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はじめに

はじめに


 ビゾー・クラシック(Biseau classique)のビゾーとは、フランス語で斜断面のことを意味し英語ではベベル(Bevel)と言いますが、あまりなじみのない言葉かもしれません。額装においては絵や版画、写真等のためにマットに開ける窓の切り口を45度の角度で切るのが一般的な技法として定着していますが、この部分を斜断面(ビゾー)と呼び、切ったままで仕上げるだけでなく様々な素材で貼りくるむ事で額装の表情は無限の可能性を持つことになります。フランスで盛んなこのような装飾技法の呼び名として、日本語や英語による訳が馴染みにくいので敢えてそのままビゾー・クラシックと呼んでいます。


 マットボードの切り口を化粧せずに厚紙の中心の色(通常は白)のまま額装に使うのは、最も流通している額装方法の一つです。それらは大量生産にも対応することが出来、今日では多くのマットボードはコンピュータ制御によるカッターでこのように45度に切られています。ビゾークラシックとは、もはやその名の通りクラシックな伝統技法の一つと言えるのかもしれません。手仕事でしか成し得ない仕上げであると同時に、斜断面に金銀箔や、マーブル紙、和紙や布等あらゆる素材を主題に合わせて選ぶことが可能で、表面のマットボードの素材や色との組み合わせによって、洋服や着物のコーディネートのように楽しむことも、またその飾られる環境との関係にかかわることも可能なのです。着物の半襟のようにほんのわずかな色や柄の見せ方で、額装全体の色めきが変わるのです。
 額装は料理や服装に例えて語られることが多いのですが、ビゾー・クラシックは主題のための意匠であり同時に衣装として、それを着る絵や版画、納められるものに合わせて素材やデザインを決めていくことが出来るため、手作りで額装を楽しむ人にとっては最も大切な技術の一つです。例えば、古い版画には金箔を、写真や書には少しエイジングした銀箔を、ボタニカル画にはイタリアのマーブル紙を貼れば主題の魅力を更に増幅させることが出来るでしょう。
 パスパルトゥー・サンプルやシングル・カットで基礎を覚えたら、次はビゾー・クラシックで額装の幅をひろげて下さい。


                                    小笠原 尚司
                                小笠原よしえ




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