって ぶつかり
ちいさなけんかの 意外な迫力

なにかだった 黒い子鬼が 駆け去っていく

ごろごろ ぺろぺろ へんてこ 二匹
落ち着き すんなり 座りなおした

通る仮面の翁さん 仔らみて 微笑む

でも おかしいな
右の仔 また わぁと 開口
左の仔 また ふっと 閉口

くるくる ごろごろ もとは2種の なかよし2ひき
空気まで酔う ちいさな宴の宵にて

・ ・ ・
 ラクシャさん:ぐるるふ…すぅー

 犬先生:(わいるどな犬科的寝息だなぁ)


04.【九】

 

暗い路地に 真っ赤な着物の 妖しのひと
切れ長の瞳で微笑み みるみる奥へ駆けていく


不思議の案内 湧いた霧の向こうは金色の雲

野に光受け立つ姿 みつけた人は 幸のしるしじゃ と
諸国を旅し 美女に化けては 王たちをとりこにし
お山にしばし休んでは、古老の獣や木々と語る

まこととうそと幻想へのあこがれが 風とうずまき

気付けば 霧の野 紙と縄した 岩の上
九尾の透けた 大狐さん ふわふわした 尾をきままに
真紅の瞳 微笑むような輝き

なんぢ わがかげ いかにみえきや

暗い路地に尻もち 優雅だが どこかさびしげな声 響いた
 
・ ・ ・
 犬先生:例えば私は黒い犬的な何かだが、何者かは混淆…アヌビス殿に似せた姿は、りすペクトコスのような物だし

 ラクシャさん:その姿、こすぷれ だったんだ…また新たな謎がっ


05.【荒野】

 

厚い雲の下 荒野の夜に、鎖を引きずる音
迷い道の十字路で 黒い巨犬 炎の息を吐きつつ

しかし ふっと 鋭く赤い目 まるくなり
なんだ、久しいじゃないか と 意外な声

生まれた家 何かの跡地 見下ろす丘で
孤独の暇を 黒い衣の子と遊んだ
よもや 夜に彷徨う精霊さんとは
かわりものの 功名かな?

そういえば、と道をたずねた
どうもその家 帰れないんだ わかるかい?

あぁ それなら 俺もわかるさ
なぜなら きみは…

真っ赤な丸い目 おやつを貰える 仔のような輝き 

・ ・ ・
 犬先生:私も昔、道を尋ねたことがあるよ。(不思議犬仕様のクッキー食べつつ)
 ラクシャさん:ほんとうに神出鬼没だなぁ、きみ(クッキーの小袋が開かない)


06.【雨】

 

さぁさぁと降る水粒に おおわれた闇
ぬかるみを こころもとない 灯りひとつ

と 足元 じっとりと 包まれる感触
ぼんやり丸い灯りの下 丸いずぶぬれ ひっついている
毛は房になり 潤んだ黒い目 どこか底なしの 何ともつかぬ仔
小さな足で ようやっと けんめいに 未知の声で 鼻をならし

世界 毎日 いろいろうまれ たえていく
たえるむすうの ものたちのうち いくつかは
こうして怪に なるのだろうか

同じじゃないから しゃべらないから 少し変わった所があるから
賢くないとは たしかな条かな?

ひとぶんの、いきているぶんの、時代ぶんの、地方ぶんの、
まちぶんの、おやぶんこぶんぶんの、みそっかすぶんの、いえでぶんの いち

ひざではさんだ 電池切れそう 懐中電灯 照らされて
りょうてでだっこされた怪の仔 満足げな あくびして ばしゃっとこまかな 水の粒

雨音 耳に戻り 呼ぶ声どたばた
ふっくらな手の きつい平手と はぐ食らい 
言わなかった心細さの糸が切れ

どうどうと流れ出す あったかい涙の混じる闇 
・ ・ ・
 犬先生:ぶるるふ足寒い…コタツの温度、上げてはくれんかね?

 ラクシャさん:え、さっき上げたよ?とりあえず、はい お茶。



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