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10.スペイン語・英語・日本語

私の語学レベル-英語は日常会話程度・スペイン語はたどたどしいけれど、TVドラマは

概ねわかる程度。英語の映画は英語字幕があれば、問題ないけれど字幕がないと耳を

ダンボにしていないと聞き取れないシ-ンは幾つかある。パーフェクトには程遠いそんな

レベルでも、こちらで生活していて、特別に不自由は感じていない。たとえたどたどしい

スペイン語でも、伝えたい意志があればどんな言い方にせよ必ず伝わると思うし、同じ

言葉を話す日本人同士だってどんな言葉を駆使しようが、伝わらない相手には伝わら

ないと私は思う。

 

常日頃日本語でない言葉で生活していて、いつも驚くのは英語とスペイン語の語彙の

多さだ。特に感情を表わす言葉、 例えば日本語の「素晴らしい」とか「素敵」にあたる

単語が少なくとも6~7語はある。以前外国映画を翻訳しているプロの日本人のコラムで

「罵り言葉とか日本語での表現が少ないので翻訳には特に苦労している」というのを

読んだ。日本人って良くも悪くも、感情をあまり表わさないから表現する言葉も少ない

のかもしれない。だから褒め言葉のような良い言葉でも、罵り言葉のような悪い言葉

でも、スペイン語で覚えたら、自分の感情を表現するのに困ることはない。

 

逆にスペイン語や英語にない日本独特の言葉もある。食前と食後の「いただきます」

「ごちそうさま」、相手をねぎらう意味の「お疲れさま」「ごくろうさま」など。

これらが日本語にしかない表現だとすると、日本人の礼儀正しさや相手への気遣い

などが見えてきて、ちょっと誇らしく思った。

 


11.幸せ尺度

スペインの私が住んでいるところで日本と違う点は、多々あるけれど、サルサを始めて

から特に目についたのが、幸せカップルとファミリ-の多さだ。それも幸せを絵にかいた

ような家族が、周りにたくさんいる。

 

日本だと人前では仲良さそうに振舞って、家に帰れば家庭内別居の仮面夫婦が多いよう

だけれど、こちらはどこから見ても円満そのもの。日本の友人とチャットで 私がどうして

だろうと言うと、友人は「大都会だといくらスペインでも幸せ家族そんなに多くないんじゃ

ない?」と言う。そうたしかにそうなんだ。都会は情報も刺激も溢れていて、何かする

ときの選択肢も山ほどある。

 

私の周りのハッピ-夫婦たちを見ると、どのカップルも旦那は安定した仕事について、

海外に出たこともなく、外国語は一切話さず、何十年もこの地域で愛する人と家庭を

築いてきている。もちろん様ざまな知識はあっても、実生活は、比較的狭い地域で動く

ことなく満足した生活を送ってきているのだと思う。そう考えると余分な情報や刺激は、

必要ないのかもしれない。何にせよ、不幸な人を見るよりは幸せな人を見ている方が

ずっと気分はいいから、周りのカップルさんたちいつまでも幸せに!


12.中国の脅威

この2~3年でスペインへの中国進出力は、目を見張るものがある。8年前こちらに

住み始めた時点で中華レストランは沢山あったけれど、最近増えてきたのが中国人

経営の大型雑貨店で、200mに1軒の割合であり、家庭用品・雑貨・洋服・靴など品

揃えも多い。現在ではスペイン国内の主要都市はもとより、マラガでさえチャイナ

タウンがある。またヨ-ロッパにある多くの中華レストランが日本レストランに店舗

替えという記事もあったけれど、ここフエンヒロ-ラに2軒ある日本料理のレストラン

は、ずっと以前から中国人経営である。

 

スペインは天気がよければ、コスタからアフリカ大陸の山々が見えるほど近いから、

連日アフリカから難民がボ-トで不法入国のニュ-スは珍しくないけれど、中国に

関しては違法で輸出された中国商品が税関でストップされたというケ-スはよく聞く。

 

知り合いのイギリス人会社社長は、こちらに住んでいる中国人女性を仲介に、スペ

イン入国希望の中国人に労働ビザ取得のためスポンサ-になって書類を作成し、

何と一人につき、6000€も取って儲けていた。

 

スペイン人に限らず西洋人全般が、それほど明確に日本と中国の違いを把握して

いるわけではない。民族だけでなく歴史や文化に関しても日本と中国の知識が

ゴチャマゼになっている人も多い。スペイン人と結婚して北部に住んでいる日本人

女性との会話で「中国人に間違われるのは本当気分が悪いね」ということで意見が

一致した。

 

私は日本人であることに日本にいたとき以上に誇りを持っているし、日本人の繊細

さや心遣いは、世界に誇れるものだと思っている。中国人同士のネットワ-クの強さ

や雑草のような逞しさは、それなりに尊敬するけれど、繊細さという観点から見れば、

全く違う中国人と一緒にされたくはないというのが、私の本音である。


13.歳の差恋愛って

スペイン生活8年、現在一回り以上年下のイギリス人の彼と一緒に住んで3年になる。

スペインはもとより欧米では年下男性を恋人に持っている女優とか著名人の女性が、

ここ数年話題にのぼっているけれど、私個人的には日本にいたときから、年下の男性

により惹かれる傾向はあった。

 

私の亡き母は、50代で離婚した後にできた恋人は何と私と同じ年だったので、母と彼

との年令差は27年もあったけれど、娘の私から見てもそんな年令差を感じさせない、

お似合いのカップルだった。その彼は62才で亡くなった母の最後のときまでしっかり

面倒を見て、とてもいい関係を保っていたと思う。そういう例を身近に見ていたので、

私自身は年下の男性に全く抵抗はない。

 

過去に年上の男性との付き合いもあったけれど、私は深い付き合いが始まると、年令

には関係なく相手の男性の尊敬できる部分を重視する。その関係が終わるときは、常

に何らかの理由で相手を尊敬できなくなり、エンディングを迎えてきた。今一緒にいる

彼は「年なんてただの数字にすぎない」と言うし、彼自身も私の年は全く気にしていな

いようである。

 

「女性は若いときに年配のお金持ちと結婚して、その旦那さんが亡くなった後で、若い

男性と再婚するのが理想」という言葉思い出した。年下の男性を恋人にしたときのメリ

ットは若さを保ちつつ、気分的にもより若くいられるという点で、年配の男性が、若い

女性を奥さんにしたときも同じかも。ということで「恋愛に年令差は関係なし」が、私

の結論である。


14.おじさんの出世

この町に住み始めて買い物に出たりしたとき、片足の膝から下が無い老人が路上

に座っているのを何度か見かけ、小銭をあげるようになり簡単な言葉もかわすよう

になった。そんなある日、友人のマンションを訪ねたら、そのおじさんが杖をついて

同じ建物に入っていくではないか。義足をつけているのだろうけれど外から見る限り、

それほど普通の人とかわらない。できれば顔をあわせたくはなかったけれど、バッタリ

のタイミングで避けるわけにもいかず、オラと挨拶したら「友達が家賃を払ってくれて、

ここに住んでいるんだ」と言ったのは、きまりが悪かったからかもしれないけれど。

 

私の方はといえば、何となく複雑な気持ちだったのは否定できない。別に相手の不幸

を望んでいる訳ではないけれど、私の中で可哀想な人だからお金を恵んであげると

いう図式があって、そのマンションに住んでいる彼は、杖はついていてもちゃんと

歩けていたし、別に可哀想な人には見えなかったからかもしれない。

 

でも考えてみれば、物乞いだって商売として成立っていいわけで、こちらでもジプシ-

の貧しい身なりをしたおばあさんの乞食とか、たまに見ることがある。聞いた話では、

その老女の後をつけていったらなんと、車庫付の立派な家に住んでいたという例も

あるので、物乞いもちゃんと商売として成り立っているのだろう。

 

さてそのおじさん、今は私の住いのすぐ近くでキオスクの小売店を任されている。その

店の前を通る度に、いい生活から落ちていくケ-スじゃなくベタ-になって良かったと、

内心おじさんの出世に拍手してます。

 



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