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3.スペインのニューヨーク

ここコスタ・デル・ソルはヨ-ロッパでも人気のリゾ-トで、近隣諸国からの入植者が多い

コスモポリタンな地域である。様ざまな人種が集まっているのはニュ-ヨ-クに似ている。

一番多いのが英国人で、他にヨ-ロッパ各国、アラブ諸国、ここ2~3年急増したのが、

南米人と中国人、それにアフリカ不法移民が加わる。

 

私は4年前サルサを習い始めてからスペイン人の友人ができて、スペイン社会に入れる

ようになったけれど、それ以前は中々スペイン社会に入り込むことはできなかった。以前

から不思議に思っていたこと、こちらの外人社会とスペイン人社会は交わっていないのだ。

何十年住んでいても、全然スペイン語を話さない外国人(特にイギリス人)は結構いるし、

そういう外国人をスペイン人たちは、快く思っていないし例えスペイン語が話せてもやはり

スペイン社会に入るのが難しい現状だ。

 

私のスペイン人の友人たちは、数多くあるイングリッシュやアイリッシュBARには絶対行

かないし、インタ-ナショナルフェリアでさえ他のヨ-ロッパのカセタには入ろうとしない。

私が訪れた他の国では、例えばハンガリ-、ドイツ、北欧などでは外国人はもっとその地

域に溶け込んでいたし、又現地の人々も彼らを受入れていたように思う。恐らくここコスタ・

デル・ソル自体が、特殊な地域なのだろう。近隣の外国人たちが退職後のセカンドホ-ム

や、バカンス用に多額の資金を投入し、この地域は発展してきたのである。

 

それにしても私が住んでいるこの8年間を見ても、スペイン人と外国人の距離は縮まらな

いのは、ある意味で不思議だしとても残念なことだ。

 


4.スペインの刑務所

以前TVで「刑務所内のコ-ラス」という番組があって、毎週興味を持ってみていた。

内容はスペインの刑務所の囚人たちの娯楽活動の一つにコ-ラスクラスがあり、音楽

教師が彼らにコ-ラスを教えて3ヶ月くらいかけて練習して、最後は特別に用意された

会場で、成果を披露する迄の過程を紹介するというもの。

 

まず私が驚いたのは、スペイン刑務所の条件の良さだ。誰もが私服でシマシマの囚人

服なんて着ていない。外の世界と全く変わらず思い思いの服を着ている。タバコも許可

されていて、小さなマ-ケットもあって、日用品はそこで調達できる。部屋もちょっと

した小ぶりのワンル-ムマンション並だ。 唯一外界との違いは、外から部屋に鍵をか

けられてしまうこと。コ-ラスのクラスに参加していた囚人達はといえば、殺人などの

重罪犯を除いて多くがドラッグ関連、他は窃盗などで刑期も2年から10年以上とまち

まちだ。誰もが皆穏やかな顔をしていて、とても犯罪者には見えない。番組では囚人

たちのプロフィ-ルも紹介され、友情ありコ-ラス教師との暖かい交流ありで、1ク-

ルのクラスが終了して教師との別れでは涙ありで中々感動ものだ。

 

自由が拘束されているとはいえ、刑期中は食べることに困ることもなければ仕事や生活

の心配もない。楽しむための娯楽のクラスは、コ-ラスはじめ楽器演奏、工作や絵画の

ほかにスポ-ツジムまである。あまりの待遇の良さに驚いた旨をこちらのスペイン人の

友人に告げると「囚人でも同じ人間、罪の償いとして自由を拘束するだけで充分だし、

人間としての尊厳までは奪べきではないし、彼らにも楽しむ権利はある。」という返事

を聞いて「北風と太陽」の逸話を思い出した。罪の償いに、冷たい北風ばかりあてても

逆効果かもしれない。

 

実際の再犯率は定かではないけれど、番組内の囚人の誰もが、もう二度と同じ過ちは

絶対繰り返さないと言っていた。特にフランコ独裁政権が崩壊したあとのスペインは、

自由に向けて急速に変貌した。個人の尊厳に対しての見解はフランコ時代の反動も

大いにあるだろうけれど、犯罪者たちにとてもやさしいスペインだな。


5.スペインの声優うまい!

自宅のTVはサテライトではないので、見るのはもっぱらスパニッシュプログラムである。

特に映画は良く見る方だけれど、こちらの映画はほとんどがスペイン語の吹替えになって

いる。たまにフランス映画や、イギリス映画を字幕付き原語で放映することもあるけれど、

それ以外は他国の映画はすべて吹替えだ。

 

何より私が感心して見ているのは、オリジナルの俳優がしゃべっている口の動きと、声優

のアフレコにずれがないことだ。たぶん翻訳後の台本のうまさと、声優のレベルの高さに

よるものだと思うけれど。こちらのTVで日本映画「七人の侍」を見たときも、声優の上

手さに感心した。声自体も三船敏郎や志村喬の実声と似ていて、まるで日本人俳優がスペ

イン語をしゃべっていると錯覚するほどだ。漫画の「ドラエモン」「クレヨンしんちゃん」

もこちらでは人気があり、画面を見ずに声だけ聞いていると、やはり日本漫画のキャラ

クタ-達がスペイン語で話してるみたい、といっても決して大げさではない。

 

日本の声優のレベルも、すごく高いと思っていたけれど、スペインの声優もすごい。

売れている声優は何人もの俳優の声を、掛け持ちで吹替えしたりしているのも、日本と

同じかもしれない。ともあれスペイン声優陣に拍手!


6.Skypeハイジャック事件

現在同棲中の彼は、PC使用のホ-ムビジネスをしている。元々名うてのセ-ルスマンで、

投資物件を扱う有能なブロ-カ-である。良いと思っているものでさえ、セ-ルスが苦手

な私とは彼は正反対のタイプだ。

 

ある日の午後、顧客とSkypeを使って通話中にいきなり通話が途切れ、突然ログインでき

ない状態になった。それから30分も立たないうちに彼のメ-ルにPayPalを通してSkype

商品購入決済の通知が、5~6件立て続けに送付された。彼はすぐにPayPalカスタマ-

サ-ビスに電話をして事態を説明したけれど、中々埒があかない。次に彼は、PayPalと

連動させている自分の銀行に連絡しその後の決済をストップするよう要請した。その時点

での被害額は1件が20~30€だったのでト-タルで約200€だ。彼はSkypeのワ-ルド

スクリプションを利用していて、顧客への連絡は全てSkype使用だし、彼のアカウントに

登録してある顧客リストも180件あり、その時点でバックアップを取っていなかったので、

ハイジャックされてからの数日間は、彼のビジネスも完全ストップ状態だ。Skype側に連絡

を取ろうにも、HPのどこを見てもサポ-トはメ-ルのみで電話番号は載ってない。Skype

フォ-ラムで見ると同様の被害にあった報告も何件か出ているけれど、その誰も解決まで

至っていなくて、半分あきらめながらSkypeサポ-トからのメ-ルを待っているようなもの

ばかりだった。

 

彼はといえば、アカウントをハイジャックされてログインできなくなったときはパニクッ

ていたけれど、被害の状況を把握しサポ-トに直接電話できないとわかった時点で、怒り

心頭だった。その後、アカウントに登録してある彼の親しいビジネス仲間(スイス在住)

もハイジャックされたりと悪いニュ-スの追い討ちだ。でも前述の様に個人で名うての

ブロ-カ-で飛ばしてきた彼は、絶対泣き寝入りなどはしない。そこからが彼の快進撃

の始まりである。ということで、事件の顛末は長くなるので次回で。


7.Skypeハイジャック事件2

私の彼のSkypeがハイジャックされて、被害は次々に口座から引落とされた200€と、

ログインできなくなったアカウントに登録してあった180件の連絡先を失っただけには

留まらなかった。その後彼のパソコンバックオフィスにも、どうやらハッカ-が入り込

んだらしいことが判明し、すぐに知合いのIT専門家を呼び、詳しい調査と排除と2重

のウイルスチェック機能まで追加してもらった。それと同時にメ-ル、ホ-ムペ-ジ、

ブログ、メンバ-登録しているSNSやその他のサイト等のIDやログインネ-ムと

パスワ-ドのすべて、特にパスワ-ドは全部違う絶対に予測できないようなものに

変更して万全の予防策を講じた。

 

Skypeのサポ-ト電話番号はどうしても見つからなかったので、彼はまずBBCの記者

に電話して事件の被害を話し、泣き寝入りするつもりは全くないこと、すぐ被害につい

てのHPを作成し、アメリカで同様の被害にあった弁護士と共に全世界に発信する旨を

告げたら、何とその記者はSkypeカスタマ-サポ-トの連絡先電話番号を知っている

という。そして事件から2週間後、とうとうサポ-トのチ-フなる女性とコンタクトが

取れたのである。

 

Skype側も独自の調査班を出動させて詳しく調べるとのことで、何度かの長時間に渡る

やり取りの後、彼の不正に決済された金額も、失ったアカウントの連絡リストも全て戻

ったのである。Skype調査によるとハイジャックされた彼のアカウントから、中近東や

アフリカへ頻繁に電話が使用されていたそうだ。

 

それにしても未だに私が不思議に思うのは、SkypeHPにも検索エンジンにも載っていない

電話番号を一体誰がどうやって調べられるのだろう?そして一体誰の何のためのサポ-ト

というのだろう?今回は彼の強い反骨精神もあって解決までに至ったけれど、泣き寝入り

してしまう人も多いのではないだろうか。

 

というわけで、文句をいうべきときは言う、正当な権利はきちんと主張しあきらめず闘う

べきだということ、事件を通し学ばせてもらったけれど、何より私が疑問に思ったことは、

彼がBBC記者に事件のことをネットで一般公開すると言ったときに何故その記者はそれを

記事にせず、スカイプ側に仲介したのかという点である。彼の推測によると現在Skypeも

PayPalもeBayがオ-ナ-で本社は全て3社とも、登録住所がルクセンブルグとなっている。

おそらく、BBCとeBay間のバックサイドで取り決めのようなものがあり、BBCはSkype

問題を大きくしないよう擁護したのではないかというのだ。その説明で何となく私も納得

したけれど、大きなビジネスや政治の裏世界では、私如き一般人が知るべくもない様ざま

な取引があるんだろうなと感心した次第である。



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