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アル中で良かった?

私がいつもミーティングで言うセリフがありました。

 

それは、「なぜ自分がアル中になったのか、その根っこが知りたい」

 

でした。

 

理由を知らない限り病気を治すことは出来ないような気がしたからです。

 

これは私の個人的発想なのか男の発想なのか分かりませんが、どうしても

 

その理由とか理屈が知りたかったのです。

 

私は今も思っていますが、アル中も摂食障害も過食症もその他多くの精神疾患の根っこは

 

同じではないかと思っています。

 

私達はそれがたまたまアルコールに現れただけだと思っています。

 

アルコールは日本では合法ですし、買って飲む分には問題はありませんから

 

そういう意味では私は数ある病気の中でもラッキーな方の病気になったのかな?

 

と思っています。

 

仲間も沢山いますし、専門病院もあります。

 

覚せい剤では洒落になりませんからね。

 

楽観的すぎますかね!?・・・・・

 


自分を知る旅

こうして私は週に何度かミーティングに通いながら

 

アルコールと付き合っていました。

 

もちろん飲みながら・・・

 

この頃はだいたい焼酎を日に4合飲んでいました。

 

もちろん朝は匂います。

 

そしていつも上司を避けるようにして仕事していました。

 

 

しかし段々とこの生活に行き詰まりを感じ始めていました。

 

そして更に本格的に病気の元を知りたくなったのです。

 

この頃からでしょうか、またアルコール関連の本を

 

読み漁り始めました。

 

アル中初心者の方に言います。

 

1・自分はアル中ではないと思っている。

 

2・アル中本を買ったり借りたりしたのに読み始めると先に進めない。

 

この2つに該当する方はずばりアル中です

 

否定するでしょうが、否定すればするほどにあなたはアル中です。

 

アル中は否定の病気とも言われます。

 

何を言おうがこの2つに該当する方はアル中です。

 

否定する気持ちは分かりますが、頭の片隅にでも

 

入れておいてください。


同志

ミーティングには色々な方が来ます。

 

そのメンバーを冷静に見るとどこからどう見ても

 

アル中の集まりだなんて誰にも絶対に分かりません。

 

夜にミーティングがあることもあって、集まる方は

 

男性はスーツ姿が多いです。

 

そして職業もそれぞれです。

 

会社社長・郵便局長・1流企業の企業戦士・町の名士

 

よーく見ると鼻の頭が赤かったりする特徴はありますが・・・・・

 

基本的に皆さん紳士です。

 

きわめて社会的で地位も高い方が多いです。

 

普通に話すだけでも勉強になったりします。

 

メンバーも大体固定しますから、すぐに打ち解けて

 

仲良くなります。

 

私達はミーティング終わりで近所の喫茶店でよく

 

お茶をしました。

 

そこではミーティングでは語れなかった顔を見せて

 

くれる方もいらっしゃいましたし、これまた大変に

 

興味深く楽しいひと時でした。

 

何よりも皆に言えることは、皆同志であるということです。

 

大人の集団ですから、個人的な事はお互いに聞きませんし

 

言いませんが、その絆は強いものがあります。

 

そこには会社のような上下関係も男女差別も何もありません。

 

とてもフラットな世界です。

 


事件

そんな私についに事件が起こります。

 

いや、事件というほどの事ではないのですが、、、

 

取引先の会社でお金を受け取っていた時の事です。

 

突然、手が震え始めました。

 

ブルブルブルブル。

 

取引先のお姉さんの顔が見る見る変わるのが分かりました。

 

慌ててその場にしゃがみ込んでデスクの影でなんとか集金作業を

 

終わらせた私は逃げるようにしてその場を去りました。

 

その会社から逃げるようにバイクで離れた私は、ある程度行った

 

所でバイクを停めて、茫然としました。

 

心臓のドキドキが止まりません。

 

どうしてよいのか分かりません。

 

とにかく頭をよぎったのは同志に電話をすることでした。

 

特に親しくしてもらっていた方に電話を入れました。

 

まずは電話に出てくれることを祈りました。

 

とにかく出てほしい!!

 

お願い!出て!!

 

 

願いが叶ったのか電話は通じました。

 

 

そこで今の混乱した自分の頭の中を洗いざらい吐き出しました。

 

とにかく聞いてもらいたかったのです。

 

そしてその方はゆっくりと優しく諭すように

 

「大丈夫だから」と言って下さいました。

 

その時の恐怖とありがたみ。

 

一生忘れません。

 

それがたしか2000年7月26日くらいだったと思います。

 

それからどうしたのか全く思い出せませんが、

 

その日のミーティングに参加したのでしょう。

 

そしてそこでその日の出来事をきっと話したのだろうと思います。

 

その日以来ボクは1滴もアルコールを飲んでおりません。

 

強烈な恐怖がボクの良い意味でのトラウマになりました。

 


大事なことば

ボクを救ってくれたのは、まず本に出合ったことでした。

それはクラウディアブラックの「私は親のようにならない」

でした。読み終わるのに1年くらい掛かりましたが・・・

他にも名著はたくさんあります。

 

大事なことは正しい知識を入れることです。

 

そして何より病院へ駆け込むことです。

 

自分で自分の事は誰も分かりません。

 

冷静に判断してもらうことが何より大切です。

 

ボクはアル中が一生治らない病気だと知った時に、

 

絶望はしませんでした。

 

絶望どころか病気ならば治ると確信すらしました。

 

病院と上手く付き合えば、薬や同志や

 

最新のアルコールや脳科学の本を読みながら上手く

 

付き合えば、きっと良くなると確信しました。

 

 

楽観的すぎると言われるかもしれません。

 

ですが、ボク達にはACやアル中であるが故に持つ強み

 

があるのも事実です。

 

一病息災と言うではありませんか。

 

ここまで偉そうに語ってきたボクですが、

 

現在は異動先の職場で人間関係で悩んでいます。

 

鬱病の薬を飲みながらなんとか毎日を生きています。

 

それでも絶望なんて全くしません。

 

子供の頃のあの生き難さの苦しみ。

 

アル中時代の苦しみにくらべたら

 

全く微々たるものだと知っているからです。

 

知ることは強いです。



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